Things

どこか懐かしい国、ベトナムの「暮らしの道具」を揃える「越南道具」。

ベトナム雑貨をネットショッピングとイベントで販売している「越南道具(えつなんどうぐ)」。扱っているアイテムはどれもベトナムの「日常」で使われているものばかりで、とても丈夫で機能的なのだそうです。今回は、料理がきっかけでベトナムが大好きになったという店主の櫻井さんにいろいろとお話を聞いてきました。ちなみに編集部は、赤、青、黄、緑のビビッドカラーに惹かれて、取材の際にビニール紐カゴを購入しました。

 

越南道具

櫻井 洋子 Yoko Sakurai

1987年新発田市生まれ。アパレル業を経て飲食業に就く。現在は兄弟とともに新発田市内で「麻布 DINER 六本木」という居酒屋を経営。ベトナム愛が高まり、4年ほど前からベトナム料理専門店「越南飯」としてイベント出店をはじめる。2023年からベトナム雑貨を扱う「越南道具」をはじめる。

 

そこかしこで使われている、ベトナムのプラスチック椅子。

――櫻井さんが、「越南道具」をはじめるまでのことを教えてください。

櫻井さん:たまたま手にしたお料理本がきっかけで、ベトナムにハマったんです(笑)。「こんなにたくさんの種類があるの?!」って、ものすごく衝撃を受けて。それからベトナム料理を学びはじめました。今は、きっかけとなった料理本を書かれた先生のもとで教わっています。

 

――へぇ~。ベトナムってそれほどいろんな料理がある国なんですか。

櫻井さん:日本では、生春巻き、フォー、バインミーがメジャーですよね。でも、もっともっと豊かな食文化が広がっているんです。きっとフランスや中国の影響を受けて、独自に発展してきたんでしょうね。

 

――櫻井さんは、雑貨だけでなく飲食のお仕事もされています。

櫻井さん:兄、弟と3人で「麻布 DINER 六本木」という居酒屋を営んでいます。でも、そこではベトナム料理を出していなくて。「ひとりでできる範囲でいいから、ベトナム料理を提供したい」と思って、「越南道具」をはじめる2年くらい前から、「越南飯」という屋号でイベント出店もしています。

 

――ほぉ。ベトナム料理の「越南飯」が先にスタートしたんですね。

櫻井さん:料理の勉強のために現地を訪れて、そこで日常的に使われているベトナム雑貨に惹かれたんです。「すごくかわいいから、日本でも販売したい」と思ったのが、「越南道具」の原点です。特に惹かれたのは、プラスチック椅子。ベトナムでは、あらゆる場所で使われています。しかも「椅子として」だけじゃなくて、お店や市場、いたるところのディスプレイにも大活躍していて。とにかく「なんでもプラスチック椅子」なんですよ(笑)

 

 

――ベトナム愛を仕事につなげちゃうところがすごいです。

櫻井さん:もう、ほんとにベトナムが大好きなんです。朝から晩まで、ベトナムのことを考えているくらい(笑)

 

――どんなところに魅力がありますか?

櫻井さん:料理がすごく美味しいし、とにかく人が優しいんです。今の日本にはない風景が見れるところも好きですね。「昔の日本もこうだったのかな」って、懐かしい気持ちになるんです。

 

どれも「暮らしの道具」。ベトナムの日常にあるものばかり。

――プラスチック椅子以外には、どんなアイテムがあるんですか?

櫻井さん:扱っているものはすべて「暮らしの道具」です。観光客向けのお土産ではなくて、現地の皆さんが日常生活で使っているものを選んでいます。そういうものに、惹かれたんですね。

 

――お土産品との違いがあるものなんですか?

櫻井さん:ビニール紐で作られたカゴは、いい例かもしれません。お土産品のカゴには本体部分と持ち手にきれいな細工編みが施されているんですけど、ベトナムで普段使いされているのは、装飾がされていません。持ち手はゴムホースです。見た目より、強度が重視されているんでしょうね。

 

 

――リアルな日常が垣間見れるようで、おもしろいですね。

櫻井さん:丸いアルミのお盆も、ベトナムの日常によく登場する雑貨ですよ。料理がずらりと並んだお盆を囲んで、家族そろって食事をします。その様子も、昔の日本の食卓みたいですよね。

 

――櫻井さんは、ベトナムのそういうところに惹かれているんですね。

櫻井さん:あと、ベトナムの市場って、すごく賑やかなんですよ。お店の人と金額交渉したり、雑談したり、当たり前のようにコミュニケーションが発生するから。一方、日本はセルフレジが増えて、誰とも話すことなく買い物ができます。ベトナムは日本よりずっと不便なんだけど、人情たっぷりで居心地がいいんです。

 

ベトナムの生活、文化、食事。自分の言葉で、伝えたい。

――数ある雑貨類の中で、いちばん人気はどれですか?

櫻井さん:やっぱりプラスチック椅子ですね。台湾、中国、カンボジア、タイとプラスチック椅子を日常的に使っている国はいくつもあるんですけど、ベトナム製は高品質。とても丈夫で、発色がきれいなので、自信を持って販売しています。

 

――布製品も珍しい色合いで、素敵ですね。

櫻井さん:先住民が愛用しているスカーフですね。都市部からバスで6時間くらいかけて買い付けに行きました。他にはなかなかない柄と色味が好評で、ネット販売でも人気があります。

 

 

――これは、コーヒーミルですか?

櫻井さん:コーヒーミルのような形ではありますが、ブラックペッパー専用のミルなんです。ベトナムって、ブラックペッパーの生産量が世界ナンバーワンなんですよ。

 

――ほぉ。そんなこともご存知だとは。

櫻井さん:商品ひとつひとつに、お伝えしたいプチ情報がたくさんあります。「こういう形になった理由」「どうやって使うか」など、私が知っているベトナムのストーリーをお伝えしたいと思っていて。「越南道具」に店舗はありませんが、イベントでお客さまと会える場にはなるべく自分が出向くことにしています。

 

 

 

越南道具

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP