さつまいもが一年中楽しめる、
農園カフェ。三条市の「芋と1/2」
カフェ
2026.09.02
9月になって秋らしさを感じる日も増えました。秋といえば、さつまいも。今回は三条市の「芋と1/2(にぶんのいち)」さんにお邪魔してきました。こちらのお店は「堀川農園」が運営している農園カフェ。美味しいさつまいもと、「堀川農園」で栽培された野菜などを使ったメニューが楽しめるお店なんだとか。お店ができるまでのことやメニューのことなど、店長の小林さんと「堀川農園」の堀川さんにお話を聞いてきました。
堀川 竜暉
Ryuki Horikawa(芋と1/2)
1992年三条市出身。高校卒業後建設の仕事に携わり、その後家業である「堀川農園』で働きはじめる。枝豆用の倉庫を建てるのをきっかけに「芋と1/2」を作る。休みの日にはバイクに乗っているのだとか。
小林 秀輝
Hideki Kobayashi(芋と1/2)
1992年三条市出身。高校卒業後は三条市の工場で働き、その後燕市の会社で物流の仕事をする。堀川さんに声をかけられたのをきっかけに「堀川農園」に入社し、現在は「芋と1/2」の店長として働く。ラーメンが好きで、休みの日にはよく食べているのだとか。
メインで栽培しているのは、枝豆。
「堀川農園」がカフェを作るまで。
――今日はよろしくお願いします。「芋と1/2」は「堀川農園」がやっているカフェなんですね。まず、堀川農園のことについて教えてください。
堀川さん:「堀川農園」は枝豆をメインに、茶豆ではなく「陽恵(ようけい)」という品種のみを育てています。とても香りの強い品種で、茹でる前から枝豆のいい香りがするんですよ。自分が堀川農園で農業をはじめたときに、ちょうど枝豆も育てはじめたんです。
――堀川さんのご実家の農園と聞きました。
堀川さん:そうなんです。自分はもともと野菜が苦手だったんです。それまでの仕事をやめて堀川農園に入ったとき、農園ではナスを作っていたんですけど、「自分にとって美味しいと感じる野菜を作りたい」と思って枝豆を栽培することにしました。
小林さん:この枝豆は三条市のふるさと納税の返礼品になっていたり、市内の飲食店に卸したりもしているんです。飲食店でうちの枝豆を食べたお客さまが「この枝豆を買いたい」ってわざわざ買いに来てくれることもあるくらい、美味しい枝豆なんですよ。
――そんな堀川農園がどうして「芋と1/2」を作ることに?
堀川さん:自分が枝豆を作るようになって、作業用の倉庫を新しく建てることにしたんです。そのときに、倉庫を作るなら枝豆を売れる直売所も一緒に作れたらいいな、と思ったのがきっかけでこのカフェができました。倉庫を作りはじめたくらいのときから、さつまいもも育てはじめて。「とりあえず何かやってみよう」と思って、さつまいもを使ったカフェを作ることにしたんです。
――カフェをはじめるにあたって、声をかけられたのが小林さんです。
小林さん:僕たちは同い年だけど、知り合ったときは同じ高校ではなかったんです。たまたま同じ電車に乗っていたときに、堀川さんが声をかけてきたんですよ。「なんかやんちゃそうな人だな」と思ったんですけど(笑)、なんだかんだ仲良くなっていって、社会人になってからも仲良くしていましたね。
――堀川さんからこのカフェの話を聞いたとき、どうでした?
小林さん:やるかどうか、かなり迷いましたね。でも堀川さんの押しが強くて(笑)、それだけ熱意があるんだと思って、その話にのっかることにしました。

