家づくりのその先、暮らしを整える。
整理収納の「SEIKA-整家-」
その他
2026.09.25
家を建てるとき、多くの人が間取りやデザイン、収納のことを考えます。でも、実際に家族がどんなふうに暮らすのかまで考えるのは難しいもの。「家という箱」の中での暮らしを考える整理収納アドバイザー「SEIKA-整家-」の杉山さんは、住宅の営業・設計経験の持ち主です。その経験に整理収納の知識を掛け合わせ、暮らしやすい家づくりをサポートしています。
杉山 智津子
Chizuko Sugiyama(SEIKA-整家-)
1976年燕市生まれ。大学の建築学科を卒業後、県外のリフォーム会社に就職。県内の建築事務所に転職し、営業・設計経験を経て広報を担当。整理収納アドバイザーの資格を取得し、住宅と整理収納の知識を生かして、2025年に「SEIKA-整家-」を立ち上げる。
営業と設計、そして広報。
25年の経験を力に。
――最初に「SEIKA」さんがどんな取り組みをしているのか、教えてください。
杉山さん:サービスとしては、ご自宅に伺う、またはオンラインでのお片づけサポート、それから新築・リフォームされる方への収納や間取りづくりのサポートを行っています。以前、建築会社で広報をしていた経験を生かして、広告制作を承ることもあります。講座やセミナーの講師としてお声がけいただくことも増えましたね。
――杉山さんは、長く建築会社さんにお勤めだったそうですね。
杉山さん:新卒で県外のリフォーム会社に就職しました。でもあまりの労働環境に身体を壊して、すぐに新潟に戻ってきたんです。それから去年まで、約25年間、建築事務所でお世話になりました。
――ご自身で自宅を設計されたそうですが、前職では設計もされていたんですか?
杉山さん:営業職での採用だったんですけど、その会社では、ご要望を伺った人がそのまま設計も担当するんです。私はもともと設計がしたかったので、「ぜひお願いします」と採用してもらって、営業をしながら図面も描く仕事を10年ほど経験しました。
――それは、ご自身で設計されたというのも納得です。
杉山さん:それから結婚をして、子どもが欲しいと思ったんですけど、なかなかできなくて。不妊治療を4年ほど続けたんですが、営業・設計の仕事と両立するのはとても大変でした。前職では営業がチラシを作る段取りや広告会社さんとのやり取りなど、広報的な役割も担っていたので、「私にその部分を担わせてください」と広報として働かせてもらうことを願い出ました。
――そういう働きかけって、なかなかできることじゃないと思うんです。何か秘訣はあるんでしょうか?
杉山さん:状況を客観的に見て「今の自分にできる提案」が自然とできていたのかもしれません。家を建てたりリフォームしたりとなると、予算だとか大事な要素がいくつも絡んできます。営業・設計の仕事では、お客さまの考えているニュアンスを汲み取る、みたいなことが大切なので、自然とスキルが磨かれていたのかな、と思います。

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残りの人生、
何がしたい?
――ご自身にぴったりな仕事をされていた杉山さんが、「起業するぞ」と思ったのはどうしてですか?
杉山さん:決断できたのは、実家の母が70歳で亡くなったことが大きいです。母が元気に外を飛び回っていたのは、65歳くらいまででした。それを考えると、「私の人生もそう長くないかも」という気持ちが湧いてきて。大好きな会社で働いていたわけですが、「やりきった感」もあったんですよね。しばらく物足りなさというか、「もっと自分にできることがあるはずなのに」と考えるようになりました。それで「残りの人生、何がやりたいんだ」と自分に向き合って見つけたのが、「まずは整理収納アドバイザー1級を目指そう」だったんです。
――資格取得に踏み出したんですね。
杉山さん:長男が小さい頃に、整理収納アドバイザーの2級は取得していました。そこから子育て、ふたり目の妊活もあって、資格からは遠のいてしまって。母が亡くなったタイミングで、整理収納アドバイザー1級を取るために必要な準1級の講座が新潟で初開催されることを知りました。それですぐに「あのとき諦めた1級を目指そう」と決めたんです。
――住宅の仕事と整理収納が結びついたのは、どうしてですか?
杉山さん:仕事をする中で、「家を建てたはいいけど、その後の片づけがうまくいかない」というお悩みを目にすることがありました。「家という箱」をつくるだけでは、その後の暮らしまで整えることはできません。そこで、「私がその部分をお手伝いできたらいいんじゃないか」と思ったんです。
――住宅設計の経験がある杉山さんに収納の悩みを相談できるなんて、すごく頼もしいです。
杉山さん:設計段階で「棚を造る」として、「そこに何を入れる想定か」まで十分にヒアリングするのは実際のところ難しいです。お客さまの持ち物すべてを把握できるわけではありませんから。もちろん、そういったことをご自身で考えてハウスメーカーや工務店に伝えられる方はいらっしゃるんですが、そうではない方も多いんですよね。
――ちなみに整理収納アドバイザー1級はいつ取られたんですか?
杉山さん:勤めているときに取りました。
――ということはですよ、「お勤めしながら会社の新しいサービスとして資格を生かそう」という考えも頭によぎったのかな、と思うんですが。
杉山さん:「ひとりでやってみたい」と思ったんですよね。会社の垣根を越えていろいろな方の力になりたい、という想いもありました。それに新築に限らず、今住んでいる家の「片づけに困っています」というご家庭のお手伝いもしたかったんです。世界にひとつの我が家を、もっと暮らしやすくなるようにお手伝いしますよ、って。

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暮らしが整う。
家族の幸せの土台になる。
――8月末に「SEIKA」さんは1周年を迎えられたそうですね。起業してからの1年を振り返って、いかがですか?
杉山さん:最初は集客がなかなか難しくって。SNSでなんとかなるだろう、と考えていたんですが、思うようにうまくいかず。そこで、ホームページを設けることにしました。完成してからは、徐々に反響をいただけるようになり、今では「この暮らしを一緒によくしてほしい」と長期のプランで申し込んでくださる方がたくさんいらっしゃいます。意外にもみなさん、お片づけや整理整頓を「楽しい」と、とても前向きです(笑)
――仕方なくやるんじゃないんですね。
杉山さん:取捨選択の連続で頭も使うから、疲れるんですけどね。それ以上に、終わったあとの達成感があるんだと思います。やっぱり「キレイ」って人を喜ばせるんですね。しかも「誰かにやってもらった」のではなく、自分で片づけるから喜びが大きいんだと思います。
――無料でノウハウを聞くなんて失礼だよな、と思いつつ、ちょっとしたお片づけのコツを教えてもらえないでしょうか。
杉山さん:片づけには順番があって、それを守らないとすぐにリバウンドしちゃいます。最初は「整理」、続いて「収納」「片づけ」「掃除」です。「収納」は要らないものを入れる場所のことではなく、使うものを使いやすい場所に入れておくことなんですよ。
――いつか使うかも、と置いているものがどれだけあることか……。でもアドバイザーさんがいると、ポンと手放せそうです。
杉山さん:使う「かも」が残っているとなかなか片づかないですし、結局結論を先延ばしにしているだけなんですよね。「何を基準に残すか」をアドバイスさせてもらって、使うものだけにすることがポイントです。もちろん保留はOKです。無理やり捨ててください、というわけではありません。ちゃんと「もの」と向き合う時間を一緒に作りましょう、と思ってもらえるといいのかな。
――「一緒に」というところに安心感があります。
杉山さん:最後には、自分が大切にしたいものが見つかるんですよね。それって人生にもつながっている気がして。人生って決断の連続じゃないですか。私が会社を辞めると決められたのも、片づけをし続けて決断力がついていたからだと思っています。
――すごい説得力です(笑)。ところで、特にどんな人に「SEIKA」さんのサービスを利用してほしいですか?
杉山さん:「これから家を建てたいと思っている方」ですね。新築する前に現在のお家の片づけにお邪魔して、必要なものだけを残した状態にします。そのうえで、どれくらいの量になるのかを把握します。実際の間取りも見ながら、「お客さまの持ち物の量であれば、この収納で足りそう」「動線的には、ここに収納があった方が便利ですよ」と一緒に考えて、新しいお家に取り入れてもらえたら、引っ越してすぐに快適な暮らしを始めることができます。
――最後に、これからの「SEIKA」をどうしていきたいか教えてください。
杉山さん:整理収納、片づけの力をたくさんの方に知っていただきたいです。そして、今の暮らしを整えたいという方はもちろん、これから家づくりを考えている方にも、もっと「SEIKA」を知っていただけたらいいな、と思っています。私は、整った家は家族の幸せの土台になると思っていて。外で仕事をしたり、学校へ行ったりしていても、必ずお家に帰ってきます。帰る場所が整っているって、心の安定につながると思うんですよね。お家が整うことで気持ちが落ち着き、また元気に外へ出ていける。心まで軽くなる人をもっと増やしていきたいです。


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