日本ワインを毎日の食卓に。
内野駅前にオープンした、「VINORA」。
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2025.12.08
内野駅前で日本ワインの魅力を伝え続けている「Nature」。このお店の澤田さんご夫婦が、お店の2階でワインショップ「VINORA(ヴィノラ)」をはじめました。階段を上がるとすぐ、ワインがたくさん並んだセラーがお出迎えしてくれます。内野で日本ワインの魅力を伝え続けて11年、澤田さんに「VINORA」をはじめた経緯やワインのことなど、いろいろお話を聞いてきました。
澤田 正義
Tadashi Sawada(VINORA)
1981年新潟市出身。専門学校を卒業後、東京でコンピュータ関係の仕事に携わる。2014年、内野駅前に奥さんとふたりで「Nature」をオープンし、今年11月、2階でワインショップ「VINORA」をはじめる。最近はワインのことで頭がいっぱいなんだそう。
もっと気軽に、
いろんな日本ワインを知ってほしい。
――まずは、「VINORA」のオープンおめでとうございます。このお店はどんな経緯でつくられたのでしょうか。
澤田さん:2021年にお酒を販売するための免許を取得して、「Nature」の一角でワインを販売していたんです。新潟県内外のいろんなワイナリーさんとつながるなかで、「もっと幅を広げて販売したい」という気持ちが芽生えました。そこで、新しいお店をつくりたいと思うようになって、今年の1月に新しくお店をつくることを決めました。
――お店でワインを販売しはじめてから、4年経った今年の冬に決断したのは、どんな理由が?
澤田さん:なんとなく、5年ごとに新しいことに挑戦したいと思っていて。「Nature」でワインの販売をはじめてから、今年の冬でだいたい5年が経つので、何か新しい挑戦をしようと思っていたタイミングでした。ちょうど、「Nature」の2階が使えることになったので、ここでワインショップをはじめることにしました。
――こちらでは、日本ワインが買えるのはもちろん、飲むこともできるんですね。
澤田さん:この地域に、パッと飲めるようなお店をつくりたかったんです。内野駅前には飲食店がたくさんあって、このエリアだけでも2、3軒はしごできちゃうくらいなんです。「0次会としても利用できる場所があったら」 と思っていたので、立ち呑みでワインが楽しめるスペースをつくりました。
――そんな立ち呑みのスペースには、ワインサーバーがあります。
澤田さん:常時4種類の日本ワインを、グラスで気軽に楽しむことができます。抜栓料はかかりますが、ショップで買ってもらったワインも飲むことができます。立ち呑みのスペースも、ショップも基本はセルフサービスにしているんですが、これには理由があるんですよ。
――いったい、どんな理由なんでしょう。
澤田さん:「Nature」でワインを販売していたとき、一度お店に入ったら「何かしら買わなきゃいけない」って感じている方が多いかもしれないと思ったんです。お店としては、見てもらえるだけでいいので、気軽に来てほしいじゃないですか。だから、ここには基本、スタッフは常駐しないで、お客さまが気軽にワインを見たり、飲んだりできる空間にしています。
――買い物をしているとき、店員さんがいると緊張しちゃう私には、ありがたいです。
澤田さん:僕もそうなんですよ。やっぱり店員さんがいると「何か買わなきゃ」って思う方もいると思うんです。ここは、ワインを見るだけでもいい場所にしました。もちろん、なにか聞きたいことがあれば、いつでも呼んでもらって大丈夫ですよ。


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日本ワインの特徴は、
その土地のイメージが湧きやすいこと。
――こちらでは、どのくらいのワインを取り扱っているのでしょう。
澤田さん:だいたい80種類ほどのワインを置いています。もちろん、置いてあるのは日本ワインだけです。県内外のワイナリーさんのワインを取り扱っていますよ。
――日本ワインの特徴ってどんなものが挙げられるのでしょう。
澤田さん:まず、日本で作られているので、日本の食材と相性がとてもいいです。だから、日本ワインは普段、お家で食べている料理にも合わせることができます。「ワインに合わせるために、なんの料理を作れば良いんだろう」って迷う必要がないのは、日本ワインのいいところですね。
――澤田さんがワインを選ぶときの基準を教えてください。
澤田さん:なるべく、行ったことのある土地のワインを選ぶようにしています。日本ワインのいいところって、ブドウが育ったその土地をイメージしやすいことだと思うんです。フランスの産地の気候や土の特徴をお伝えしても、行ったことがないとあまりピンとこないですよね。でも、国内であれば行ったことがある土地が多いので、その土地の特徴とワインの味わいが、リンクしやすいと思っています。
──ふむふむ。
澤田さん:自分が行ったことがあると、僕自身の説得力も増すとも思っていて。「この土地には、こんな特徴があるから、ワインの味がこうなる」っていうのをしっかり伝えられるんです。あとは、その土地に行かなければわからないことをお伝えできるのも、すごく良いなと思っています。
――その土地に行かないとわからないこと、ですか。
澤田さん:例えば、長野にあるワイナリーさんに行ったとき、周りにお蕎麦屋さんがたくさんあったんです。調べてみると、そこはそば粉の生産が盛んだということが分かって。そば粉の産地でつくられるワインは、間違いなくお蕎麦に合うんですよ。こんな感じで、その土地に行ったからこそ知れた情報を、味の特徴やペアリングにいかしています。
――ワインひとつひとつの説明をじっくり読みたくなります。でも、こんなにたくさん種類があると迷う人もいそうです。
澤田さん:そんな方に向けて、僕と奥さんのおすすめ、それから「迷ったときはこれ」っていうおすすめのワインをそれぞれ1本ずつ用意しています。僕たちのコメントを読んでみて、気になった方はぜひ手に取ってみてほしいですね。


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「VINORA」のワインで、
日本中を旅してほしい。
――澤田さんは日本ワインが、新潟に広まりつつあると思いますか?
澤田さん:日本ワインの認知度は高まっていると思います。僕が内野にお店をはじめたときは、国内のワイナリーは200軒もなかったんです。でも、今はブドウ栽培もやっているワイナリーが600軒近くありますし、委託醸造をしているワイナリーを含めると、800軒近くあるんです。お店に来てくれるお客さまの中にも、日本のワイナリーを知っていて、好きで飲まれている方も増えてきました。
――これからは、「VINORA」でもっといろんな人に、日本ワインを知ってもらえるようになりますね。
澤田さん:そうなっていったら嬉しいですね。「日本ワインといえば、『Nature』と『VINORA』だよね」って思ってもらえるようなお店にしていきたいと思います。「Nature」ではお店で飲むお酒、「VINORA」では、そこから一歩踏み込んで、お家の食卓に置くお酒の選択肢のひとつとして、日本ワインを提案できたらいいですね。
――最後に読者の方にひとこと、お願いします!
澤田さん:ここにおいてあるワインで、日本を旅しているような気持ちになってもらえたら嬉しいですね。お目当てのワインを買いにこられる方はもちろん、ワインのラベルだけで選ぶ、「ジャケ買い」も大歓迎です。このお店が、新しい日本ワインに出会うきっかけになってもらいたいですね。

VINORA
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