上古町を歩いていて、明るい木目が印象的な外観のお店を見つけました。ナチュラル志向なイメージのこのお店、いったい何のお店なんでしょうか? 気になってちょっと中を覗いてみると、アロマオイルとハーブティーがズラリ。こちらは「hana kiku」という名のアロマとハーブの専門店だったんです。ということで今回は、オーナーの菊池さんにアロマやハーブについての魅力を聞いてきました。
hana kiku
菊池 展世 Nobuyo Kikuchi
1965年大阪府生まれ。岡山県の法律事務所で事務職を経験後、結婚を機に新潟での生活を始め、環境の変化で体調を崩したときにアロマと出会って勉強をスタート。その後、公民館でアロマスクールを開催するようになり、2009年新潟市中央区に「hana kiku」をオープン。趣味は編み物のほか、ガーデニングでバラを育てている。
——今日はよろしくお願いします。菊池さんはもともとアロマとかハーブとかに興味があったんですか?
菊池さん:いいえ。新潟に来るまでは興味ありませんでした(笑)
——ということは、県外から新潟に来られたんですね。
菊池さん:はい、大阪出身です。新潟に来る前は岡山の法律事務所で12年くらい事務職をやってたんです。佐渡出身の夫と結婚してから新潟で暮らすことになったんですよ。
——どのようないきさつでアロマやハーブに興味を持つようになったんですか?
菊池さん:新潟で暮らしはじめて、自由な一人暮らしから結婚生活での二人暮らしへの変化、晴れの国・岡山から雪国・新潟に来たことの変化などで、環境の違いからくるストレスを覚えるようになっていったんです。子どもも生まれて、だんだん主婦鬱みたいな状態になっちゃったんですよ。体調を崩して母乳が出なくなってしまって、母乳マッサージを受けたこともありました。
——新潟への移住…相当なストレスだったんですね。
菊池さん:そうだったんだと思います。何も考えられないような状態でしたから…。でも、母乳マッサージを受けに行ったサロンがレモンのアロマを香らせていたんですけど、その香りを嗅いでいるうちに頭の中がすっきりとクリアになって、自分を取り戻せたような気持になったんです。
——へえ〜、香りの効果ってばかにできないんですね。
菊池さん:はい。早速、アロマの先生を紹介してもらって勉強を始めたんです。自分のように辛い思いをしている人に、少しでも楽になってほしいという気持だったんですよ。それで多くの人にアロマの素晴らしさを知ってほしいと思って、公民館でアロマスクールを開催するようになりました。
——お店を始めることになったのはどうしてだったんですか?
菊池さん:当時の新潟にはアロマ用品を扱っている専門店がほとんどなかったんです。だったら自分でアロマ用品の販売もしちゃおうと思ったのがきっかけです。でも店舗物件を探すのに3年もかかっちゃいましたね。アロマ用品のショップと、アロマトリートメントのサロン、アロマスクールの全てができるスペースがほしかったんです。しかも息子の校区内で探しました(笑)
——それでこの物件を見つけたんですね。
菊池さん:10年くらい空き家だった建物なので、ものすごい量のゴミがそのままになっていて大変でした(笑)。知り合いの主婦たちを集めて、欲しいものがあったら持っていってもらったりしたんです。父が塗装屋なので壁塗りは父にやってもらいました。
——お店に来るのはどんな人が多いんですか?
菊池さん:多いのは男女とも30〜40代の方ですね。ほとんどは体が冷えちゃってる人。日々の仕事や子育てでストレスを抱えている人が多いような気がします。
——そんなお客さんにおすすめのアロマ商品を教えてください。
菊池さん:うちの店で扱っているのは、品質がしっかりしているオーガニックアロマだけで、その中でも最近のおすすめは佐渡の前浜で育ったカヤの実を精油した「MAEHAMA(マエハマ)」っていうアロマです。カヤウォーター、カヤスプレー、カヤバームとして販売しています。カヤウォーターはディフューザーに入れて使うことで部屋の空気をクリアにしてくれます。カヤスプレーは匂いの気になる場所にひと吹きすることでクリアな空間にしてくれます。カヤバームはリップや指先のケアに直接塗りこんで使っていただけますね。
——ハーブティーのおすすめはありますか?
