絵具で色を塗ったり、ペンで線を描いたり、ときにはタブレットを使ってキャッチーなキャラクターを描いているペインターがいます。その名は「Aaaaaaaa(アー)」。スターバックスコーヒーでのライブペイントや、裏長岡の人気店での展示会など、今大注目のアーティストです。今回は、活動をはじめたキッカケやアートスタイルについてなど、いろいろとお話を聞いてきました。
Aaaaaaaa
1996年長岡市生まれ。デザインの専門学校を卒業後、フリーのペインターとして活動をスタート。変幻自在なキャラクターとサイケデリックなカラーをシンボルに、「型にハマらない、どんなカタチにも変化する」アートを制作。
――Instagramで作品を観させてもらいました。キャッチーなキャラクターとサイケデリックなカラーが印象的だったんですけど、メッセージなどは込められているんですか?
Aaaaaaaa:作品自体には、世の中の状況やその時々の心情、社会に対しての反骨心を作品に落とし込むなかで、瞬間的なインスピレーションを大切にしながら制作しています。キャラクターは「支配されない」「固定概念に捕らわれない」というメッセージを込めて描いているけれど、観る人によって解釈が異なるから、先入観なく、フラットな状態で受け取ってもらえると嬉しいです。
――そんなメッセージが込められていたんですね。キャラクターって、どの作品も同じなんですか?
Aaaaaaaa:作品ごとに違っているんですよ。「解放」「自由」「縛られない」という感覚を大切にしているから、キャラクターは作品によって変化します。
――なるほど。このキャラクターって、何て名前なんですか?
Aaaaaaaa:それが……名前がないんですよね(笑)。よく聞かれるから、そろそろ名前を付けようと思っているんですけど……。
――あ、名前はないんですね。付けてあげましょうよ。個人的にはアメリカの綿アメとか、派手でめちゃくちゃ甘いお菓子のキャラクターっぽいと思ったから……うん……えっとー……思いつかないです(笑)
Aaaaaaaa:アメリカのお菓子……なんかいいですね。海外のキラキラしたお菓子が家にあったり、海外映画やアニメが流れていたりした幼少期だったから、しっくりきた部分があります。今年中には名前を付けるから、楽しみにしていてください。
――現在はフリーのペインターとして活動されていますけど、やっぱり、昔から絵を描くのが好きだったんですか?
Aaaaaaaa:ですね。子どもの頃は、自分の欲しいモノの絵を描いて、それを切り抜いて、ポケットに大切にしまっていました。たまにポケットから落っこちてしまうと、恥ずかしかったのを覚えています(笑)
――きっとポケットには、たくさんの絵がしまわれていたんでしょうね。いつ頃から絵を仕事にしようと考えはじめたんですか?
Aaaaaaaa:絵を描くのが得意だったから、周りに褒められることもあったけど、年齢が上がるにつれて「絵が描けるから何?」みたいなひねくれた気持ちが心のどこかに生まれて、高校生になる頃には絵に対する気持ちがなくなってしまったんですよね。
――ふむふむ。
Aaaaaaaa:ただその反面でファッションや美容、料理に興味を持ちはじめていたけど、それは周りに流されていた部分があって……。いざ進路を決めるときになったら、自分の中で今までとは変えていかなければいけない、レールは自分で敷かなくてはいけないという気持ちが芽生えて、今までは胸を張れていなかったけど、自信を持って「絵を描くのが好きだ」と言えるようになろう、絵を仕事にしようと思い、デザインの専門学校へ進むことにしました。
――専門学校を卒業してからは、すぐにフリーのペインターとして活動をスタートしたんですか?
Aaaaaaaa:そうですね。ただ、グラフィックやアートの本場の空気感を体感をしたかったし、それを作品に落とし込みたいと思ったから、ニューヨークとロンドンにまずは行きました。海外では人生初の路上ライブペイントや、自分の作品を持ってレコードショップやカフェ、美術館とかに売り込む活動を行って、その経験値を持ち帰ることで現在のスタイルを確立できました。
――海外のアートカルチャーは刺激的だったでしょうね。そういえば、スターバックスでライブペイントをしていましたよね?
Aaaaaaaa:やりましたね。コロナ禍で戦後初の長岡花火中止という事態になって、長岡県民が悲しんでいる状況を感じて、同じ長岡県民として何かできないかと考えていたときに、たまたまいい出会いがあり、長岡花火を題材に大きなガラス8枚分の絵を描かせてもらうことができました。
――ガラス8枚も……めちゃくちゃ大変そうですね(笑)
Aaaaaaaa:描ける時間が限られていたし、範囲が広かったからめちゃくちゃ大変でしたね(笑)。でも、長岡花火がなくて、ぽっかりと空いてしまった心を埋めるじゃないけど、いいタイミングで地元の長岡に貢献できたかなと思います。
――ずっと心に残る活動になったことでしょうね。それでは最後に、これからやり遂げたいことや、チャレンジしてみたいことを教えてください。
Aaaaaaaa:絵を描くことを仕事にすると決めたとき、ノートに「世界で活躍するアーティスになる」と書き留めました。その目標を達成できるように、ファッションや建築など他ジャンルの知識や引き出しも増やして、「Aaaaaaaa」としての可能性を広げていきたいと思います。
Aaaaaaaa