心豊かな一日を過ごしてほしい。
佐潟公園前の「暮らしの喫茶ひとひ」

カフェ

2026.09.05

text by Kazuaki Yamazaki

新潟市西区にある佐潟は、ハクチョウやカモなどの水鳥が飛来する他、様々な動植物が生息する砂丘湖で、「ラムサール条約」にも登録されている自然豊かな湿地です。そんな佐潟の前に「暮らしの喫茶ひとひ」という、テイクアウトをメインにした自然派カフェがオープンしました。

Interview

小田嶋 千枝

Chie Odajima(暮らしの喫茶ひとひ)

1977年新潟市東区生まれ。美容室やバー、建築設計事務所、ベーカリーなどで様々な経験を積み、「C’s kitchen(シーズキッチン)」で副代表として食に関する取り組みに携わる。2026年に独立して「暮らしの喫茶ひとひ」をオープン。

食の大切さに目覚めて農家の話を聞き、
笹団子や梅干し、味噌づくりを学ぶ。

――小田嶋さんとは「C’s kitchen」の取材をしたときにお会いしていますよね。食に興味を持つようになったのはいつ頃からなんでしょう?

小田嶋さん:ヨガを学び始めた2009頃ですね。その後に娘を授かり、食べたものが自分の身体だけではなく、娘の身体もつくっていることに責任を感じて、食の大切さや安全を意識するようになりました。

 

――それで食について勉強するようになったんですね。

小田嶋さん:農家の方からお話を聞いたり、地域のお母さん方から笹団子や梅干し、味噌づくりなどを教わる機会をいただき、自分たちが日頃食べているものへの理解が深まりました。そうした経験を通して学んだことを、次の世代へ伝えていかなければとも思ったんです。

 

――梅干しや味噌をつくる機会って、なかなかないですもんね。

小田嶋さん:そうなんですよ。どれも季節の手仕事なので年に1度きり。その時々で農産物の状態も気温や湿度も違うので毎年試行錯誤しながら楽しんでます。お世話になってる農家さんの元で食について学びあっている方々のお仲間に入れていただき、もう20年も続いている「春の山で天ぷらを食す会」で「C’s kitchen」の佐藤千裕(さとうちひろ)さんと出逢いました。そこから果物の一次加工、ケータリング、かき氷のキッチンカー出店などをお手伝いするようになり、やがて副代表として様々な食に関わる取り組みに携わらせていただきました。

 

――「暮らしの喫茶ひとひ」をオープンしたいきさつを教えてください。

小田嶋さん:知人の設計事務所が移転し、その空いたスペースでお店をやらないかと勧められたんです。お隣の「薪窯パン舎ほほ」さんの大ファンということや、佐潟の自然を感じる唯一無二のロケーションにも魅了されたものの、やっぱり一歩ふみ出すにはかなりの勇気が必要でした。

 

――オープンを決心したのはどうしてだったんですか?

小田嶋さん:久しぶりに再開する友人・知人など周りに病気を抱えている方がすごく増えていて、、以前から添加物や科学的なものに頼りすぎず、より良い未来につながるような「暮らしの中の選択肢」を増やしたいという思いがありました。久しぶりに訪れた佐潟の環境汚染にも心を動かされました。自然を身近に感じられる場所で、食や暮らしを通じて伝えられることがあればと。ほんの小さな一歩ですが私にもできることがあればいう想いが膨らみました。その想いをいろいろな方々に話したり、相談したりしてみると、みんなが背中を押してくれたんです。高校時代からの同級生が一緒にやりたいと言ってくれたことも大きな一つでした。みんなが望んでくれるのなら、今までの経験を生かしてやってみようと思ったんです。

 

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身体に優しく心に響くメニューを、
素材にこだわって提供。

――こちらのお店では、どんなメニューが楽しめるんでしょう?

小田嶋さん:看板メニューの「カンパーニュサンド」は、「薪窯パン舎ほほ」のカンパーニュに、にんじん柑橘ラペ、ビーツポテトサラダ、葉物野菜をたっぷり挟み、自家製豆乳マヨネーズとオーガニックオリーブオイルを使ったヴィーガンサンドなんです。お肉や乳製品を使っていないので、オプションで生ハムやチーズを追加することができます。

 

――ヘルシーだけど満足感がありそうなメニューですね。

小田嶋さん:甘みの一部をドライフルーツに置き換えたデーツあんとバターを挟んだ「デーツあんバターサンド」や、新潟の平飼い鶏のたまごを使った「平飼いたまごサンド」といったメニューもご用意しています。

 

――スイーツやドリンクは、どのようなものがありますか?

小田嶋さん:オートミールにナッツ、ドライフルーツといった栄養価の高い素材を合わせた、酵素たっぷりのエナジースイーツ「ブリスボール」や、薪窯焼きのチーズケーキ、本格焙煎コーヒーの他、数種類のハーブをブレンドした「月のよもぎ茶」などのノンカフェインドリンクもあります。「梅のクラフトコーラ」「新生姜のジンジャーエール」など季節を味わえるメニューもご用意しています。

 

――どのメニューも素材にこだわりを感じますね。

小田嶋さん:身体に優しく、心に響くメニューをご提供できるよう、いろいろと考えていますが、お客様には日常の中の選択のひとつとして、気軽にテイクアウトしていただき、ドライブやピクニックのお供にも楽しんでいただきたいですね。もちろん店内でゆっくり過ごしていただくのも大歓迎ですよ。

 

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佐潟をはじめとした美しい自然環境を、
未来に残していきたい。

――目の前には自然豊かな佐潟があって、ピクニックにはぴったりの環境ですね。

小田嶋さん:様々な動植物を育む環境は国際的にも評価されていて、1996年にラムサール条約湿地として登録されてから今年の3月で30周年を迎えました。一方では、水質汚染や外来種生物による生態系の乱れも問題になっています。以前はハスの花が広がる美しい風景が見られたのに、久しぶりに訪れた佐潟にはほどんど蓮が残っていませんでした。断定的ではなですが、その要因のひとつは大量に繁殖した外来種のアカミミガメとも言われています。

 

――それは残念ですね。

小田嶋さん:ご縁があって佐潟の前でカフェを始めさせていただいたので、私も皆さんと一緒に環境保護について学びながら、できることをやっていきたいと思っています。先日も大学教授から佐潟の環境保護についてのお話を聞きました。

 

――食だけではなく環境にも関心を持っているんですね。

小田嶋さん:どうすれば心も身体も豊かに健康に日々を送ることができるのか、どうすれば豊かさを未来に残すことができるのかを考えています。なので、飲食メニューの他にプラスチックフリーの雑貨や自然を汚さない洗剤など、環境に優しいものを販売したり、クラフトのワークショップや自然をより身近に感じられるイベントの主催などもおこなっています。

 

――「豊かな人生」が根底にあるんですね。

小田嶋さん:「暮らしの喫茶ひとひ」が皆様の豊かな人生の一部になれたら嬉しいです。

 

暮らしの喫茶ひとひ

新潟市西区赤塚1566

080-1970-2841

10:00-16:00

※最新の情報や正確な位置情報等は公式のHPやSNS等からご確認ください。なお掲載から期間が空いた店舗等は移転・閉店の場合があります。また記事は諸事情により予告なく掲載を終了する場合もございます。予めご了承ください。

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