美味しい地元の魚と出会える
「岩船港鮮魚センター」
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2026.09.19
岩船や周辺地域の港で水揚げされた魚介類が販売され、常に県内外の買い物客が多く訪れている岩船港鮮魚(いわふねこうせんぎょ)センターは、今年の3月で創業45周年を迎えました。岩船港鮮魚センターと共に人生を過ごしてきた安宅社長に、お店の歴史や岩船への思いを聞いてきました。
安宅 謙
Yuzuru Ataka(株式会社 岩船港鮮魚センター)
1962年村上市生まれ。高校卒業とともに鮮魚事業協同組合(現在の株式会社 岩船鮮魚センター)に就職し、現在は代表取締役社長を務めている。趣味のフォークバンドではヴォーカルを担当。
廃材建築のプレハブからはじまった
「岩船港鮮魚センター」の歴史。
――安宅さんは、いつ頃から岩船港鮮魚センターで働いているんですか?
安宅さん:高校を卒業してすぐに就職したので、45年間勤めてきました。
――それはすごいですね。どうして鮮魚センターに就職したんでしょうか?
安宅さん:ちょうど卒業したタイミングで「鮮魚事業協同組合」が設立されたんです。てっきり漁協だと思って面接を受けに行ったら鮮魚店でした(笑)
――その「鮮魚事業協同組合」は、どういったいきさつで設立されたんでしょう?
安宅さん:福島にある観光会社が「買い物ツアー」を企画したんですけど、当時は村上市に団体旅行客を受け入れる施設がほとんどありませんでした。そこで村上市観光課から相談を受けた初代の組合長が岩船の仲買人や仕出し屋10人を集めて、鮮魚直売の専門店をはじめることになったんです。
――なるほど、それが「岩船港鮮魚センター」だったんですね。
安宅さん:最初は小さなプレハブのような店舗からはじめたんです。それも、廃校になった分校から運んできた廃材を使って建てました。上手くいかなかったときのことも考えて、できるだけ費用をかけずにはじめたんですよ。でも、少しずつお客様が増えていって手狭になってきたので、駐車場と店舗スペースを拡張しました。
――今では村上の人気スポットになりました。当時、安宅さんは鮮魚店の仕事が未経験だったんですよね。
安宅さん:そうなんです。魚のおろし方も売り方も知らないし、お客様に魚のことを聞かれてもまったく説明できないんですよ。上司は魚屋や仕出し屋の店主で癖の強い職人ぞろいだったので、口では仕事を教えてもらえなくて、見て覚えるしかありませんでした。人によってやり方が違うのは困りましたね。ある上司がやっていたやり方を、別な上司の元でやったら叱られてしまって戸惑うこともよくありました(笑)。とにかく叱られてばっかりでしたよ。
――辞めたいと思ったことはなかったんでしょうか?
安宅さん:当時は、勤めた職場で定年まで働くという考え方が当たり前の時代でしたからね。私もそういうものだと思っていましたし、とにかく早く仕事を覚えて叱られないようになろうと思っていました。


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岩船の漁師たちと協力しながら
地魚の美味しさを伝えていく。
――「岩船港鮮魚センター」のお客さんが増えたのは、何が原因だったんでしょう?
安宅さん:お客様のニーズに応えてきたからじゃないですかね。岩船や山北で獲れる地魚にこだわって、職人が厳しい姿勢で魚と向き合っているんです。既製品を買ってきて売るのではなく、しっかりと味付けして手づくりした商品を提供しています。
――そのなかでオススメの商品はありますか?
安宅さん:村上名物の鮭には力を入れていて、味噌漬や西京漬が人気商品になっています。手づくりの干物も当センターの強みで、銀鮭の半身干しがオススメです。
――鮮魚はどうでしょう?
安宅さん:7月から8月は岩ガキが人気ですね。これからの季節はヒラメや南蛮エビを食べてみてほしいですし、冬にはズワイガニが並びます。年中いつでも味わうことができるのはブリやタイです。地魚本来の美味しさを、広く皆様に伝えていきたいですね。
――そのために心がけていることってあるんでしょうか?
安宅さん:地元の魚のことをよく知っているのは、漁師の方々だと思うんです。ですから若い漁師さんをイベントに呼んで店頭に立ってもらい、地魚の美味しさを伝えてもらうようにしています。今までは漁師さんと仲買人が協力することはあまりなかったんですけど、お互いに岩船の魚を盛り上げていきたいという共通した思いがあったんです。
――それは素晴らしいことですね。
安宅さん:売り場にも、地元漁師さんたちの顔写真が掲載された紹介パネルを飾っているんです。ちょくちょくミーティングを開いてお互いの仲を深めてきたおかげで、漁師さんと鮮魚センターがいい関係になってきていると思います。これからも一緒に岩船の魚を盛り上げていきたいですね。


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プロとして魚の美味しさを伝え、
お客様に喜んでもらいたい。
――鮮魚センターを営業していて、困ったことはありますか?
安宅さん:天候によって魚が獲れないときがあります。特に村上の名物になっている鮭は、水温が上がると遡上できず漁獲量が激減してしまうんです。そこで村上市がシロザケの養殖の研究をはじめました。自然に左右される商売なのでどうにもならないことは多いんですけど、だからこそ地域全体で次の手を打っていかなければならないと思っています。
――難しいところですね。では、嬉しいと感じることは?
安宅さん:お客様とのコミュニケーションが取れることですね。旬の美味しい魚や食べ方をアドバイスしたり、そのお客様が次に来たとき、アドバイスに対して「美味しかった」と喜んでくれたりすると、鮮魚センターのコンセプト「お魚の価値を創造して、お魚で人と社会を幸せにしたい」を実現できているのかなと思えて嬉しくなりますね。
――これからも魚の美味しさを伝えていってほしいです。
安宅さん:我々は魚のプロですから、美味しい魚の食べ方を提案していきたいですね。それは鮮魚センターのスタッフみんなに意識してもらっています。ちなみに「お魚の価値を創造して、お魚で人と社会を幸せにしたい」というコンセプトのなかの「人」という言葉にはスタッフも含まれていて、スタッフにも働くことで幸せになってもらいたいと思っているんです。
――地元の瀬波温泉も盛り上がっていくといいですね。
安宅さん:地域が横でスクラムを組まなければ、盛り上げていくことは難しいと思っています。イベントも開催するだけではなく、継続していくことが大事ですよね。ぜひ多くの方に足を運んでいただいて、日本海に沈む夕日の美しさや美味しい魚を味わっていただきたいですね。


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