町の銘菓を探る。はっか糖で有名な塩沢の「アオキ菓子店」
食べる
2019.04.22
あの町に訪れたら食べてみて欲しい。地元に愛されている銘菓。
「笹だんご」のように「新潟県民なら誰でも知っている」というお菓子じゃないけれど、昔から馴染み深く、地元でずっと愛されてきた銘菓があります。今回はそんなお菓子をご紹介したいと思います。塩沢の牧師通に店舗を構える「お菓子のアオキ」の青木さんに、この町の銘菓「はっか糖」についての歴史や製法、こだわりなどをうかがいました。

アオキ菓子店
青木則昭 Noriaki Aoki
塩沢に自生する薄荷草(はっかそう)を精製していたと伝わる青木條右衛門の12代目。先代より受け継いだ「はっか糖」をはじめとした和菓子作りに留まらず、洋菓子など新たな商品開発にも注力。
薄荷とともに歩んできた「アオキ菓子店」の歴史。
薄荷の歴史は古く、平安時代の薬物書には「疲れ目に効いた」などと記載され、中国では漢方として使われていました。江戸時代、三国街道塩沢宿が整備された頃、「アオキ菓子店」の前身である「青木條右衛門」では塩沢で自生していた薄荷草を精製した「薄荷」の販売をはじめます。当時の薄荷は、咳止め、虫歯の痛み止めとして使われ、またかご酔いや湿布代わりとしても効果があることから街道で販売されていたのだそうです。歴史は進み、昭和26年。戦後の復興への期待も込め、青木さんの祖父が現在の「アオキ菓子店」を創業。そのとき「これからはきっと甘い食べ物が普及する世の中になる」と見込んで生み出した商品こそが、今も店の看板商品となっている「はっか糖」です。

スッと溶けてスースーする、はっかの魅力がつまった逸品。
甘さと清涼感を兼ね備えた「はっか糖」。口に入れるとスッと溶け、甘さを感じるとともに薄荷特有のスース―するような感覚が喉を通り抜けます。噛めばサクサクとした歯応えも特徴。また、地元の小学生がおやつ代わりに買って帰る駄菓子のような一面も持っています。最初はベーシックな「はっか糖 白」のみでしたが、昭和30年代後半に青木さんの父へと代が変わり、「はっか糖 抹茶」「はっか糖 和三盆」といった商品開発がスタートしました。現在は、その3種類が「はっか糖 味くらべ」として袋に詰められた商品がとても人気だそうです。

はっか糖の作り方について聞いてみた。

煮詰め
砂糖と水を強火にかけ煮詰める。詰め上がり間際に水飴を加え、さらに煮詰めて飴にする。

釜揚げ
適温になった飴を冷却盤にあけ、温度が上がり過ぎないように冷ます。均一に冷めるように二つ折り、三つ折りを繰り返す。

冷却
火傷に注意しながらさらに均一に冷ましていく。冷却盤の下には絶えず冷水が通っている。

結晶入れ
適温に冷めたら穴を開け、薄荷の結晶「薄荷脳(はっかのう)」を入れて閉じ、飴の熱で結晶が溶けるのを待つ。

絹引き(機械)
溶けた薄荷を均一に混ぜ込むため、引っ張り、折りたたむを繰り返す。空気も含ませることで艶のある白へと変わる。

絹引き(手作業)
機械作業の後、柱の杭(くい)に引っ掛け、さらに手作業で繰り返す。素手で作業することで気候に合った微妙な温度調整が可能。

成形(引き)
冷め過ぎないよう、電熱器で温めながら細く引き伸ばしていく。

形成(ころがし)
4尺(120㎝)を目安に、伸ばした飴の太さを整え、表面をキレイにする。※現在は機械作業

割り出し
定規を使い、指定の長さに割り、木箱(へぎ)へと入れていく。割る瞬間に仕上がり具合が分かるので手作業。
作り手だから知っている、はっか糖の楽しみ方。
飲食店でいう「まかない飯」ではないけれど、作り手だからこそ知っている「はっか糖」の食べ方。それを青木さんにうかがってみました。熱を加えた飴から作り上げる「はっか糖」。その飴を熱い状態で加工するから、とにかく作業場は温度が高いそうです。夏場ともなると、室温は50度近いことも。そんなときに、熱中症予防も含めて冷たいアイスコーヒーを飲むそうなのですが、そのアイスコーヒーに「はっか糖」を加えるのが青木さんのオススメ。砂糖を使っているのでガムシロップ代わりとなり、さらにスッとした清涼感も加わるので、「はっか糖inアイスコーヒー」は、暑いときのベストドリンクなんだとか。自宅でも簡単に試せるので、ぜひチャレンジしてみてください。

コレもおいしいよ。薄荷&洋菓子銘菓。

塩沢の夏の風物詩として親しまれている「薄荷葛きり」。葛きりに薄荷を練り込み、甘めのシロップで漬けられています。ツルっと口に入れるとほのかな甘みと、のどを超えた後にスーッとした薄荷の爽快感が突き抜けます。夏の暑い時期には、キンキンに冷やして楽しむのが塩沢スタイル。
薄荷葛きり ¥230(税込)

青木酒造「鶴齢」の大吟醸をふんだんに使用したケーキ。青木酒造先代社長と共に作り上げたこのケーキは、きめ細かい生地に、日本酒をしっかり染み込ませています。袋を開けた瞬間に広がる芳醇な香りと、まるでプディングのような生地。ジューシーなケーキと表現してもいいぐらい、鶴齢が染み込んでいます。
地酒けーき ¥180(税込)
アオキ菓子店
新潟県南魚沼市塩沢81
025-782-0047
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