みなさんの中でペットを飼っている人はどれくらいいるでしょうか。家族の一員として癒しを与えてくれるペットですが、なかなか言うことを聞いてくれないとか、急に家族で出かけることになったとか、しつけや世話で困ることもありますよね。そんなときに頼れるのが「Dog Lounge PAWS(ドッグ ラウンジ パウズ)」です。ペットホテルや一時預かり、ワンちゃんのトレーニングなど飼い主に代わってサポートしてくれます。今回は店長の佐藤さんに、ワンちゃんとの接し方についてお話を聞いてきました。
Dog Lounge PAWS
佐藤 めぐみ Megumi Satou
1977年熊本県生まれ。チーフ兼トリマー。幼い頃は父親の転勤で大阪、愛知、熊本、新潟を転々とする。新潟の専門学校でトリミングを学び、上越や新潟の動物病院に勤務。ペットショップの販売員を経て、2015年のオープンより「Dog Lounge PAWS」で働く。プライベートでもダックスやプードルを飼っているワンちゃん愛好家で、お店で預かるワンちゃんも自分の愛犬と同じように接している。
——月並みな質問かもしれませんけど、佐藤さんは昔から動物が好きだったんでしょうか?
佐藤さん:そうですね。子どもの頃から動物が好きで、いつかは「ムツゴロウ王国」で働きたいと夢見ていました。
——「ムツゴロウ王国」には行かなかったんですね?
佐藤さん:現実的に考えるとなかなか難しかったですね(笑)。「ムツゴロウ王国」のスタッフや動物園の飼育員、イルカの調教師にもなりたかったんですが。そのかわりにトリマーになろうと決心して、専門学校でトリミングの勉強をしました。私の中では動物に関われるお仕事の中で、一番現実的なものだったんです。
——なるほど。じゃあ学校を出た後はトリミングの仕事に就いたんですね。
佐藤さん:上越や新潟の動物病院でトリマーをやっていましたが、動物の病気やケアの勉強もしたかったので、治療や手術の助手もやりました。動物たちの生命の危機に直面する現場だったので、いろいろと勉強になった反面、つらい思いもしましたね。その後は結婚して子どもが生まれたので動物病院から離れました。
——しばらく家事や育児に専念されていたと。
佐藤さん:家事や育児をしつつ、パートの仕事を転々としていたんですけど、どの仕事も自分のやりたいこととは違うと感じていました。やっぱり動物に関わるお仕事がしたかったんですね。家庭を持ったり子どもができたりしたことで、やりたいことを諦めようとも思ったんですが、自分の人生を諦めたくないっていう気持ちがだんだん強くなっていったんです。
——それで動物関係の仕事に戻ったんですか?
佐藤さん:はい。ちょうど新しくできるペットショップのオープニングスタッフとして働くことになったんです。そこでは生まれたばかりの子犬から老犬まで、深く学ぶことができたし、いろいろな犬種に触れることもできて勉強になりましたね。でも次第に自分のやりたいこととのズレが出てきたんです。
——そのズレって何ですか?
佐藤さん:私はワンちゃんと飼い主様の架け橋になれればいいと思っていたんです。飼い主様やワンちゃんが出会うことで、お互いが幸せな生活を送れたらいいと思っていました。でも、実際は商売ですから……。そんなときにペットショップのお客様から「Dog Lounge PAWS」の立ち上げに協力してほしいと誘われたんですよ。お話を聞いて、オーナーの考え方にとても共感できたので、私もお手伝いさせていただくことになったんです。
——「Dog Lounge PAWS」はどういういきさつでオープンすることになったんですか?
佐藤さん:「Dog Lounge PAWS」のオーナーもワンちゃんを飼っているんですけど、自分のワンちゃんを安心して預けられる施設がなかったそうなんですね。そこで2015年に「Dog Lounge PAWS」をオープンして、自分が理想とするお店を始めることになったんですよ。
——どんなサービスがあるお店なんですか?
