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「イエとヒト。#05 変化をたのしむ、余白のある暮らし。」

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  • イエとヒト。
  • 2025.07.07

家は、ただの「住む場所」ではなく、そこに暮らす人の価値観や生き方が映し出される場所。どんな家にも、住む人ならではのこだわりやストーリーが詰まっています。シリーズ『イエとヒト。』では、新潟で暮らす人々の「家」と「暮らし」にフォーカス。その空間にはどんな想いが込められているのか、どんなふうに過ごしているのかをご紹介していきます。

 

第5回は、柏崎市に暮らす、利樹さん・未佳さんご夫妻とふたりの息子さんの住まいを訪ねました。この家は、「変化の余白を楽しむ」というテーマで、家族の感性や暮らしへの思いが散りばめられているんだとか。いったいどんなこだわりが詰まっているのでしょうか、いろいろと聞いてきました。

 

利樹さんファミリー

利樹さん、未佳さん、理人くん、宇泰くん

5年前に「高田建築事務所」と共に住まいを建て、自然豊かな環境でのびのびと暮らしている。ご主人の利樹さんは、少年野球チームの監督を務め、試合動画の研究が日課。料理好きの未佳さんは、音楽を流しながらキッチンに立つのが日課。庭には実家から受け継いだ木々を植え、家族と共に成長する四季の移ろいを楽しみにしている。

 

 

企画/プロデュース・北澤凌|Ryo Kitazawa
イラスト・桐生桃子|Momoko Kiryu

 

――こちらの家を建てたのは、いつ頃だったんですか?

利樹さん:5年前ですね。それまで賃貸で暮らしていたんですけど、上の子が小学校に上がるタイミングだったので、「そろそろ家を建てようか」と妻と話し合ったんです。

 

――家を建てる際の場所選びって、どんなふうに決めていったんですか?

利樹さん:夫婦ふたりとも実家が山の方で、「せっかくなら見晴らしの良い場所に建てたいよね」って探していきました。そのなかで、田んぼが近くにあって、のびのびした環境のあるこの場所を見つけたんです。

 

――家づくりするうえで、特にこだわったことってどんなところですか?

利樹さん:陶芸家・黒田泰蔵さんのアトリエや、樹木希林さんの住まいのように、シンプルでいて、家具や植物、飾った絵がより引き立つような、余白のある空間にしたかったんです。

 

未佳さん:そこで担当の吉田さんから「アンタイトルズ」というテーマを提案してもらって。家の壁や素材はできるだけシンプルなものを選びました。

 

 

――「アンタイトルズ」とは?

利樹さん:「カフェっぽく」とか「アトリエ風」といった決め打ちではなく、住みながら雰囲気を変えていけるような内装になっているんです。そのために壁を白く塗ったり、巾木をなくしたり、意図的に余白を残した設計にしてもらいました。

 

未佳さん:「新築のときが一番かっこいい」じゃなくて、「暮らしながら年々かっこよくなっていく」ような家にしたかったんですよね。

 

――なるほど、家族の暮らしと一緒に変化していく家になっているんですね。

未佳さん:今リビングにある絵は、子どもが描いたものと、夫の母が描いた風景画なんです。子供の成長を感じたり、思い出になったりもするので、これからもいろいろ飾っていきたいなと思っています。

 

 

――テラスがあるのも気になっていたんですが、普段はどんなふうに使っていますか?

利樹さん:花火をしたり、友だちを呼んでご飯を食べたりする場所になっています。最近は子どもが野球をはじめて、使う機会も減ってしまったんですけど、天気の良い日に出ると気持ちがいいですよ。

 

未佳さん:庭には、夫と私の実家から持ってきたハナミズキとナツハゼを植えています。あと、この家を建てたときの記念樹として購入したアオダモもありますね。木々が育っていく様子を見るのが、水をあげるときの密かな楽しみなんです(笑)

 

 

――リビングに入ったときにBGMが流れていましたよね。普段から音楽は流しているんですか?

