田舎でのびのびと子育てをしたい。老後はのんびり暮らしたい。そんな思いで地方への移住を考える人も多いと思います。でも移住先の様子がわからずに不安を抱えていたり、移住先を決められず迷っていたりする人もいるのではないでしょうか。新潟市秋葉区には、そんな方々の移住をサポートする「AKIHA(アキハ)移住コンシェルジュ」がいます。今回はそのひとりである岩澤さんを、事務所のある「八帖二間(はちじょうふたま)」に訪ねてお話を聞いてきました。
株式会社UNIVERSE
岩澤 二郎 Jiro Iwasawa
1980年東京都生まれ。大学卒業後はカフェやイタリア料理店などの飲食業に携わる。2014年結婚を機に新潟へ移住し、不動産会社の営業として働く。2022年に独立して「株式会社UNIVERSE(ユニバース)」を開業。2023年からは「AKIHA移住コンシェルジュ」を務めている。コーヒー好きで自家焙煎することもある。特技は幼稚園の頃から続けているピアノ。
——岩澤さんはどちらのご出身なんですか?
岩澤さん:東京です。大学を卒業してからカフェ、ハンバーガーショップ、イタリア料理店、お好み焼き店といった飲食店で接客の仕事をしてきました。接客の仕事をしたおかげでお客様目線で物事を考えられるようになりましたし、現場スタッフの気持ちもわかるようになりました。
——新潟へはいつ移住されたんでしょうか?
岩澤さん: 2014年に妻の実家がある新潟市秋葉区へ移住してきました。僕も田舎暮らしに憧れていたんですよ。新津に着いて感動したのは、空が高くて開放的な風景です。地元の人は絶対やらないと思うけど、思わず田んぼをバックに記念写真を撮っちゃいました(笑)
——そんなに心を動かされる風景だったんですね(笑)。暮らしてからは、どのように感じました?
岩澤さん:個人的には、東京にいたときよりも便利に感じたんです。車で行って日用品やらDIYの材料やらが気軽に買って帰れちゃうじゃないですか。スーパーマーケットやホームセンターの大きさにも驚きましたね。
——へぇ〜、それはずっと暮らしている私達にはない視点ですね。新潟に来てからはどんな仕事に就いたんですか?
岩澤さん:就職エージェントに紹介してもらったなかから不動産会社を選んだんです。マンションの営業だったんですけど、夜遅くまで休みなく働くことになってしまい、憧れていたスローライフとは違った生活に疑問を感じるようになりました。そこで子どもが生まれたタイミングで退職したんです。でもそのときの経験を生かして今も不動産業に携わっています。
——それじゃあ、退職後は不動産業を?
岩澤さん:独立して飲食店をやってみたいという夢があったので、まず勉強のために日帰り温泉内にあるカフェで働いたんです。ところが経営する会社の社長から、日帰り温泉のマネージャーをやってみないかと勧められて。せっかく勧めていただいたので受けることにしました。その経験が今やっていることにつながってくるんですよね。
——詳しく教えてください。
岩澤さん:日帰り温泉の来客数を増やして売上を伸ばすことが与えられた目標なんですけど、それを達成するために地域と連携して盛り上げることが必要だったんです。勉強のためにいろんな日帰り温泉や観光スポットへも足を運びました。自分の求めていた田舎暮らしはこれだったんだと気づいて、それからは仕事がどんどん楽しくなっていったんです。
——独立して「株式会社UNIVERSE」を起業したのはいつ頃ですか?
岩澤さん:コロナ禍が落ち着きはじめて、支配人を務めていた日帰り温泉の経営も安定してきた2022年に独立しました。でも独立したいという思いが先行してしまい、何をやるのかまではっきり考えていなかったんです。
——そうだったんですね。まずは、どんな仕事からスタートしたんでしょうか?
岩澤さん:総務省地域力創造アドバイザーや全国道の駅女性駅長会の会長を務めている加藤はと子さんと知り合い、オンライン研修会やイベントのサポートをはじめ、店舗のオープンやリニューアルに関わるようになりました。今では公共施設の運営改善や企業研修にも携わっています。
——いろいろなことをされているんですね。そのなかで「AKIHA移住コンシェルジュ」に就任したいきさつを教えてください。
岩澤さん:2021年に秋葉区長と移住者による座談会がおこなわれて、僕もそれに参加したんですよ。そのなかで秋葉区の魅力を発信したり、移住のサポートをしたりするような「AKIHA移住コンシェルジュ」がいたらいいという意見が出たので、僕ともうひとりが立候補しました。
——「AKIHA移住コンシェルジュ」って、どんなサポートをしているんですか?
岩澤さん:移住先の家や仕事を探したり、街の紹介や見学のお手伝いをしたり、移住後は孤独を感じることなく生活できるサポートをする予定です。
——移住したいけど、心配なことも多い人には心強い存在ですね。
岩澤さん:僕も移住してきて慣れるまでにはいろいろ苦労したこともあったので、その経験を生かして、移住を考えている人の力になりたいと考えています。
——最近「地域創生は宝探し」という書籍を出版されたそうですね。
岩澤さん:そうなんです。もともと僕は本が大好きで暇さえあれば書店に足を運んでいて、いつか自分でも本を出版できたらいいなと夢見ていたので、実現して本当に嬉しいですね。
——どういった内容の本なんでしょうか?
岩澤さん:僕の今まで経験したことを通して、マネジメント業務の心得を紹介しています。店舗や施設を元気にすることが地方創生につながるので、ぜひ地方で頑張っている管理職の皆さまに読んでいただきたいですね。
——なるほど。この一冊が多くの人の役に立つといいですね。「AKIHA移住コンシェルジュ」へは、今後どのように取り組んでいこうと思っていますか?
岩澤さん:移住者でも地方に自分の居場所をつくることができて、自分らしい生き方ができることを実践していきたいと思っています。それに共感してくれる人たちと一緒に、地方から日本を盛り上げていけたら嬉しいですね。
——最後に岩澤さんがコンシェルジュを務める、新潟市秋葉区の魅力を教えてください。
岩澤さん:ほどよい田舎暮らしのできる街です。自然とのバランスが良くて、暮らすのにせわしさもないし不便でもない。あと、かつては「石油の街」として多くの人で賑わっていたこともあって、移住者を受け入れてくれる環境なんですよ。これからもまだまだ発展していく可能性がある街だと思っています。
AKIHA移住コンシェルジュ
新潟市秋葉区新津本町2-1-27 八帖二間内
090-8643-7354
13:00-17:00 open