菊池さん:ひとつは「カミフル門前」。私がお店にくるときに見える、朝の白山神社の赤い鳥居をイメージしたハーブティーです。ステビアやハイビスカスを使って甘酸っぱい味にしてあります。ハイビスカスは鳥居をイメージした赤い色づけにもなってるんです。もうひとつは「SADO」。私の大好きな5月の佐渡をイメージしたハーブティーです。ブルーマロウやレモングラス、ユーカリ、ミントを使って、ヤマザクラが咲き誇る緑の丘や青い海を表現して、爽やかな味わいに仕上げました。「カミフル門前」と「SADO」をパックにした「新潟土産」という商品は観光客に人気がありますね。
——味や色にもこだわってブレンドしてるんですね。
菊池さん:そうですね。まず飲んで美味しいものという前提で作ってます。あとはモチーフを決めて、そのイメージでブレンドするので色もこだわってますね。植物って自分で育つ場所を選んで生まれて来ると思うので、できるだけその植物の発祥地産のものを使うようにしています。
——アロマスクールではどんなことを教えてもらえるんですか?
菊池さん:NARD JAPAN(ナードジャパン)認定アロマアドバイザーの資格が取れるレッスンです。レッスンはマンツーマンで行って、アロマアドバイザーの知識として芳香成分の読み方を身につけてもらいます。試験も含めて8ヶ月くらいかかるので、希望者には本当に必要な資格かどうかを確認してから受けていただいてます。受講者の中には終末期医療に携わっている医療従事者が多くて、患者さんのケアに生かしたいという思いで受けられるようです。
——アロマトリートメントもやっているんですよね?
菊池さん:はい。2階に2部屋用意しています。最初に体や気分の悩みをお聞きして、症状にあったアロマを使用します。アロマを使ってマッサージすることで神経が沈静化してリラクゼーション効果が得られますし、血行不要、末端冷え性、筋肉の緊張、消化器不調の緩和に効果があります。お仕事をがんばっているキャリアウーマンの方が多くいらっしゃいますね。
——今後はどんなふうにお店をやっていきたいですか?
菊池さん:お客様の身体のお悩みを聞いた上で、アロマやハーブのおすすめやアドバイスができるようにしていきたいと思っています。目の届くところで販売していきたいから、できるだけ卸売はしないでお店で販売するようにしたいですね。小さなお店だからこそできることをやっていきたいと思ってます。
——責任を持っておすすめしたいということですね。では最後にアロマやハーブをどんなふうに楽しんだらいいんでしょう。
菊池さん:どちらも香りを楽しんでほしいですね。ハーブはお茶や料理に使って体に取り込んで、アロマはお部屋に香らせてほしいです。アロマをお部屋に香らせるときは狭いスペースならアロマストーン、広いスペースならディフューザーを使うことをおすすめします。持ち歩くときはハンカチに垂らして身につけておくといいですね。
——ちなみに「hana kiku」っていう店名は「花の香を聞く」っていう意味でしょうか?それとも菊池さんの「菊」から…。
菊池さん:すみません。飼っている猫の名前なんです(笑)
ストレスで体調を崩したときに出会った「レモンの香り」をきっかけに、アロマについて学び、アロマスクール、アロマトリートメント、アロマやハーブの販売をする専門店「hana kiku」を始めた菊池さん。世の中には病院で解決できない身体の症状もたくさんあると思います。そんな方は一度、菊池さんに相談してみてはいかがでしょうか?
hana kiku
〒951-8063 新潟県新潟市中央区古町通2-532
025-223-7777
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火曜休