燕の食文化を世のなかに伝える
吉田の人気ラーメン店「麺’s冨志」

食べる

2026.09.24

text by Kazuaki Yamazaki

食のイベント団体で代表を務め、飲食店の開業や経営顧問に関わる他、飲食店の魅力や課題などをテーマに自身のYouTubeチャンネルで発信を続ける森山さんが営業するラーメン店が、燕市にある「麺’s冨志(めんず ふうし)」です。自慢の背脂らー麺をいただきながら、ラーメンや食にまつわる取り組みについてお話を聞いてきました。 

Interview

森山 史朗

Shiro Moriyama(麺’s冨志)

1980年燕市(旧吉田町)生まれ。家業の工業メーカーで働いた後、調理師専門学校に入学。卒業後は和食店やラーメン店での修業を経て、2007年に「麺’s冨志」をオープンする。食の団体「TSUBAME×ACTIONS(ツバメ クロス アクションズ)」代表。中学1年生から続けてきたバドミントンを息子と楽しんでいる。

地元に根ざして長く続く店を志し
オープンした燕のラーメン店。

――森山さんがラーメンの仕事を志した、きっかけって何だったんでしょう?

森山さん:学生時代の部活帰りに食べていた、ラーメンの美味しさが忘れられなかったんです。一度は父の仕事を継ごうと思って工業メーカーで働いたんですが、自分には合わないと感じて、ラーメンの道へ進むため調理師専門学校に入学しました。

 

――じゃあ、専門学校を卒業した後はラーメン店で働きはじめたんですね。

森山さん:それが……専門学校の先生から「お前には和食が合う」と勧められて、割烹で5年間働きました。和食も面白かったんですけど、自分のなかにはラーメンをやりたいという強い気持ちがあったので、割烹で働きながら家でラーメンをつくっていたんです(笑)

 

――よっぽどラーメンがつくりたかったんですね(笑)

森山さん:ところが和食とラーメンって、つくり方が全然違うんですよ。行き詰ってしまったので、知り合いのラーメン店で数ヶ月勉強させてもらい、2007年に「麺’s冨志」をオープンしました。

 

――店名にはどんな意味があるんですか?

森山さん:「冨志」の「冨」はこの辺りの「冨永(とみなが)」という地名から取りました。地元で根付いて長く続く店を志したいという思いを込めたんです。

 

――そのためには、どんなお店にしよう思いました?

森山さん:地元を代表する燕の背脂醤油ラーメンをメニューに取り入れ、子どもからお年寄りまで誰にでも楽しめるメニューをご用意して、家族で安心してご来店いただける店を目指しました。

 

Advertisement

手づくりにとことんこだわった
ラーメンやサイドメニュー。

――どんなことを意識しながら、ラーメンをつくっているのか教えてください。

森山さん:たくさんの料理や商品で勝負できるお店とは違って、ラーメン店はラーメン一杯で勝負が決まってしまうということを意識しながらつくっています。

 

――どんなことにこだわっていますか?

森山さん:濃厚な豚骨スープは、大量のゲンコツにモミジと鶏ガラを加えてつくります。それぞれの食材にとって最適な時間をかけて煮出し、ひとつに合わせることで濃厚で奥行きのあるスープが出来上がるんです。

 

――時間がバラバラなのは大変ですね。麺にはどのような特徴があるんでしょう?

森山さん:スープ以上に麺へのこだわりが強いので、自家製麺で提供しています。もちもちしているのにしっかりコシもあって、伸びにくい太めの縮れ麺です。納得がいく麺を安定してつくれるようになるまで、3年くらいかかりました。

 

――自家製麺は手間がかかるんでしょうね。

森山さん:気温や湿度で生地の状態が変わってくるので、安定したものをつくり続けるのが難しいんですよ。麺だけに限らず全メニューを手づくりしています。手づくり豆腐までメニューに加えようとしたら、スタッフ全員に止められました(笑)

 

――(笑)。では、オススメのラーメンを教えてください。

森山さん:自家製味噌に練りゴマをプラスし、炒めた野菜とスープを合わせてうま味を凝縮させた「背脂濃厚味噌担々麺」、濃厚麻婆ダレが麺によく絡む「背脂どろ麻婆麺」、良質な背脂の甘みと豚骨魚介スープがバランス良く調和する「背脂らー麺」のみっつです。このみっつはお客様アンケートでも人気ベスト3でした。

 

Advertisement

人気YouTubeチャンネルとのコラボでバズり
店への来客数が激増する。

――そういえば、森山さんってYouTube配信をやっていますよね。

森山さん:メニュー写真の撮影をお願いしているカメラマンが、僕のトークを「面白い」と気に入って動画を撮影してくれたんです。それをYouTubeに投稿しようということになって、1年前に「shiro-channel(シローチャンネル)」をはじめることになりました。

 

――そのチャンネルでは、どんな配信をしているんですか?

森山さん:ラーメンはもちろん、地元・燕市の食にまつわる紹介をしたり、飲食店が抱える問題を考える内容の配信をしています。

 

――最近は有名なユーチューバーとコラボしていましたよね。

森山さん:日本在住のフランス人ユーチューバーの配信している「フランスと日本をつなぐ架け橋」というテーマの超有名チャンネルと、たまたまコラボさせてもらうことになったんです。日本人男性とフランス人女性のご夫婦が、フランスでラーメン店をオープンするにあたって、麺づくりやスープの仕込み方を教えたり、調理器具の準備を手伝ったりしました。

 

――コラボした影響はありました?

森山さん:チャンネル登録者数が75万人もいる人気チャンネルだったので、僕がやっている「shiro-channel」もとんでもなくバズって、店のお客様が激増しましたね。

 

――「shiro-channel」の配信を見ていると、銀座のアンテナショップでイベントを開催したりしていますよね。

森山さん:燕の農家やメーカー、飲食店が25人くらい集まって、8年前に立ち上げた「TSUBAME × ACTIONS」の代表を務めているんです。農家の人たちって、自分たちが育てた農産物がエンドユーザーからどう受け止められているのかわからないじゃないですか。そこで、農業、工業、商業がひとつになって、燕の食文化の過去と現在をつないで未来をつくっていこうという団体なんです。

 

――素晴らしい取り組みですね。

森山さん:燕の食や製品を伝えるイベントを開催したり、燕の日本酒を開発したりといろいろな活動を通じて、燕を盛り上げていけたらいいですね。

 

――他にも取り組んでいきたいことはあるんでしょうか?

森山さん:今までも顧問として飲食店の立ち上げに関わってきましたが、これからは金属製品メーカーとコラボして調理器具の開発に関わり、飲食店の様々な問題解決に取り組んでいきたいと思っています。引き続き燕の魅力も伝えていきたいですね。

 

麺’s冨志

燕市富永100-1

11:00-14:30/17:00-21:00(火曜は午前のみ、土、日曜は通し営業)

水曜休

※最新の情報や正確な位置情報等は公式のHPやSNS等からご確認ください。なお掲載から期間が空いた店舗等は移転・閉店の場合があります。また記事は諸事情により予告なく掲載を終了する場合もございます。予めご了承ください。

Advertisement

関連記事

新しい記事

ランダムピックアップ

炭火で焙煎した「山浦珈琲店」のコーヒー豆。

この記事へ

この街の、人、モノ、こと。
ちょっと知って、ちょっと好きになる
新潟のウェブマガジン[ シングス ]。

PR | ベルーナグルメ

「ベルーナグルメ」が届ける、
新潟地酒飲みくらべ。

詳しくはこちら
レコメンド一覧

Advertisement