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肌にも、人にも寄り添える場所に。「ao」で働く平野さんの思い。

食、ファッション、雑貨、工芸品など、様々なジャンルの銘品が集まる、新潟伊勢丹内の「NIIGATA 越品」。ここでレディースファッションや、ベビー服などを販売している「ao」には、着心地の良いガーゼを使ったアイテムがたくさん揃っています。販売スタッフとして働く平野さんも、「ao」の愛用者。今回は「NIIGATA 越品」内の販売フロアにお邪魔して、「ao」のこと、平野さんの思いなど、お話を聞いてきました。

 

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平野 貴子 Takako Hirano

1976年胎内市出身。高校卒業後、給食センターやラーメン店、アパレルショップで働く。その後、新潟伊勢丹内の「ao」で販売員として働きはじめる。趣味は旅行。

 

「着るもの」の大切さに気づいた、平野さんの経験。

——今日はよろしくお願いします。まず、平野さんのこれまでを教えてください。

平野さん:高校を卒業してから、給食センターで調理の仕事をしていました。その後は、市内のラーメン店で製麺の仕事を10年くらいしていましたね。毎日職人のように麺をつくっていると、コツや勝手がわかってきて、とても楽しかったんです。

 

——そんな平野さんが、アパレルで働こうと思ったきっかけは?

平野さん:私、シングルマザーなんです。ずっと子どもとふたりで暮らしていて、子どもがひとり暮らしをはじめたときに、すごく寂しくなっちゃって。製麺の仕事も、ほとんどひとり仕事でしたし。「とにかく人と関わりたい」と思ったのがきっかけでしたね。

 

——なるほど。人と関わる仕事の中でも、アパレルの販売員を選んだのはどんな理由が?

平野さん:35歳のときに、バセドウ病になったんです。治療のために飲んでいた薬が効きすぎて、橋本病も併発してしまいました。皮膚がすごく敏感になって、少しの刺激でも身体が痒くなってしまって……。

 

 

——あらら……。

平野さん:痒みを少しでも抑えるために、着るものに気を使うようになったんです。そのときに「ao」のアイテムに出会って。ポリエステルが入っているものとは全然違って、ふわふわで、身体への刺激が少なくて、感動しました。そのとき「着るものって大事なんだ」って実感したんです。

 

——その経験から、アパレル業界に足を踏み入れたんですね。

平野さん:最初に働いたお店では、販売をいちから教えてもらいました。その後、次の職場を探しているときに、ふと「青い空と海が見たい」と思って、1週間沖縄に行ってきたんです。でも滞在中は警報が出るレベルの大雨が降って(笑)。残念ながら青い空を見られないまま、最終日になって帰り支度をしながら、ぼーっと携帯を見ていたとき、たまたま「ao」の求人を見つけたんです。

 

——青い空は見ることができませんでしたが、「ao」の求人は見つけることができたんですね。

平野さん:これは本当に偶然でしたね(笑)。新潟に戻って応募して、今年の1月から新潟伊勢丹の「NIIGATA 越品」内の販売フロアで働きはじめました。今はフロア内のレイアウトやマネキンのコーディネートもしています。

 

「心地いい」をつくる、素材にこだわった「ao」のアイテム。

——そもそも、「ao」はどんなブランドなんでしょうか。

平野さん:糸魚川市にある「美装いがらし」が立ち上げたブランドです。「洗いざらしの良さを感じるガーゼ服」をテーマに、ふわふわで心地いいものづくりをしています。今年で設立から20年になるんですよ。

 

——「ao」の大きな特徴は、ガーゼで服をつくる、ということなんですね。

平野さん:子どもが生まれたときに着せる産着の多くは、天然素材のガーゼでつくられています。「一度は着たことのある、心地いいガーゼを使って洋服をつくれないか」と考えたのがきっかけで、ブランドが設立されました。ガーゼはとても繊細なので、扱いがとても難しいんですが、「美装いがらし」で培った技術をつかって、いろんな種類のガーゼで製品をつくっています。

 

 

——ひとくちにガーゼと言っても、種類ごとでさわり心地が全然違うんですね。

平野さん:着心地の良さは共通しているんですが、さらっとしたものや、シャカシャカしたものなど、それぞれに特徴があるんですよ。私のお気に入りは「なめらか天竺」という、「ao」の代表的な生地で、ふわふわしていて気持ちいいんです。この生地の服は空気みたいに軽いのもあって、ストレスが軽減されるっていう検証結果も出たんです。

 

——着心地だけではなく、色や形もおしゃれですよね。たくさんのアイテムの中で、平野さんのお気に入りは?

平野さん:どれもおすすめですが、私は特にブラウスが好きですね。着たときのシルエットがとてもきれいなんですよ。女性らしい美しさを引き出してくれるのがすごく素敵だなって。「ao」のブラウスの装飾も、お気に入りのポイントです。レースやボタンはすべて手作業でつけていて、丁寧で繊細なデザインになっています。

 

 

——芸術作品みたいです。平野さんは以前から「ao」のアイテムを着ていますよね。いちユーザーとしての声を聞かせてください。

平野さん:とにかく着心地がいいですし、病気の影響で身体の痒みが自分でも抑えられなかったときは、本当に助かりました。摩擦による肌の負担が少なくて、ストレスが抑えられるっていうのを実感していますね。

 

「ao」で働くことで、誰かの背中を押す存在に。

——今、「ao」で働く中で大事にしていることはありますか?

平野さん:「NIIGATA越品」自体がとても入りやすい場所ではあるのですが、そこにプラスして、さらに入りやすい雰囲気づくりは大事にしています。「ちょっと行ってみよう」と思っていただけるような、柔らかい接客を心がけています。

 

 

——平野さんの今後の目標があれば、教えてください。

平野さん:私も以前、薬の副作用による肌のトラブルに苦しんでいたことあったので、肌がデリケートだったり、年齢による乾燥や肌トラブルにお悩みだったりする方に、気軽に来ていただきたいですね。お肌に良いものを、その方のお悩みに合わせてご提案できたらと思っていますし、その方に似合うアイテムも提案していきたいんです。

 

——ふむふむ。

平野さん:年齢を重ねていくごとに、自分が着たい服と、似合う服って離れていくことが多いと思うんです。「ao」のアイテムには、ブラウスのように女性らしいシルエットをつくるものもあれば、体型をカバーできるようなものあって。その中からお客さまひとりひとりの雰囲気を引き立てるような、似合うってご自身が思ってもらえるような服を提案できたらいいなと思っています。

 

 

——似合う服って、意外と自分ではわからなかったりしますよね。

平野さん:そうなんです。着心地はもちろん、着てみたときのシルエットや色も試してほしいので、気軽に試着してもらいたいんです。ところで、今回取材を受けたのには、「ao」のアイテムの良さを知ってほしいっていうのもありますが、私の思いもお伝えしたかったんです。

 

——と、言いますと?

平野さん:シングルマザーとして子育てをしてきて、その中で苦しい経験をしたり、孤独な思いをしたんです。私のような経験をしている方は他にもたくさんいると思っていて。その方々の背中を押せる存在になりたくて、日々ここに立っています。「ao」の良さを広めていくことはもちろん、ひとり親の方々に、何かいい影響を与えていけたらと思います。

 

 

 

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新潟市中央区八千代1-6-1 1F「NIIGATA 越品」内

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