2013年よりスタートした、世界的ミスコンテストのひとつ「Miss Grand International(ミスグランドインターナショナル)」。今や世界三大コンテストに並ぶ、話題のミスコンテストです。日本でも開催され、多くの女性たちが大会のコンセプトに賛同し、参加しています。その新潟代表である井澤真澄さんに、参加したキッカケや得たものなど、古町を散歩しながらお話を聞いてきました。
井澤真澄 Masumi Izawa
1992年新潟生まれ。新潟商業高等学校を卒業後、会津に本社を置く「ゼネラルホスピタリティー株式会社」に入社。新潟市内の「TULLY’S COFFEE」にて勤務。現在は親会社「株式会社会津ゼネラルホールディングス」へ移動し、経営管理部のマネージャーとして勤務する傍らで、モデルやDJとしても活躍。
――今日は、井澤さんのホームタウンである古町をぷらぷらしながらのインタビューです。よろしくお願いします。
井澤さん:こちらこそ、よろしくお願いします。
――お母さんが古町で中華料理店をされているんですよね?
井澤さん:上古町にある「楼蘭(ロウラン)」というお店を営んでいます。ちなみに、今年で50周年を迎えました。今までの仕事や活動、「Miss Grand Japan」への参加は、実はこのお店のために考えたライフプランで。高校生のときに弟と、将来は「楼蘭」を継ごうと約束をしたのがスタート地点です。
――高校生でそんなことを決心されるなんて偉いですね。僕なんて、遊ぶことしか頭にありませんでしたよ(笑)
井澤さん:なので、高校を卒業してからすぐに働きはじめて。新潟駅南にある「TULLY’S COFFEE新潟駅南LEXN店」で、まずは20歳で店長になることを目標としました。そして「楼蘭」を継ぐために経営を学びたかったので、頑張ってエリアマネージャーとなり、現在は飲食事業全般のマネージャーを務めています。
――新潟代表になられたミスコンテスト「Miss Grand Japan」には、働きながらの出場だったんですか?
井澤さん:そうですね。ただ、会社も全面バックアップしてくれて、かなり有休を使わせてもらいました(笑)。本大会前に、ビューティーレッスンというものがあるので。
――スポーツの大会と違って、ぶっつけ本番ではないんですね。「Miss Grand Japan」についてお聞きする前に、初歩的な質問をさせてください。ミスコンテストって、キレイな女性を選ぶ大会なんですよね?
井澤さん:違いますよ(笑)。ミスコンテストというのは、見た目の要素も少なからずありますが、本質的には女性らしさや人間性、つまりはステキな女性を選出することが目的です。それに、コンテスト毎にコンセプトがあって、それに沿った考えを持っているかなど、人としての中身が重要となります。
――そうなんですね。失礼しました(笑)。「Miss Grand Japan」は、どのようなコンセプトのミスコンテストですか?
井澤さん:「STOP THE WAR」をスローガンに、平和を願い、紛争をなくすためにピースフルな活動をするリーダーを作ることをコンセプトにしています。2013年に開始されて歴史は浅いですが、2018年度大会には世界78ヶ国が参加して、ミスコンテスト界で有名になりました。
――平和を願う女性リーダーを作るってことですね。井澤さんは、どうして参加されたんですか?
井澤さん:知人や友人から出てみたらといわれていたのもそうですが、「Miss Grand Japan」の代表を務めている方の考えがキッカケです。日本は平和で、食べ物にも困らずに生きていけるじゃないですか。でも、南米などの国では生きるか死ぬかの生活が毎日で。「昨日、友達が死んでしまった」なんて会話が普通にあるんですって。そんな現実をしっかり受け止め、平和ボケしていることに気付こうよって。
――「Miss Grand Japan」の仕組みについても教えてください。世界大会である「Miss Grand International」には、どうしたら出場できるんですか?
井澤さん:まずは、私が参加した地方大会がスタート地点です。書類選考だけでも1,000名以上の応募があって、その選考を通った人が地方大会の代表として選出されます。その代表者たちが集まって「Miss Grand Japan」が開催されて、そして日本代表が決まり世界へと進むんです。
――審査内容は、どのような?
井澤さん:水着とドレスでのウォーキング審査、スピーチに加えて、本番前の期間に行われるビューティーレッスンから学んだことについてなど、質疑応答があります。
――いろいろな審査があるんですね。ビューティーレッスンはどのくらいの期間、行われるんですか?
井澤さん:「Miss Grand Japan」前のビューティーレッスンは、3ヶ月半でした。世界で活躍する先生たちがウォーキングを教えてくれたんです。歩くだけでなく、人間性を見せながら歩く表現方法として教えてくれて、とても勉強になりました。
――歩くだけで人間性を伝えるって…できそうにありません(笑)。ミスコンテスト全体を通して、参加してよかったと思えたことを教えてください。
井澤さん:偏見は知らないから持つものだってことですね。キレイな人たちは、努力をしているからキレイであって。そして人としての中身も磨いています。レッスンでは自己分析を行い、メンタルトレーニングで内面をしっかり鍛えました。人として成長でき、根性もついたのでとてもいい経験でした。
――来年度の大会には参加される予定ですか?
井澤さん:もう満足です(笑)。むしろ、これからはチャレンジしたい子を全力でサポートしたいと思っています。私が経験し、学んだことを伝えられるだけ。
――参加されないんですね、残念です。そうなると今後は、会社員として?
井澤さん:そうですね。ただ、新潟は有名な観光地がないけれど、最高に楽しく過ごせる街だと思っています。そのことを発信していきたいと思います。DJとしての活動もしているので、日常生活にさらなる楽しみをプラスしたり、企業とコラボして、遊び方の提案や、次世代に向けた遊び場の提供もしていきたいです。もちろん、「楼蘭」を継ぐことも。
――最後に「楼蘭を継ぐこと」って、聞けて安心しました。
井澤さん:もちろんですよ。継ぐために今まで走り続けてきたんですから。先に弟が厨房にはいっているので、そろそろ私の順番かなって思っています。現在は夜営業をしていないので、どの位の見込みがあるかなど、しっかり考えながら「楼蘭」を60周年、70周年、その先へと引っ張っていきたいです。
まっすぐな目線で、強い想いを語ってくれた井澤さん。くだらない質問に対しても、にこやかに答えてくれました。しかし、写真撮影となると、さすがは新潟代表。一瞬にしてスイッチが入り、モデルの姿に。自然なポージングに、目線。中華料理店とのコントラストも、しっかりと世界観を自分のものに。これがミスグランドです。ちなみに「楼蘭」のおすすめを聞くと、餃子がおいしいと教えてくれました。もちっとした生地に、たっぷりの具材が最高だそうです。そうなるとビールが必須ですね(笑)
井澤真澄