新潟市秋葉区の新津商店街に、ハンドメイド作家のアクセサリーや布小物などを取り扱っている素敵なお店があります。その名は「雑貨SHOP Aimer(エメ)」。2011年の東日本大震災を機に、新潟へやって来た吉村さんが営む雑貨店です。今回は開業に込められた思いや、オススメのハンドメイド作家さんについてお話をうかがってきました。
雑貨SHOP Aimer
吉村 恵美 Megumi Yoshimura
1986年福島県生まれ。アパレルショップや携帯ショップに勤務した後、2011年に新潟へ移住。アクセサリー作家としての活動を経て、2020年「雑貨SHOP Aimer」をオープン。トマトやキュウリ、ナスなど夏野菜の栽培が趣味。
――今日はよろしくお願いします。まずはお店について教えてください。どんなアイテムを取り扱っている雑貨店なんでしょうか?
吉村さん:よろしくお願いします。「雑貨SHOP Aimer」は、新潟をメインに、北海道や関東地域など35名のハンドメイド作家さんが作るアクセサリーや布小物、ドライフラワー、キャンドル、アイアン家具などの雑貨を取り扱っています。
――35名も? すごいですね。吉村さんもハンドメイド作家さんなんですか?
吉村さん:はい。私はアクセサリー作家として活動していたから、その経験を生かして自分が作ったアイテムの販売もしています。
――なるほど。どんなキッカケで「雑貨SHOP Aimer」をはじめたんですか?
吉村さん:アクセサリー作家として活動しながら、8年間、「秋の音」という音楽と食を通してふるさとの大切さを伝えるイベントや、「あきはなびまつり」などのイベントで、クラフトアイテムの販売ブースの運営を担当していました。この経験がキッカケとなって、お店をはじめることになったんです。
――クラフトブースの運営というのは、ハンドメイド作家さんをまとめたり、集めたりするんですか?
吉村さん:そうですね。それでイベントを何回か開催しているうちに、来てくれる方から「いつでも買える場所が欲しい」と多くの声をいただきました。地域おこしとしてやっているイベントは、どれも単発で終了してしまいますよね。その後、地域の還元につながっていればいいけれど、なかなかそうはいかず。それで、地域の商店街にお店があって、イベントと連携していればいいんだと思って、「雑貨SHOP Aimer」をオープンしました。
――秋葉区のイベントに携わってきたから、この新津商店街にお店を開いたんですか?
吉村さん:それもあるけど、一番の理由は息子です。私たち吉村家は、元々福島で暮らしていましたが、2011年の東日本大震災を機に新潟へ移り住むことになりました。お店の場所は、息子が通う小学校から徒歩2分なんです。私が働いていても帰り道にすぐ寄れる環境から、この場所に決めました。いろいろと寂しい思いを経験してきたからこそ、なるべくそばにいてあげたいんです。
――福島で暮らしていたんですか。大変でしたね。被害の大きな地域だったんですか?
吉村さん:私たちが暮らしていた石川群石川町は、そこまで大きな被害はありませんでした。でも、ちょっと先に進むと立ち入り禁止エリアだったり、ポツポツとホットスポットが点在していたり、正直、子どもと一緒に生活していくには不安がありましたね。それで祖母と義理姉、息子の3人だけが、湯沢町のホテルや旅館を無償で提供していたプロジェクトに参加することになって、私たち夫婦より先に新潟へ来ることになったんです。
――ということは、息子さんと離れて暮らしていたってことですよね?
吉村さん:そうですね。3ヶ月間は離れて暮らしていました。自分も寂しいし、寂しい思いをしている息子を考えると辛いし。状況も長期化しそうに感じて、夫婦して仕事を辞めて新潟へ来ました。その後は縁があってアクセサリー作家としての仕事をスタートしたことで、子どもといられる時間を作れただけではなく、こうやってお店を開くなど活動の幅を広げることができました。
――その経験から、お店作りに生かされた点はありますか?
吉村さん:母親として感じてきた点から、子育て中のママをはじめとした女性が活動できる場を作りたいと考えました。ちょっとした隙間の時間で特技を発揮してもらえたら嬉しいし、本業としてスタートするまでのステップアップとして、お店にはチャレンジブースも設置しています。
――ハンドメイド作家さんについても、お話を聞かせてください。どんな方々がいらっしゃいますか?
吉村さん:そうですね…じゃあ、ママ友でもあるアルペジオさんをご紹介します。彼女はひとつひとつ丁寧に焼いた陶器を使ってブローチやピアスなどのアクセサリーを作っていて、とっても温かい世界観が魅力です。本人の優しさがアイテムに現れています。
――アクセサリーとしても可愛いけど、部屋に飾っていても素敵そうですね。他にはどんな作家さんがいますか?
吉村さん:次は沼垂テラス商店街にある「nemon(ネモン)」で、一緒にシェアショップもしている+Colorさん。彼女は新潟で初めて出会った同い年の子です。作家としては先輩で、作り方とか、ハンドメイドのイロハを教えてくれました。作品はレジンという素材と花を用いて、金属アレルギーを考慮したアクセサリーを中心に作っています。
――友達であって、仕事仲間でもあるんですね。それでは最後に、もうひとりだけ紹介してください。
吉村さん:わかりました。最後は、Thingsでも紹介されていたキャンプ女子ユニット「GOOD MELLOW CAMP(グッドメローキャンプ)」のメンバーでもあるJYUMIJYUさん。彼女は枕編みという編み方で糸を紡いでモチーフを作り、それをヘアゴムやピアス、キーホルダーなどにしています。お店の1番人気で、私自身も身に付けています。
雑貨SHOP Aimer
新潟県新潟市秋葉区新津本町3-12-5
0250-47-6160