見えないところまで、考える。
「モリタ装芸」の、店舗設計のこと。
プロモーション | モリタ装芸
2026.04.01
「店舗設計」というと、内装や照明など、目に見えるデザインのことを思い浮かべる方が多いと思います。でも「モリタ装芸」の店舗設計は、目に見えるところはもちろん、目には見えないけれど、お店を続けていくために必要のことまで考えて設計しているんです。中央区にある「早亀食堂」は、「モリタ装芸」が店舗設計を手がけたお店のひとつ。「モリタ装芸」が店舗設計を手がけることになった経緯や、お店をつくるなかで大切にしたことなど、「モリタ装芸」の田村さんと「早亀食堂」の早川さんに、お話を聞いてきました。
田村 隆史
Takashi Tamura(モリタ装芸)
モリタ装芸 店装課。モリタ装芸では店舗設計をメインに、住宅の設計も手掛けている。県内の飲食店の店舗設計を多く手掛けており、設計のみならずメニューやオペレーションのこともアドバイスしている。
早川 謹弘
Norihiro Hayakawa(早亀食堂)
東京の焼肉チェーン店で修業を積み、新潟に帰郷。新潟調理師専門学校で料理を学び、フレンチレストランやカフェで経験を重ねる。2006年に家業の「宿舎 早亀」を受け継ぎ、2023年に「早亀食堂」をオープンしたとき、「モリタ装芸」に店舗設計を依頼した。
無理をしない、を大切に。
田村さんとはじめた、お店づくり。
――今日は「早亀食堂」の店舗設計を担当した田村さんと、店主の早川さんにお話を聞きます。まず、早川さんが「モリタ装芸」に依頼した経緯を教えてください。
早川さん:お店をつくりたいと思ってネットを調べていたときに、「モリタ装芸」さんのことを知りました。いろんなお店の店舗設計を手掛けていて、経験が豊富そうだな、と思ったのがきっかけです。実は、ここをつくりはじめる前にも、何回か相談をしていたんですよ。
田村さん:そうそう、最初はここじゃなくて別の場所で飲食店をやりたいってご相談いただきましたよね。テナントを借りて、ある程度しっかり改装する前提でお見積もりを出していました。
――別の場所でお店をしようと思っていたんですね。
早川さん:そうなんです。家賃や人件費、その先のランニングコストのことまで田村さんにアドバイスしてもらったんですけど、その場所はちょっと厳しいなって思って。 見積もりを出してもらったり、いろいろ相談していくうちに、田村さんとは結構仲良くなっていましたよね(笑)
――その後現在の場所で、お店をはじめることにしたんですね。
早川さん:そのとき、ちょうどコロナウイルスの感染が拡大して。隣でやっていた宿泊業が大打撃を受けました。周りからも「このまま続けるのは難しいかもしれない」って言われてたし、自分自身もまずいなって思っていました。それならできるだけコストを下げてお店をつくろうって考え方を変えたんです。
田村さん:そのときちょうど新潟市から補助金を出してもらえることが決まったのもあって、正式に依頼してくれましたよね。そこからは、いかにコストを抑えて、長く続くお店づくりができるかを考えていきましたね。
――こちらの場所は、もともと宿泊施設の一角として使われていたと聞きました。
早川さん:以前、宿泊施設を改装していた間、仮の食堂として使われていた空間でした。改装が終わったら使われることもなくなって、物置小屋みたいになっていたんです。
田村さん:最初見たときは、「ここをお店にするのか」って思いましたけど、構造的に活かせる部分もたくさんありました。だからコストを抑えてお店をつくりたかった早川さんの要望には、ある意味でぴったりな場所でしたね。
早川さん:間取りはほとんど変えず、壁のクロスを張り替えたり、日差しがよく入るように、窓を少し大きくしたり、本当に必要最低限の改修でしたね。
田村さん:そうそう(笑)。この店舗の設計でこだわったところよりも、「どうしたら続けられるお店づくりができるか」を早川さんとしっかり話し合って、お店づくりを進めていきましたね。