佐藤さん:2店舗に分かれていて、「Dog Lounge PAWS」ではペットホテル、一時預かり、幼稚園、「PAWS SALON」ではトリミングのサービスを提供しています。
——ん、幼稚園ってどんなものなんでしょうか?
佐藤さん:「トレーニングコース」と「なかよしくらぶコース」に分かれています。「トレーニングコース」では他のワンちゃんとコミュニケーションを取ったり、トレーナーによるトレーニングで問題行動の改善を目指します。「なかよしくらぶコース」は他のワンちゃんや人に慣れることで社会性を身につけるコースです。どちらも入園していただくと、かわいい専用バッグや名札、連絡帳がついてくるんですよ。
——おー、人間の幼稚園と根本は一緒みたいですね(笑)。ワンちゃんの問題行動で多いのってどんなことですか?
佐藤さん:散歩中に人やバイクに向かって吠えたり、拾い食いしたりというのが多いですね。そうした問題行動を、ワンちゃんに合わせた無理のないトレーニングで改善します。でも家に帰ると元に戻っちゃうワンちゃんもいるんです。飼い主様への甘えも原因になっていることが多いので、問題改善には飼い主様の協力も必要なんですよ。ワンちゃんを信じて根気よく付き合っていれば必ず応えてくれますから、あきらめずに続けることが大切だと思います。
——ワンちゃんを相手にしていて難しいと思うことってありますか?
佐藤さん:言葉が通じない分、気持ちを理解することが難しいと思うことはありますね。例えばトリミングのときに嫌がって騒ぐワンちゃんがいたら、どうして嫌がっているのかを理解するようにしています。持ち上げるときの力加減、体制、振動といったいろいろな原因の中から、どうしたら怖くなくなるのかを探りながら接するようにしていますね。
——たしかに言葉が通じないと、気持ちを理解するのは難しいですね。
佐藤さん:でもその分、ワンちゃんと気持ちが通じてコミュニケーションが取れたときは、本当にうれしいです。いつもワンちゃんの気持ちをわかってあげられる人間でいたいなって思っています。
——他にもうれしいことってありますか?
佐藤さん:ワンちゃんがよろこんで「PAWS」に来てくれるっていう話を、飼い主様から聞いたときはうれしいです。「PAWS」の店名を聞いたり、幼稚園バッグを持ったりしただけでよろこんでくれるって聞くと、スタッフ全員が愛情を持って接しているのが伝わってくれたって思いますね。
——ワンちゃんと暮らす上で大切なことってなんでしょう。
佐藤さん:ワンちゃんの言葉がわからない分、たくさん愛情を与えて、信じてあげることが大切だと思います。とくにコミュニケーションはたくさん取ってあげてほしいんです。飼い主様って、ワンちゃんの悪いことには反応するけど、大人しくいい子にしているときは意外と放っておいていることが多いんです。そんなときこそ、ほめてあげてほしいんですよ。話しかけたり、撫でてあげたり、目を見つめてあげたりというコミュニケーションを取ることで、声の大きさやトーン、表情からワンちゃんも飼い主様の気持ちを理解できるんです。
——なるほど。人間の子どもと一緒ですね。最後に、今後「PAWS」で新しく考えていることがあったら教えてください。
佐藤さん:今年の4月から、老犬が安心して過ごせるようなシニア犬向けのサービスを始める予定です。そのために私も「老犬介護士」の資格を取得しました。生まれてから老犬になるまで、長くお付き合いできるような関係を目指していきたいと思っています。
「ワンちゃんようちえん」の写真撮影中、ワンちゃん達に話しかけてコミュニケーションを取っている佐藤さんは、まるで人間の幼稚園の先生みたいに見えました。もしワンちゃんで困ったことがあったら「PAWS」に相談してみてはいかがでしょうか。飼い主やワンちゃん達が安心して暮らせるよう、しっかりサポートしてくれると思います。
Dog Lounge PAWS
〒951-8066 新潟県新潟市中央区東堀前通8番町1366-1 ヴィラアリエッタ1F
025-223-9411
8:00-20:00
無休