未佳さん:そうですね。私は洋楽とか詳しくないんですけど、そのときの気分で選んでいます。キッチンに立ちながら音楽を聴く時間が好きなんです。

 

利樹さん:今日は朝からちょっとバタバタしていたので、いつもとは違う雰囲気の曲をかけてみました。音楽は日常に欠かせませんね。

 

 

――家づくりのやりとりのなかで、担当者さんとの思い出のエピソードってありますか?

利樹さん:いろいろありすぎて、本当にきりがないですね。吉田さんは、僕たちの言葉をちゃんと拾い、寄り添ってくれるので、とても信頼できました。でも、趣味はかなり攻めていて。車が好きとのことで、短い期間で車を買い替えると聞いたときは驚きましたね(笑)

 

――楽しく打ち合わせをしている様子が思い浮かびます(笑)。実際に住んでみて、一番のお気に入りの場所はどこですか?

利樹さん:やっぱりリビングですね。子どもの野球チームの監督をしていて、毎回練習や試合の動画を撮っているんですけど、家に帰ってからそれをひとりでじっくり見ている時間がすごく好きです(笑)

 

未佳さん:毎日、めちゃくちゃ熱くなって見返しているんですよ(笑)

 

――さすが監督(笑)。5年住んでみて気づいたことってありますか?

利樹さん:この家がすごく好きだなって実感しています。だからこそ、これから子ども部屋をどうしようとか、自転車小屋を作ろうかとか、まだまだ考えたいことがたくさんあって。改めて、暮らしって、ずっと変化しつづけるものなんだなって思いますね。

 

――それでは最後に、これからこの家でどんな未来を過ごしていきたいですか?

利樹さん:子どもが自分の人生を歩むためのベースになるような思い出を、一緒にこの家でたくさんつくってほしいです。感受性の豊かな子に育ってほしいので、そういうものを感じられる家にしていきたいですね。

 

未佳さん:私は、四季の移ろいを楽しめる家にしたいですね。お花を飾ったり、季節ごとにクッションを替えたり。男の子ふたりなので、あまり気づいてくれないんですけど(笑)。でも、みんなの誕生日や、記念日を楽しみにしながら過ごせるような場所にしつづけたいなと思っています。

 

 

 

株式会社 高田建築事務所

「千人鮮色(せんにんせんしょく)」の住まいづくり。 十人十色と言いますが、千人いれば千通りの想いがある。高田建築事務所は「千人千色」の想いを住まいというかたちで鮮やかに表現したいと思っています。住む土地にも住む人にも個性や長所があります。そこに光を当てるところからはじまり、あなたらしさを感じられるデザインをご提案します。誰かのでなはく、あなたの想いから出発する住まいづくりです。

 

Q. 今回の家づくりのポイントについて教えてください。

A. 打ち合わせは石塚様のお仕事終わりが多かったのですが、時間が経つのを忘れてしまうほど白熱した住まいづくりだったことを思い出します。はじめから陶芸家の黒田泰蔵さんのアトリエのイメージが強くあり、どのようにラフな心地よさを住空間に入れ込めるかを大切にしながら設計を進めました。建物自体の形状は異なりますが、土地の持つ魅力から導き出したT字型のプランを受け入れてくださったのも印象的です。

 

Q. 施主様との思い出のエピソードはありますか?

A. 石塚様と一緒に巾木や笠木、建具、食器棚といった細かい部分まですべて考え抜きました。ラフさと使いやすさについて、毎日のように何時間も意見を交わし、「階段は足場板でいい」といったひと言をヒントに、ベースとなるカタチができあがっていったように思います。石塚様含め、チームとして、ひとつの建築を作り出す感覚が楽しかったことが今でも忘れられません。土地決めでは、街中と郊外という対照的な候補地がありましたが、ご家族の雰囲気や暮らしのイメージから郊外をおすすめしました。お引越し日にはお子様が外土間でドミノをして遊んでいる様子を見ることができ、「外もリビングとして使う」というコンセプトが体現されていることにご夫婦と一緒に「よかった!」と笑い合いました。(吉田より)

 

 

株式会社 高田建築事務所(長岡本社)

新潟県長岡市摂田屋5-6-22

0258-36-1230

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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