Advertisement
さつまいもだけじゃない。
季節の野菜や果物も楽しめるメニュー。
――「芋と1/2」という名前は、どのようにして決まったものなのでしょう。
小林さん:「1/2」は、僕がフィリピンと日本のハーフであることに由来しています。さつまいもを焼いている人がハーフだから、「1/2」、そのまんまでしょ(笑)
――(笑)、こちらのお店では、1年を通してさつまいもを楽しめるんですね。
小林さん:そうですね。でも、ここで出しているさつまいも全部がうちの農園で作られたものではないんです。というのも、採れたばかりのさつまいもって、実はそんなに甘くなくて。収穫してから3ヶ月くらいは寝かせる必要があるので、うちで採れたさつまいもが焼き芋として出てくるのは、早くても12月ごろなんですよ。うちで採れたさつまいもがいちばん美味しくなる時期は、だいたい2月から4月くらいかな。
――焼き芋って秋がいちばん美味しいイメージがあったので、驚きです。
小林さん:収穫直後や、まだ収穫できないときは、県外の美味しいさつまいもをご用意しています。お客さまにお出しする前に、そのさつまいもでいいか、一度焼いて確認することは徹底しています。実は僕、あんまりさつまいもは食べない方だったんですけど、このお店をはじめてからは、いろんな芋を焼いて食べるようになりましたね。
――厳選されたさつまいもは、やはり焼き芋で楽しむのがいいでしょうか。
小林さん:焼き芋はぜひ食べてほしいですね。そのまま食べられるし、お腹にも溜まるし。でも夏は温かいものはどうしても手が伸びにくいと思うので、焼き芋を冷ました「冷やし芋」をご用意しています。焼き芋は冷やすともっと甘くなるんですよ。お店ではこの「冷やし芋」をブリュレにしたり、ペーストにしてジェラートとして出したりしています。このジェラートは加茂の「AMEYA AISU」さんに作ってもらいました。
――いろんなかたちで、さつまいもを楽しめそうです。
堀川さん:さつまいも以外にも、野菜や果物を使ったメニューをご用意しています。今だと、うちの枝豆を使ったシェイクとか、ご近所の農園さんの桃やトマトを使ったスムージーとか。かたちや大きさが理由で、市場には出せないものも、味はほとんど同じなので、このお店で加工してご紹介できたらいいなと思って作っています。
――最近、クレープもはじめたんだとか。
堀川さん:クレープ屋さんで働いている奥さんの提案で、試しにはじめてみたんです。生地も試作を繰り返して、パリパリの美味しい生地に仕上げました。最近クレープの評判が良くて、さつまいもよりもクレープが人気の日があるくらい(笑)
小林さん:甘いクレープはもちろん、食事系のクレープもご用意しています。これからの季節はシャインマスカットを使った季節限定のクレープもありますよ。僕のおすすめは、シンプルな「シュガーバター」です。これもぜひ食べてほしいですね。



Advertisement
「枝豆といえば」と「芋といえば」。
ふたりが目指すこれからの農園とお店。
――お店のオープンから1年が経ち、お店は2年目です。実際にお店をやってみて、いかがですか?
小林さん:率直に、難しいなと感じています。土日だからって、お客さまが多くいらっしゃるとは限らないので、仕込みの量を調整するのが難しいんですよね。毎日の来客数を予想しなくてもいいくらい、たくさんの人に来てもらえるようになったらいいのかな、とも思ったり。
堀川さん:それもあって、最近は地域のイベントに出店することも多くなりました。うちは、SNSやテレビを見て市外や県外からのお客さまが比較的多いんですが、お店の周辺や三条の方には、まだあまり知られていないと思うことがあって。新しいことにどんどんチャレンジしながら、地域の方にもっと来ていただけるようなお店づくりもしていきたいと思っています。
――最後に、おふたりのこれからの目標を教えてください!
堀川さん:農園としては、まずは三条でいちばんの枝豆農園になることが目標です。「枝豆といえば堀川農園」って皆さんに思っていただけるように、美味しい枝豆を作っていきたいな、と思っています。
小林さん:僕は「芋と1/2」が、全国のさつまいも好きの方に来てもらえるようなお店にしていきたいなと思っています。全国には「さつまいもといえばこのお店」みたいな、有名なお店がたくさんあるじゃないですか。そういうお店のひとつとして、名前が上がるようなお店にしていきたいな、と思っています。


芋と1/2
Advertisement
関連記事
カフェ
子どもも大人も“第3の居場所”に。「ふくちゃカフェ」に込めた思い。
2020.09.12
カフェ
日本最古級の映画館の隣にあるカフェ「世界ノトナリ」。
2021.10.18
カフェ
地元の人たちに愛される、憩いのコーヒーショップ「Asu cafe」。
2023.04.05
カフェ
リニューアルして、店内でくつろげるようになった西蒲区「bump coffee」。
2022.06.04
カフェ
加茂の魅力を発信する拠点を目指す「BBC Kamo Miyagemono Center」。
2022.04.11
カフェ
地域に開いた安心できる居場所、見附市の「とまり木カフェ輪来」。
2024.03.09


