柏崎から、人とモノの循環を。えんま通りの古着屋さん「no奥」。
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2025.07.16
毎年多くの人が足を運ぶ柏崎のイベント「えんま市」。その会場となるえんま通りに、「no奥(ノオク)」という古着屋さんがあります。このお店は「循環」がコンセプトなんだとか。どんな活動をしているのか、店主の峰本さんにお話を聞くべく、お店に向かったところ、旧「わたじん書店」にたどり着きました。

no奥
峰本 佳歩 Kaho Minemoto
1994年柏崎市出身。東京の専門学校を卒業後、「SPINNS(スピンズ)」に就職。レディースファッションのデザインや、バイヤーとして仕入れを担当する。結婚・出産を機に柏崎市に帰省し、2024年に「no奥」をオープンする。古いものが好き。

書店「の奥」につくった、古着屋さん。
――惜しまれつつも閉店した「わたじん書店」の奥に、古着屋さんがあるなんて。
峰本さん:「わたじん書店」は私の親戚がやっていたんです。で、その奥にあるこのお店は以前叔父の事務所として使われていました。「『わたじん書店』の奥」にあるから「no奥」って名前をつけたんです。
――お店の場所が名前になっているんですね。ところで峰本さんは、これまでどんなことをされていたんでしょう。
峰本さん:父が建築の仕事を、叔父がデザインの仕事をしていたのもあって、東京にあるインテリア関係の専門学校に進みました。でも、インテリアにはあまりハマらなくて。当時「原宿で働きたい!」って強く思っていたので、アパレルやインテリア雑貨を販売している「SPINNS」で働きはじめました。レディースファッションのデザインや、バイヤーとして仕入れをしていました。
――トレンドの発信地で働かれていたんですね。
峰本さん:その後、本社がある京都に異動になりました。そのとき、同じ会社で古着のバイヤーをしていた旦那さんに出会ったんです。結婚をして、出産して、子育てをする中でコロナが流行って。旦那さんは海外に買付に行けなくなってしまったんです。そこで私の父が「建築の仕事を手伝わないか」って声をかけてくれたので、柏崎に帰ることにしました。

――そこから古着屋さんをはじめるまでには、どんな経緯が?
峰本さん:ふたり目の子どもが生まれた後に、そろそろ何かしたいなと思ったんです。そのときに、柏崎で事業をはじめる人を支援をしている「まちから」さんを紹介してもらいました。同じくらいのタイミングでこの場所も空いて。私たち夫婦が何かやるとしたら、服しかないと思って古着屋さんをはじめることにしたんです。
――いろんなタイミングが重なったんですね。このお店のコンセプトを教えてください。
峰本さん:ただの古着屋にしたくないと思って、「人とモノの循環」をコンセプトに掲げています。前職の会社も循環をコンセプトにしたイベントを定期的にやっていたんですよ。それがかっこいいなと思って、ふたつの循環をコンセプトにしています。
――「人とモノの循環」、具体的にはどんな循環になるのでしょう。
峰本さん:前職でもやっていた古着や雑貨を販売することで生まれる循環と、人と人がつながることで生まれる循環のふたつをつくろうと思ったんです。人の循環は、前職のとき職場の大人たちに恵まれて、ひとりの大人として育ててもらった経験が元になっています。私がしてもらったことを、柏崎の若い子にもしてあげたいなと思って。

こだわりが詰まった、「豚骨系」のアイテムたち。
――こちらでは循環にまつわる、面白い活動をしていると聞きました。
峰本さん:「ぐるぐる」という、子ども服を循環させる活動をしています。柏崎の「キッズマジック」という施設に回収BOXを置かせてもらっています。そこで寄付いただいた子ども服を修繕して、イベントで販売しているんです。修繕は地元の福祉施設の方にお手伝いしてもらっていますね。
――古着の販売だけではなく、再利用できるような取り組みもしているんですね。
峰本さん:他にも、ショッパーはすべて、使われなくなった紙袋を再利用しています。なんだかんだ、紙袋って使わないじゃないですか。そういうのをお客さんから寄付してもらったり、自分たちで集めたりしています。

――いろんなモノが循環していますね。ちなみに「no奥」にある古着は、峰本さんが選んでいるんですか?
峰本さん:古着のバイヤーをしていた旦那さんに、国内外から古着を選んでもらっています。旦那さんは変なものが好きで(笑)、他のお店とは被らない、ちょっと変わったものが多いんです。きれいで上品なセレクト系の古着を「あっさり醤油ラーメン」と例えるなら、ここにある古着たちは「豚骨ラーメン」なんです(笑)
――「豚骨ラーメン」たちの中でも、峰本さんのオススメのアイテムを教えてください。
峰本さん:古着はその方に合うものを、お話しながらおすすめしています。うちは小物も可愛いものがありますよ。ピンズなんかは、同じ規模のお店だったら多く取り扱っているかもしれません。「デコる」ブームが来ているので、オススメですね。靴紐につけると可愛いんです。
――自分だけの組み合わせが楽しめますね。
峰本さん:ピンズも古着も、好きな人はすごく好きなラインナップだと思いますよ。あと、古着についているタグも変わっていて面白いんですよ。これは植物の土に刺すタグを使っていて、アクアリウムが好きな旦那さんが考えたんです。内装も旦那さんの好きなものが詰まっていますね。『スターウォーズ』のオブジェとか、「わたじん書店」で使っていた古い什器とか……。旦那さんのこだわりが多いですが(笑)、それも面白いかなと思っています。


――こんな商品タグ、はじめてみました。並々ならぬこだわりを感じます。
峰本さん:本人曰く「まだやりたいことがたくさんある」そうで(笑)、美術館みたいにしたいんだそうです。古着ひとつひとつにキャプションをつけて、その服の背景や、つくられた経緯を伝えたいって。そういうクリエイティブなアイデアは彼から出てくることが多いんですよ。実はショップカードも彼がつくっていて、「循環」を表したものになっているんです。
――ふむふむ。
峰本さん:お店の中ある大きな鏡と、その上にあるライトを太陽とそれに照らされている水面と捉えて、このショップカードができたんです。太陽が昇って沈んでいく様子を、循環と見立てたそうですよ。太陽が昇るときも沈むときも、ピンク色になる瞬間があることから、ロゴもピンク色にしています。

――こだわりがたくさん詰まった「no奥」は、どんなふうに使ってほしいですか?
峰本さん:気軽にしゃべりに来てほしいですね。「人の循環」のゴールは、人と人が関われる場をつくることなので。うちには60代のお客さまもいらっしゃることもありますし、いろんな世代の方とのつながりが生まれてくれたら嬉しいですね。
――コンセプトがそのまま、かたちになったお店ですね。峰本さんの今後の目標を教えてください。
峰本さん:おしゃれの楽しさを若い子に伝えたいですね。子育てをはじめてから、毎日すっぴんで動くことも多くて。でも、心の中では「もっとおしゃれしたい!」っていう気持ちがあって。ここに来る若い子に「今は耳つぼが流行ってるよ」とか、「ジャグアタトゥーっていうのがあるよ」とか、若い子に教えたら楽しいだろうなって思うんです。

――おしゃれにまつわることが知れる場所、ということですね。
峰本さん:いつかここで、ネイルやジャグアタトゥーを体験してもらえる機会もつくってみたくて。「『no奥』に行けば、おしゃれになれる!」って思ってもらいたいんです。そこから人が集まって、柏崎が盛り上がっていったら嬉しいですね。
――最後に、読者の方にひとことお願いします!
峰本さん:何も買わなくてもいいので(笑)、柏崎に来た際はぜひ一度、足を運んでください!柏崎のこと、いろいろ紹介しますよ。
no奥
〒945-0051 新潟県柏崎市東本町2丁目5-22 わたじん書店”の奥”
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