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温泉水を使った「出湯温泉パン工房」のふっくらパン。

出湯温泉にある温泉水を使ってパンを作るベーカリー。

五頭山の麓には、村杉温泉、今板温泉、出湯温泉の3つの温泉郷があります。その中の出湯温泉は弘法大師が開湯したといわれ、1200年もの歴史があるんです。泉質は無色無臭で、飲むこともできるラジウム泉。その温泉水を使ってパンを作っているベーカリーが「出湯温泉パン工房」です。今回はパン職人の笹川さんから、温泉水を使ったパンについてお話を聞いてきました。

 

 

出湯温泉パン工房

笹川 俊樹 Toshiki Sasagawa

1988年新潟市東区生まれ。新潟駅南口にある「シェフパティシエ専門学校」でパン作りを学んだ後、新潟市東区のベーカリーで7年間店長を務めてきた。2016年から「出湯温泉パン工房」でパン作りの腕を奮うかたわら専門学校で講師も務める。高校時代から続けているバレーが趣味で、社会人チームにも所属して活躍している。

 

飲める温泉水を使った町おこしとして誕生したパン。

——そもそも温泉水でパンを作ろうと思ったきっかけって何だったんでしょう?

笹川さん:出湯温泉の飲むことができるラジウム泉を使って、何か町おこしができないかと考えたオーナーの渡邉が、趣味のパン作りを生かして温泉水を使ったパンを作り始めたのがきっかけです。でも本格的なパン作りはやったことがなくて、機械の操作とかもできなかったので、私が相談に乗るようになったんです。全国ネットのテレビ番組で紹介されてからは、お客様が爆発的に増えたので大変だったみたいですね。

 

——笹川さんはパン職人の経験が長いんですか?

笹川さん:私は新潟駅南口にある「シェフパティシエ専門学校」でパン作りを専攻してたんです。ケーキ職人になりたかったんですけど、デコレーション的な作業が苦手だったのでパン作りを選びました(笑)。卒業してからは新潟市東区にあるベーカリーに7年間務め、店長をやっていました。

 

——「出湯温泉パン工房」のオーナーの渡邉さんとはお知り合いだったんですか?

笹川さん:いえ、私の友人が美容室に勤めていて、渡邉はそこのお客さんだったんですよ。「出湯温泉パン工房」がオープンして1年くらい経った頃に、友人が渡邉からパン職人の知り合いがいないかと相談されて私を紹介したんです。「出湯温泉パン工房」を手伝ってくれと頼まれたんだけど、私も当時の店で店長をやっていてすぐに辞めるわけにはいかなかったので、休みの日に通ってパン作りのアドバイスをしました。そういう関係が続いて、2016年から正式に「出湯温泉パン工房」でパンを作ることになったんです。

 

温泉水を使うことで実現した、きめ細かなもっちり食感。

——温泉水を使ったパン作りって、普通の水を使うのと違うんでしょうか?

笹川さん:水道水とは含まれているミネラルの量が違うので、配合が難しいんですよね。温泉水の他に果実から作り出した天然酵母も使っているので、この二つの掛け合わせがとても難しいんです。いろんな配合を試して、何度も失敗を重ねながら作り上げたパンなんですよ。

 

——そこまで苦労して作ったパンは、どんな仕上がりなのですか?

笹川さん:温泉水の成分が、小麦のグルテンを引き締めるんです。そのおかげで、きめ細かくもっちりとした食感になるんですね。ただ、引き締め過ぎて固くなりやすいので、他の材料の配合を調整することでちょうどいい食感にしてるんです。

 

——なるほど。ではお店で販売しているおすすめのパンをいくつか教えてください。

笹川さん:まず「五頭ブレッド」ですね。五頭山の5つの峰をイメージした形になってる全粒粉入りの食パンです。きめ細かでふわふわな食感が楽しめます。そのままでももちろん美味しいですし、焼いていただくと耳の香ばしさがさらに味わい深くなります。1日限定7本なので、予約で完売してしまって、お店に並ぶことがない幻のパンなんです。

 

 

——幻のパンってすごいですね! 他にもおすすめはありますか?

笹川さん:こちらも五頭山をイメージしている「五頭のあんぱん」です。粒あん、こしあん、紫いもあん、栗あん、うぐいすあんの5つの味を楽しむことができます。お土産とかに喜ばれますね。

 

 

——もうひとつおすすめ、行っておきましょうか。

笹川さん:じゃあ「メロンパン」で。添加物を使わずに、100%バターだけで作ってます。外側はサクサク、中側はもっちりした食感を楽しめるんです。プレーンとチョコの2種類をお選びいただけます。

 

ラジウム泉が流れる出湯温泉はマイナスイオンスポット。

——「出湯温泉パン工房」は、出湯温泉の町おこしが目的なんですよね。五頭の魅力についてもお聞きしたいと思います。

笹川さん:五頭山は弘法大師が開山して以来、お坊さんの修業場だった霊峰なんです。そのせいか五頭周辺は空気が澄んでますね。自然も多いですし、出湯温泉の地下にはラジウム泉が流れているのでマイナスイオンがたくさん出ているんです。

 

——なるほど。とっても空気のいい地域なんですね。ではおすすめのスポットってありますか?

笹川さん:「魚止めの滝」は穴場かもしれないですね。「不動の滝」「金剛の滝」「魚止めの滝」の3段階になっている滝の中で一番大きいのが「魚止めの滝」です。行くまでの登山道がけっこう険しいんですけど、わりと立派で見応えのある滝ですよ。あと「やまびこ通り」にある展望台からは新潟平野を一望できて気持ちいいですね。

 

——ありがとうございます。では最後に、これからやってみたいこと、教えてください。

笹川さん:いくつかあります。まずはパン職人を目指す若者がもっと増えてほしいので、そういう取り組みに力を入れていきたいですね。私が非常勤講師として専門学校でパン作りを教えているのもそのためなんです。あと県内はもちろん、県外の方々にも五頭山や出湯温泉の魅力をもっと知ってもらえるよう、私たちも美味しいパンを作ってPRしていけたらと思います。

 

 

温泉水でパンを作るという発想が話題を呼び、人気の「出湯温泉パン工房」。昼過ぎの取材時、もうほとんどパンが残っていないにもかかわらず、何人ものお客さんが訪れていました。このベーカリーのおかげで、出湯温泉に足を運ぶ人たちも増えたのではないでしょうか。ぜひ今後も美味しいパンを作って、出湯温泉を盛り上げていってくださいね。

 

 

出湯温泉パン工房

〒959-1926 新潟県阿賀野市出湯809-1

0250-62-1566

8:00-17:00(パンがなくなり次第終了)

水曜木曜休

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