きんぴらだんごが看板商品の饅頭店
弥彦温泉の「三笠屋製菓」
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2026.03.05
新潟県内でも食べられているエリアが少ない「きんぴらだんご」。きんぴらごぼうを餅生地で包んだお団子で、新潟市や三条市などで主に食べられているようです。田んぼや畑仕事の際、手軽に片手で食べられることから普及したとも言われています。そんな「きんぴらだんご」を弥彦温泉で製造販売している「三笠屋製菓(みかさやせいか)」を訪れ、二代目店主の加藤さんから店の歴史や豊富な商品についてお話を聞きました。
加藤 浩一
Koichi Kato(三笠屋製菓)
1967年西蒲原郡弥彦村生まれ。大阪の洋菓子店で1年ほど修業した後、弥彦に戻って家業の「三笠屋製菓」に就業し、二代目店主として店を受け継ぐ。趣味は国内旅行。
旅籠からパン屋、そして饅頭屋に。
弥彦にある「三笠屋製菓」の歴史。
――饅頭や団子だけじゃなくて、洋菓子まで売っているんですね。
加藤さん:饅頭や団子をやる前は、親父がパン屋をやっていて、洋菓子も少しだけ扱っていたんです。
――えっ、以前はパン屋さんだったんですか? 驚きました(笑)
加藤さん:それ以前は旅籠をやっていたんですよ。彌彦神社の参拝に訪れた人たちを泊めていたんでしょうね。
――どうして旅籠からパン屋さんになったんでしょう?
加藤さん:私にもわかりません(笑)。1960年頃にパン屋から饅頭屋になったのは、温泉街にあるんだから温泉饅頭を売ろうということだったのだろうと思います。だから、最初は温泉饅頭と味噌饅頭のふたつしか商品がなかったんですよ。
――温泉饅頭は温泉街の定番土産ですからね。ちなみに、加藤さんは最初から「三笠屋製菓」でお仕事を?
加藤さん:時代の流れのなかで饅頭だけでは厳しいだろうと思っていたので、大阪の洋菓子店で修業をしてきました。親方とふたりきりの職場だったので寂しかったんですけど、洋菓子の基礎を学ぶことができました。でも家庭の事情で、1年を過ぎた頃に実家へ戻って、家業を手伝うことになったんです。
――じゃあ、饅頭や団子はお父さんから学んだんですね。親子で一緒に働くのって、やりにくさは感じませんでした?
加藤さん:うーん……。特に感じませんでしたね。むしろ遠慮なく聞きたいことを聞けて言いたいことを言えたので、やりやすかったと思います。
――良好な関係だったんですね。ところで「三笠屋」という屋号には、どういった由来があるんでしょう?
加藤さん:よく聞かれるので親父に聞いておけばよかったと思うんですけど、聞かないうちに亡くなってしまったのでわからないんですよねぇ……。

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「きんぴらだんご」をはじめとした
甘くない饅頭や団子の数々。
――ずいぶんと商品の種類が多いように感じます。おすすめってあるんですか?
加藤さん:いちばん人気は「きんぴらだんご」ですね。中越地方を中心とする新潟の郷土食で、親父が修業した三条のお店で覚えてきたものを、45年前にはじめたんです。
――どんな特徴のお団子なんでしょう?
加藤さん:細かく刻んだ甘辛いきんぴらごぼうを、柔らかい生地で包んだものです。味わいや食感のバランスに小さめなサイズ感も相まって、ひとつ食べたらもうひとつ食べたくなるんですよ。
――クセになる団子なんですね(笑)。加藤さんが生み出した商品には、他にどんなものがあるのか教えてください。
加藤さん:10年くらい前からはじめた「しょうゆおこわ饅」です。その名前の通り、しょうゆおこわを生地で包んだ饅頭なんです。
――「きんぴらだんご」にしても「しょうゆおこわ饅」にしても、甘くない饅頭やだんごですね(笑)
加藤さん:甘いものが苦手なお客様でも、美味しく食べていただけるんじゃないでしょうか。妻も甘いものが苦手なので「しょうゆおこわ饅」が生まれたんですよ。ちなみに土日のみの数量限定で「カレーだんご」という商品もあります(笑)
――「笹おこわ」なんていう商品もあるんですね。
加藤さん:こちらは冷凍商品なんですけど、電子レンジで解凍するとすぐに食べることができるんです。「五目おこわ」「醤油おこわ」をはじめ、「梅ちりめん」「山菜おこわ」「鮭わかめ」「しょうゆらーめん風」の6種類をご用意しています。
――「しょうゆらーめん風」は奇抜だけど美味しそう。洋菓子ではどれが人気なんですか?
加藤さん:「レモンケーキ」が人気ですけど、「よっこらしょ」と「どっこいしょ」もおすすめしたいですね。「よっこらしょ」はりんご餡、「どっこいしょ」はブルーベリーが入ったバターケーキなんです。
――おすすめだけでも、たくさんの商品があがってきましたよね。
加藤さん:お客様に喜んでもらえる商品をつくろうと思っていたら、どんどん商品が増えていきました。あとお客様に選ぶ楽しさも味わっていただきたいので、豊富に取り揃えているというのもありますね。

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弥彦菊まつりやもみじ谷の紅葉で
11月に盛り上がる弥彦村の観光。
――今日の弥彦は、たくさんの観光客で賑わっていますね。
加藤さん:天気がいいですからね。彌彦神社がパワースポットとして有名になってからは、以前と比べて観光客の数も増えました。弥彦公園が整備されたり、周辺に「おもてなし広場」や「ヤホール」ができたりしたことで動線が生まれて、街歩きを楽しむ人も多くなったように感じます。
――特にイベントがなくても、こんなに観光客が訪れるんですね。
加藤さん:でも、いちばん盛り上がるシーズンはやっぱり11月ですよね。「弥彦菊まつり」に多くの人が訪れますし、弥彦公園内の「もみじ谷」も紅葉スポットとして賑わいますからね。店の前にある「神社通り」もたくさんの人が往来します。
――彌彦神社の初詣にも、多くの参拝客が訪れるんじゃないですか?
加藤さん:そうですね。でも長くても1月中旬までの半月ですからね。「弥彦菊まつり」は1カ月間続きますから(笑)
――たくさんの観光客が、こちらへも来店するわけですね。
加藤さん:毎年お越しくださる常連のお客様も多いんです。参拝や観光以外に「やひこ競輪」のお客様にもご来店いただけます。大きいレースになると県外からも来てくれるんですよ。弥彦に来ると必ず立ち寄ってくださるお客様がいることは、本当にありがたいし嬉しいですね。
――今後やってみたいことってあるんですか?
加藤さん:お客様に飽きられないためにも、オリジナルの新商品を開発したいですね。あとは健康に気をつけながら店を続けていきたいです(笑)

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