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学校町通りの新スポット。カフェ併設の無人古着店「empty clothing store」。

ひと昔前は「無人販売」というと、農家さんの採れたて野菜が買えるスポットというイメージでしたが、最近はラーメンや餃子の販売所もよく目にするようになりました。そしてついに、古着屋さんまでも無人営業の時代に突入したようです。佐渡市と中央区学校町通にオープンしたのは、24時間365日営業の無人古着屋「empty clothing store(エンプティークロージングストア)」。店主の目黒さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

empty clothing store/お抹茶STAND chill pill

目黒 由希 Yuki Meguro

1988年新潟市生まれ。服飾の専門学校を卒業後、アパレル業と飲食業を経験。2023年5月に佐渡市に「empty clothing store from SADO」、6月に学校町通に「empty clothing store」と「お抹茶STAND chill pill」をオープン。シュノーケリングが趣味。

 

あの頃、帰り道に欲しかった。高校時代の理想を叶えたお店。

——はじめに、こちらがどんなお店なのか教えてください。

目黒さん:無人営業の古着屋「empty clothing store」に、カフェ「お抹茶STAND chill pill」が併設しているお店です。どちらかというと古着がメインですかね。佐渡市の旧佐和田町にも「empty clothing store from SADO」を展開しています。店内には私が手がけているブランド「MAUVE」のアクセサリーも置いていますよ。

 

——佐渡市にもお店があるんですね。

目黒さん:海に潜るのが趣味なもので、島にも仕事が欲しくって(笑)。店舗のある旧佐和田町は、私と同世代の子育て世代も多いそうですし、両津港から車で20分ほどという立地にも惹かれました。

 

——無人営業というスタイルを選ばれたのはどうして?

目黒さん:ちょっと前まで、餃子の無人販売をしている会社に勤めていたんです。そこで働きながら、副業として自分でも無人営業のお店を持とうと考えていました。それで学校町通に物件を見つけて「立地的にも古着屋がいいかも」と思ったんです。食品を販売してしまっては勤務している会社のライバルになってしまうので、当初はカフェを併設するつもりはなかったんですけど、その会社が倒産してしまって。それで、設備も整っているしテイクアウト専門のカフェを併設することにしました。

 

 

——学校町通で古着……ですか?

目黒さん:ここは私の地元だし、新潟商業高校に通っていたので、「学校帰りにこんなお店があったらよかったな」って理想を詰め込みました。「映える」ドリンクをテイクアウトして古着屋巡りなんて最高じゃないですか。

 

——田舎で高校時代を過ごした私には眩しいほど羨ましいお店です。お洋服の値段は、けっこうリーズナブルですよね。

目黒さん:学生の頃、古町の古着屋さんをあちこち巡りましたけど、高くて買えないお洋服も多くって。そんな経験をしたので学生さんでも手にとってもらいやすいように、Tシャツは2,500円、他のシャツは3,000円、パンツは2,500という価格設定です。秋冬の商品に入れ替わっても4,000円までの値付けにしたいと思っています。

 

——無人営業ということではありますが、目黒さん、カフェの営業中はお店にいらっしゃるんですよね。

目黒さん:「カフェの営業時間以外は」無人営業というのが正しいですね(笑)。でも古着屋の方は、無人というスタイルなのであまり接客はしませんよ。私は接客を受けるのが苦手なもので。もちろんコーディネートのご相談などには乗りますので、遠慮なくお声がけください。

 

リーズナブルなお気に入りと出会う「宝探し」。

——価格を抑えた品揃えには、きっと目黒さんの努力があるんでしょうね。

目黒さん:古着は何かしらのメンテナンスが必要な場合が多いので、すぐに使ってもらえるように修繕に手をかけています。あまりブランド品を扱っていないのも低価格に抑えられているポイントですかね。ノーブランドでもかわいいお洋服っていっぱいありますから。ブランドのお洋服じゃなくても、着心地が良くて、テンションが上がる一着がいちばんです。

 

——古着屋さんで気に入ったお洋服と出会えたときの喜びって格別ですよね。

目黒さん:ちょっとでも安くていいものを見つける「宝探し」みたいですよね。私、昔からお洋服が好きで古着も買い漁っていましたし、今でもよく行く古町のお店で「宝探し」しています(笑)

 

 

——好きなファッションの傾向は昔と変わりませんか?

目黒さん:好みはあまり変わらず、古着もずっと好きです。私の場合は10代の頃の好みが軸になっていますね。でも大人になると、物欲がないわけじゃないんだけど、付き合いが広がる分、そこまでお洋服に情熱をかけられないんですよね。子どもにもお金がかかるし、仕事で必要な出費もありますし。

 

——それにある程度、手元に揃っていますしね。

目黒さん:ここは学生さんを対象にしたお店ですけど、大人の方にも喜ばれることも多くって。それを知ると、どの世代だって「リーズナブルなお気に入りがいいよね」って思うんです。ちょっとくらい汚れても「この値段だし気倒しちゃえ」って思えますもんね。これが2万円だったらそうはいきませんけど、ためらいのない価格で着ていてテンションが上がる。楽しくなれる古着と出会っていただきたいと思っています。

 

「かわいい」に振り切ったドリンクは、その場で抹茶を点てる本格派。

——併設の「お抹茶STAND chill pill」さんについても教えてください。

目黒さん:テイクアウトドリンクのお店です。カフェレストランで働いていたこともありましたし、カフェ巡りが好きだったので、いつかカフェイベントをやろうと勉強していたんです。それが今につながったんですよね。この店舗に設備が整っていたのも「お抹茶STAND chill pill」をオープンする大きなきっかけでした。

 

——お茶の道具がいろいろ揃っていますね。

目黒さん:叔母が趣味でお茶を習っていて、師範の資格を持っているんです。眠っている道具がたくさんあるというので、譲り受けました。宇治抹茶ラテ、宇治抹茶フローズンはご注文を受けてから、一杯ずつお抹茶を立ててご提供しています。

 

 

——定番メニューの他には季節限定ドリンクもあるんですね。どれも「映え」そうです。

目黒さん:メニューは「かわいい」に振り切りました(笑)。夏は「定番コーラフロート」「青春クリームソーダ」「昭和のメロンクリームソーダ」を限定メニューでご用意しています。お持ち帰りができるので、ドリンクを片手に古着を見てもらってもOKですよ。

 

 

 

empty clothing store/お抹茶STAND chill pill

新潟市中央区学校町通2-5306-2

<営業時間>

無人古着屋 empty clothing store:24時間営業、無休

お抹茶STAND chill pill:13:00~18:00、不定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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