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メニューと空間づくりを大切に、
目指したのは、続けられるお店。
――「続けられるお店づくり」、具体的にはどんなことを考えてお店をつくっていったのでしょう。
田村さん:いちばん大きなものはメニュー構成ですね。この場所でお店をしようと思ったら、ランチのみの営業がいいと思いましたし、キッチンの広さも考えると、ひとりかふたりで回せるメニューがいいなって思ったんです。
早川さん:僕は最初、パスタもやりたかったし、洋食もいろいろ出したかったんです。でも、田村さんの話を聞くと、この場所でそれは現実的じゃないなって思って。
田村さん:東京や福岡で仕事をしていた経験から、東京でローストビーフ丼を提供しているお店のかたちを提案してみたんです。これなら少ない人数でもお店を回すことができるし、お店の回転率も良くなって、ランチだけでも利益は見込めると思って提案してみました。
――その提案を受けて、早川さんはいかがでしたか?
早川さん:僕も最初はローストビーフを出そうと思っていたんですけど、僕のイメージしていたローストビーフはお皿に盛られた状態のものでした。だから、丼ぶりって新鮮で。東京に行って実際食べてみて、「これならいける」って感じることができました。
田村さん:ただ、ローストビーフ丼だけだと強すぎるし、かといってメニューを3つ以上増やしてもお店のコンセプトがぼやけてしまうなと思って。ローストビーフ以外の選択肢のひとつとして、宿泊施設の食堂で人気だったハンバーグもメニューに入れることを提案しました。
──お店の名前や雰囲気づくりでは、どんなことをおふたりで話し合っていたのでしょう。
早川さん:最初はここをカフェにしたいと思っていたんですが、そのときに考えていたイメージを田村さんにお伝えしていました。パキッとしたオレンジ色を使って、女性でも入りやすいようなお店、みたいな感じで。そこに、ローストビーフ丼を出すなら和と洋が混ざった、大正ロマンっぽいイメージも入れたいなってリクエストしましたね。
田村さん:そのリクエストを受けて、壁のクロスにちょっと和のテイストをいれてみたり、名前に「食堂」を入れてみたり。ここは、住宅地の中にあったので、近所に住んでいらっしゃるどの年代の方にも気軽に入ってもらえるような、ちょっとした「抜け感」みたいなものも提案しましたね。
――と、いいますと?
田村さん:内装を変えるにしても、かっこつけすぎないデザインのものを選んで、お店の看板や暖簾に、亀のイラストを入れてみたんです。
早川さん:この亀のイラストも、田村さんが描いてくれたんですよね(笑)。すごく気に入っています。


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見えない部分まで設計する、
「モリタ装芸」の店舗設計。
――実際にお店をはじめてみて、手応えはいかがでしょう。
早川さん:思った以上に幅広い年代のお客さまに来ていただけて、びっくりしています。オープン前は「ある程度年齢が上の方が中心になるのかな」と思っていたんですが、赤ちゃんを連れたご家族がいらしてくれたときもあって、すごく嬉しかったですね。
田村さん:店舗設計のときから「入りやすさ」を意識したからこその、嬉しい誤算でしたね。今まで店舗設計に携わってきて、新潟の人はおしゃれすぎると一歩引いちゃう、みたいなところがあると思っていて。そんな新潟の人のハードルを上手く下げることができたのかなって思っています。
――田村さんから見て、今回の店舗設計はどうでしたか?
田村さん:「早亀食堂」さんの店舗設計は、どんな壁や照明にするかよりも、もっと手前の「どうしたら続けられるお店になるか」と言うことを軸にお店をつくりました。飲食店は、メニューが決まらないと、お店づくりはできないと思うんです。見た目やコンセプトも大事ですが、そこばかり見てしまうと続けるのが難しくなることもあるので。
早川さん:田村さんに相談せず、場所を借りてお店をしていたら、続いてなかったかもしれませんね。
田村さん:今回はとにかく「予算とお店の中で、できることをやる」ということを徹底しました。設計図からは見えない、お店のメニューやオペレーションを重点に置いて店舗設計をさせてもらいました。
――見えないところも設計してくれるって、とても心強いですね。
早川さん:本当にそう感じます。店舗設計の経験がある「モリタ装芸」さんを選んで、田村さんにお願いできたからこそ、今もちゃんと続けられているなって感じています。


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