写真を撮る人のために。
起業家「遠山堅太」さん。
その他
2026.07.17
大学在学中に「株式会社Tether Light」を立ち上げた遠山堅太さん。「写真を撮る人たちのためのものづくり」を目指して、現在はフォトグラファーとしても活動中です。サッカーに夢中だった高校時代の話から、受験にまつわるエピソード、起業に至るまでのことなど、いろいろとお話を聞いてきました。
遠山 堅太
Kenta Toyama(株式会社Tether Light)
2003年上越市生まれ。新潟大学経済科学部在学中の2024年に「株式会社Tether Light」を設立。フォトグラファーとして活動する一方で、写真業界をより豊かにするためのサービスやブランドづくりにも取り組んでいる。これまでにサッカー、ゲーム、写真に夢中になった。
サッカー、ゲーム、カメラ。
「好き」を目標にすると踏ん張れる。
――大学在学中に会社を立ち上げた遠山さん。高校時代はどんな生活を送っていたんですか?
遠山さん:高校3年生までは勉強をほとんどせず、サッカーばかりしていました。でも「自分が一番好きなサッカーを仕事にしよう」「将来はサッカー用品店を開こう」と決めてから、受験勉強に身が入るようになったんです。ちょうどコロナ禍で、周りのみんなは勉強のモチベーションを見失っていた時期だったんですけど、僕はそうじゃなかったんですよね。目標が明確になって、勉強する理由ができたんです。
――高校時代からしっかりしていたんですね。
遠山さん:お金が稼げるとか、よい大学に入るとかは興味がない。でも「好きなものを目標にすると頑張れる」と気づいたのが、そのときでした。僕の場合は高校時代からサッカーとゲーム、写真に熱中していたので、そこに向かって突き進むというわかりやすいゴールができたんです。
――待望の大学生活は楽しめましたか?
遠山さん:大学でもサッカー部に入ったんですけど、きちっとしている体育会系の雰囲気にもなかなか馴染めず、さらに怪我が続いてしまい、「これでは続けられないな」と部活は辞めました。だんだんモチベーションを失ってしまい、しばらく悩む時期が続きました。
――プランが明確だっただけに、気持ちが折れちゃったんでしょうか。
遠山さん:「サッカーのお店を持つ」という考えがあったから受験勉強を踏ん張れたのに、ゴールを見失っちゃったんですね。そこで次に浮上したのが、ゲームだったんです。在学中にお手伝いをしていた制作会社がeスポーツチームを立ち上げるというので、マネジメント役として関わる機会をいただいて。そこで組織の動かし方みたいなものを勉強させてもらったんです。でもなんとなく「やりたいことはゲームじゃないかも」という気持ちもあって。そのとき、高校時代から趣味にしていた写真が気になるようになりました。

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普段はインドア派。
起業に向けては、迷わず外へ。
――就職ではなく起業を意識し続けられたのはどうしてでしょう?
遠山さん:若い起業家をサポートする「株式会社スナップ新潟」にお世話になっていたからかもしれないです。学生起業家の先輩たちの背中を見ていたので、「自分も大学生のうちに起業するんじゃないかな」と思っていました。ただ「何をしたいのか」「何に熱を持てるのか」をずっと自問自答していたというか。
――遠山さんは高い志を持った人に囲まれていたんですね。
遠山さん:僕は0か100みたいなところがあって、大学生活、普段は引きこもっていました(笑)。授業がはじまる30秒前に教室に行って、終わったら5秒で出てくるみたいな。だから大学の友達がいなくて寂しかったですし、「大学で何をしていたか」と聞かれたら困ってしまいます。でも起業や経営に関することには不思議とアクティブになれたんです。
――人間、楽な方に身を委ねがちなのに、どうしてそうできたと思います?
遠山さん:確かに、今思うとなんでなったんだろう(笑)。「もう何も考えたくない」って思った時期もありましたよ。でも、結局また起業に向かって戻ってくるんですよね。「こうしたらおもしろそう」って、アイディアを考えるのが好きなんだと思います。あともうひとつ、大きかったのは受験のときの経験。やりたいことが見つかった途端に、それまでまったく勉強していなかった自分が本気になれました。あの成功体験をヒントにしているところはあります。

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写真を撮る人のために、
未来をつくる。
――そもそもどういう事業展開を想定して、「株式会社Tether Light」を立ち上げたんでしょう?
遠山さん:2023年に写真関連での起業を決めて、2024年の5月に会社を立ち上げたわけなんですけど、当初は「ものづくりをしたい」と思っていました。サッカーのスパイクにもこだわっていたし、「モノ」に対して妥協しないところが自分の強みだと思っていたので。高校時代には、スパイクを買うためだけに上越から埼玉の専門店まで通っていました。
――「写真に関連したものづくり」とは、例えばどんな?
遠山さん:レンズフードやカバーなど、カメラの周辺機器を考えていました。撮影をもっと便利にしたり、楽しくしたりするようなものを作れたらいいな、と。それで燕三条の工場に相談して試作品を作ってみたんですけど、イメージしていたものをかたちにすることがなかなかできなくて。
――確かにものづくりには、事業計画とはまた違う難しさがありそうですね。
遠山さん:しかも、そもそも写真家さんのニーズをよく理解できていないと気がついて。カメラマンとしての経験を積んで、現場で求められているものを見極めようと思ったので、起業後は撮影現場に出向き、プロのカメラマンさんをはじめ多くの方から勉強をさせていただきました。
――プロの仕事ぶりには、どんなことを感じましたか?
遠山さん:作品として美しい写真を撮られることには、やっぱり「すごいな」と。ただそれだけじゃなくて、限られた時間の中でしっかり役割を果たすためのきびきびとした動きや丁寧な声がけなどに、あらためてリスペクトの気持ちが高まりました。先日、新潟市内のイベントで数名のカメラマンさんとご一緒する機会があって。控室で話をしているうちに、「やっぱり自分はカメラマンさんたちのためになる仕事がしたい」と強く思いました。
――現在は事業の主軸として撮影をされていると思います。
遠山さん:起業して3年目、まだまだ勉強の身です。引き続き撮影のお仕事を引き受けつつ、自分のプロダクトを持つ、もしくはブランドを立ち上げることを目標にしています。今年中に動き出すつもりでいるんですけど、ただシンプルに「ものを売ること」で売上を立てられるような話ではないとも思っていて。今は消費者が買いたくなる「仕組み」を考えている段階です。
――今後のキャリアで叶えたいことは?
遠山さん:今後の写真業界を盛り上げるひとつのエッセンスのようなものを生み出して、業界そのものの認知が進むと嬉しいです。そのためには、自社で何かひとつ成功させないと。先輩方をリスペクトする気持ちを忘れずに、撮影技術も磨き続けながら、写真業界を少しでも前へ進められるような存在になりたいと思っています。


遠山堅太
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