お菓子屋さんがはじめたアウトドアショップ「In Mt.Life」。
カルチャー
2021.10.11
長岡に新しくアウトドアショップがオープンしたとの噂を聞きつけ、さっそくインタビューに出発したものの……、GoogleMapが教えてくれた場所には、「PATISSERIE CAFE VIGO(パティスリーカフェヴィゴ)」というお菓子屋さんがありました。「あれ? ここって……」不安を抱えながらドアを開けてみたら、ありました、アウトドアショップ「In Mt.Life(インマウントライフ)」。どうしてお菓子屋さんがアウトドアショップをはじめたのか、どんなアウトドア用品があるのか、オーナーの河上さんにお話をうかがって来ました。

In Mt.Life/ PATISSERIE CAFE VIGO
河上 剣斗 Kento Kawakami
1981年長岡市生まれ。東京製菓学校卒業後、FUJI ROCK FESTIVALをはじめとした大規模フェスを企画運営する「TEAM」に入社。その後、家業の「檸檬菓子店」の手伝いなどを経て、現在は「PATISSERIE CAFE VIGO」「In Mt.Life」の2業態の店舗を運営。趣味はキャンプと登山。
ニッチなアイテムと初心者をつなぐ、ハブになりたくて。
――GoogleMapを頼りに進んできたら、お菓子屋さんに到着しました。間違ったかと思って焦りましたよ(笑)。どうして、お菓子屋さんの中にアウトドアショップを開いたんですか?
河上さん:一番の理由は、コロナ禍のいろんな影響ですね。「PATISSERIE CAFE VIGO」でケーキや焼き菓子を販売しながら、ブライダルもやっていたんですけど、その仕事がほとんどなくなってしまって……。ブライダルをやっていた分の心の余裕ができて、熱意もあり余っていたから、趣味のキャンプを生かして、お店の一角でアウトドアショップをやろうと考えたんです。
――なるほど。そんな経緯があったんですね。
河上さん:それに、県外に行きにくくなくなったり、混んでいる場所を避けるようになったり、暮らし方がいろいろと変わってきたじゃないですか。その影響もあって、キャンプブームが到来したんですよ。でも、アウトドア初心者はネットで話題になっているレアなアイテムとか、ニッチなメーカーが作っているギアをなかなか手に入れられないから、もっと身近に、そんなアウトドア用品を手に取ってもらえる場所があればと思ったんですよね。「In Mt.Life」がハブになるというか。

――アウトドア用品でレアなアイテム? もしかして、スニーカーみたいに抽選販売とかもあるんですか?
河上さん:今やアウトドア用品だって、抽選販売が行われる時代なんですよ。アウトドアマニアに人気のメーカーが数量限定でリリースしている商品もあるし、最近だとファッションブランドとコラボしたアイテムなんかもありますからね。
――いやー、驚きですね。昔の男臭いイメージから、今はお洒落に楽しむアウトドアになってきているんですかね。
河上さん:ですね。イスやテーブルなんて、普通にリビングに置けちゃうレベルのものも多くて、自宅の家具として使っている人もいるぐらいですから。

ガチキャンパーにしか理解できない、道具へのこだわり。
――「In Mt.Life」で扱っているアウトドア用品って、例えばどんなものがありますか?
河上さん:荷物を入れるコンテナの取手とか、ガス缶カバーとか、アウトドア用品をカスタマイズするためのアイテムがありますね。
――え? え?? アウトドア用品をカスタマイズ?
河上さん:きっと、ガチキャンパーにしか理解できないこだわりです(笑)。知らない人からしたら、意味不明ですよね(笑)
――はい(笑)。どんなものなのか見てみたいです。
河上さん:これです。

――これは……?
河上さん:これは、ガス缶ちょっとだけカスタマイズしたランタンなんですよ。ガス缶をカバーで覆って、火元をふたつにすることで、お洒落なライトみたいになるでしょ。これなら自宅でも使えるし、キャンプ場だったら注目されること間違いないです(笑)
――自宅にあったら……いや、置きたいですね。お洒落です。他には、どんなアイテムがありますか?
河上さん:アウトドアの醍醐味と言えば?
――キャンプファイヤー? いや、BBQだ。食事ですね。
河上さん:正解です。「In Mt.Life」では、「LOVEPAKU(ラブパク)」というどんな料理にでも対応できるエスニックソースや、純国産のこだわりの塩、酢、シードルで漬け込んだ「TUBU Mustard(ツブマスタード)」といった調理スパイスもご用意しています。どれも本当に美味しいから、キャンプだけじゃなくて、自宅でも楽しんでもらいたいアイテムなんですよ。


非日常であって、自分をリセットする大切な時間。
――ちなみに、河上さんっていつ頃からキャンプをしているんですか?
河上さん:古い記憶だと、小学生の頃かな。父親がキャンプをしていて、それによく連れて行ってもらっていました。本格的に自分から楽しみだしたのは、FUJI ROCK FESTIVALとか大きなフェスを企画運営している「TEAM」って会社で働いていた頃からですね。キャンプ好きの大人たちが焚火を囲んで、馬鹿話している姿を見て、「こんな遊びができる大人になりたいな」って思ったんですよね。
――ふむふむ。
河上さん:僕の中で楽しい大人たちの象徴が、焚火を囲むシーンになったんですよ。それで自分自身もアウトドアを好きになったし、今でも頻繁にキャンプや登山をしているんでしょうね。

――結構、頻繁に行くんですか?
河上さん:行きますねー。仕事が終わってから山で焚火をして、寝て、朝になったら帰ることもざらにあります。しかも単独で。きっと、こんなに焚火をしているお菓子屋はいないでしょうね(笑)
――そんな気がします(笑)。それでは、最後に質問です。河上さんにとって、「キャンプ」とは?
河上さん:キャンプって、自然の中でやるから、非日常を感じられる環境じゃないですか。だから流れている時間が違っていて、普段よりゆっくり感じられます。立ち止まって考えをまとめられたり、自分をリセットできたり、自分と向き合う時間が「キャンプ」ですね。

In Mt.Life
長岡市上除町西1-17 PATISSERIE CAFE VIGO内
0258-46-4873
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