以前にご紹介した生ラム専門店「吉祐栄門(よしえもん)」のご主人から、「ステーキを食べているような、絶品ハンバーガー食べられる」と教えてもらった「BURGER STAND TENDER(バーガースタンドテンダー)」。肉好きを唸らせるハンバーガーとは、どれだけ美味しいのか、期待が膨らむばかり。今回はオーナーの河合さんに、お肉へのこだわりなど、いろいろとお話を聞いてきました。
BURGER STAND TENDER
河合 哲也 Testuya Kawai
1988年柏崎市生まれ。調理師専門学校を卒業後、横浜の老舗ホテルや結婚式場などでコックとして働く。東京のグルメハンバーガーショップ「BROZERS‘(ブラザーズ)」で3年間修行をして、2018年に「BURGER STAND TENDER」をオープン。
——以前、生ラム専門店「吉祐栄門」のご主人から「BURGER STAND TENDERのハンバーガーがとにかく美味い」とお聞きして、実は取材前にコッソリ食べに来ていたんですよ。とっても美味しくて、幸せな気持ちになりました。
河合さん:そうでしたか。どうもありがとうございます。
——これだけ満足できるハンバーガーって、なかなかないと思うんですけど。
河合さん:「肉好きを満足させるハンバーガー」にしたかったから、こだわりは肉にあります。普通のハンバーガーはひき肉を使うけれど、うちはステーキ用のブロック肉を仕入れて、余計な脂や筋を丁寧に取り除いてから刻んでからパテにしているんです。ハンバーガーは肉料理だと思っているから、とにかく肉にはめちゃくちゃこだわっていますね。
——ステーキ用のお肉を使っているんですね。だから食べた瞬間、口の中にうま味がブワーって広がって……あれは、もう確かにステーキでした(笑)。あと、サラダもとても美味しかったなぁ。
河合さん:そう言ってもらえると嬉しいです。実はソース、ケチャップ、ポテト、ベーコンなど、お店で提供しているものは可能な限り手作りしているんですよ。
——ケチャップやベーコンまで自家製? 手が込んでいるんですね。
河合さん:職人気質でこだわりが強くて、妥協したくない性格なんです(笑)。自家製にこだわるのには理由があって、以前に東京のハンバーガーショップで自家製ケチャップを食べたときに、「え……こんなに美味しいの…… 」って、あまりの美味しさに感動したんですよ。
——河合さんも、その感動を自分のお客さんに与えたいと?
河合さん:そうですね。人を感動させるためには、時間と手間をかける必要があるって信じているし、ちゃんとイチから作ってこそ「自家製」だと思うんです。
——きっと、その労力が人気を生んでいるんでしょうね。ちなみに、今日みたいに閉店時間前に売り切れになることって、よくあるんですか?
河合さん:できるだけ売り切れにならないようにしているんですけど、オープンして丸3年経って徐々にお店を知ってもらえるようになってきたから、たまに売り切れてしまうんですよね。
——河合さんは、今までどんなところで経験を積んできたんですか?
河合さん:調理師専門学校を卒業してからは、横浜の老舗ホテルに就職してイタリア料理を学んで、その後は結婚式場の料理人を経験しました。でも、会社という組織がとにかく苦手で(笑)
——会社勤めはいろいろありますもんね(笑)。でも、どうしてハンバーガーショップをはじめたんですか? 河合さんの好物がハンバーガーだとか?
河合さん:「どんなお店をやろうか」と考えて、料理のジャンルを絞っていたんですよ。その中でワクワクする食べ物としてハンバーガーは候補に上がっていたし、グルメバーガーという食べ物に出会ってビビッと感じてからは、これしかないと思いましたね。ちなみに、自分自身はハンバーガーよりもラーメンとカレーが好きです(笑)
——グルメバーガーとの出会い?
河合さん:それまではファストフードのハンバーガーしか食べたことがなかったんです。たまたま雑誌の特集でグルメバーガーを知って、「あ、これだ!」って閃いたんです。でも、グルメバーガーなんて食べたこともないし、知識もないから、まずは「BROZERS‘」という東京の有名店で3年間修行させてもらいました。繁盛店だったから、ハンバーガーの基礎的な知識だけじゃなくて、オペレーションのノウハウなんかも学べて、充実した時間でしたね。といっても、レシピや味を引き継いだわけじゃないから、「BURGER STAND TENDER」の味は完全オリジナルなんですよ。
——中でも人気のメニューはどれですか?
河合さん:ハンバーガーって、積み重ねの順番で味や食感が変わるくらい、バランスが難しい料理なんです。だから何度も試作をして、期間限定メニューとしてまずは提供してみたりして、納得できるメニューだけを残しています。だから今のメニューは自信作ばかりで、特に「アボカドチーズバーガー」と「チリバーガー」の人気が高いです。
——オリジナルレシピの開発や自家製品の仕込みなど、毎日、忙しそうですね。
河合さん:ハンバーガーって、具材とかパーツが多いから、こだわればこだわるほど時間がかかってしまうので、仕込みは本当に大変です。でも、開業することも、グルメバーガーのお店にすることも、全部自分で決めて自分の好きなことをやっているから、何の不満もありません。奥さんには、いろいろと迷惑をかけているかもしれないけど……。
——何の不満もないと言い切れるなんて、かっこいいですね。
河合さん:といっても、毎日必死ですよ(笑)。ただ、会社のルールとか、面倒な人間関係が嫌いな僕にとっては、自分の好きなことができて、それにお客さんがついて来てくれることが、とても幸せなことなんです。
——これからお店を大きくしたり、店舗を増やしたり、何か考えていることはありますか?
河合さん:今は、この場所でお店を続けていくつもりだし、店舗を増やすことは考えてはいません。接客を担当してくれている奥さんとふたりで、自由にのほほんとお店をやっていけたらいいなって思っています。目標とするなら、夫婦で細く長くお店を続けることですね。
——夫婦でのんびりお店を続けるって、素敵です。またハンバーガーを食べに来ますね。
お肉に注目が集まりがちなハンバーガーショップ。でも、「BURGER STAND TENDER」は、お肉へのこだわりはもちろんのこと、それだけでなくケチャップやベーコン、ポテトなどにも徹底的にこだわるお店です。「ケチャップが手作り」と聞いてから改めて食べてみると……甘み、うま味、風味がいつも食べているケチャップとは大違い。ぜひ、自家製の味を隅々まで楽しんでください。もちろん、お肉のステーキ感も忘れずに!
BURGER STAND TENDER
新潟県新潟市中央区東中通1番町86-12
025-369-4787
営業時間 11:00〜16:00(ラストオーダー 15:30)
木曜日定休