弥彦の魅力を伝える「弥彦山ロープウェイ」のガイドさん。

秋は弥彦神社の菊まつりともみじ谷の紅葉が重なり、弥彦の観光がピークを迎えます。弥彦山の麓から山頂まで観光客を運ぶ「弥彦山ロープウェイ」も大忙しです。このロープウェイはガイドさんが同乗し弥彦山の眺めをわかりやすく案内してくれるんです。今回は忙しい乗務の合間を縫って、「萌え声」が特徴的なガイドの鈴木さんからお話を聞いてきました。

弥彦山ロープウェイ

鈴木沙弥　Saya Suzuki

燕市生まれ。ペット専門学校を卒業後、事務や販売、飲食店の仕事を経て、2020年より「弥彦山ロープウェイ」のガイドになる。3年前から趣味でロードバイクを楽しんでいる。

全国的にも珍しい、ロープウェイのガイドさん。

——鈴木さんって、アニメキャラみたいな特徴的な声をされていますよね。

鈴木さん：お客様からも「面白い声をしているね」って言われることがあります（笑）

——親しみやすくて素敵だと思います。どうして「弥彦山ロープウェイ」のガイドになろうと思ったんですか？

鈴木さん：以前ロープウェイを利用したときに、気さくなガイドさんに親しみを持ったんです。私もおしゃべりが好きで今まで接客業を続けてきたので、そんなガイドさんになってみたいと憧れて面接を受けました。でもガイドになって1週間しか経たないうちに、新型コロナの影響でロープウェイが3ヶ月間休業してしまったんです。

——それは大変でしたね。ガイドとしての研修はちゃんと受けられたんでしょうか？

鈴木さん：はい。2ヶ月間の研修を受けて、案内する内容を学んだり、お話しするタイミングや聞き取りやすいスピードを教わりました。

——2ヶ月間も研修を受けるんですね。鈴木さん自身はどんなことに気をつけてガイドをされていますか？

鈴木さん：できるだけお客様に寄り添ってわかりやすく説明するようにしています。あと山や花の名前をご質問いただくことがあるので、すぐに答えられるよう勉強していますね。ロープウェイにガイドが乗るのは全国的にも珍しいんですよ。

——ガイドさんの案内があるだけで、ロープウェイの景色がより楽しめる気がします。でも悪天候だと大変ですよね。

鈴木さん：強風のときはどうしても揺れますから最初のうちは怖かったですけど、今ではすっかり慣れちゃいましたね（笑）。風速10mを越えるとスピードを落とすんですけど、強風よりも雷の方が危ないんです。だからスタッフが四六時中雷を監視していて、近くで雷が発生すると運転をストップしています。

——やっぱり安全には細心の注意を払っているんですね。見ていると、引っきりなしにロープウェイが発着しているんですね。

鈴木さん：2台のロープウェイが常時運転しているので、普段から時間に追われていますけど、週末や11月の繁忙期は休憩する時間もほとんど取れないくらい忙しいんです。だから腕時計は必需品で、忘れてきたりすると一日中不安で憂鬱なまま過ごすことになります（笑）。でもそのおかげでプライベートでも時間を気にするようになって、常に時間を見ながら規則正しい生活を送れるようになりました。

——でもそれ、完全に職業病じゃないですか（笑）

ガイドさんおすすめの弥彦観光スポット。

——鈴木さんおすすめの弥彦山ビュースポットってありますか？

鈴木さん：なんといってもロープウェイ山頂駅ホームから見下ろす麓の景色ですね。山頂からの眺めはどこから見ても綺麗ですけど、山頂駅ホームはロープウェイをご利用いただいた方だけの特等席ですから、ぜひロープウェイをご利用ください。

——しっかり宣伝しちゃってますね（笑）。おすすめシーズンはあるんでしょうか？

鈴木さん：どのシーズンも四季折々にお楽しみいただけるんですけど、田んぼに水が張られると水蒸気で霞んでしまうので、クリアに見えるのは秋から冬にかけてですね。特に冬は空気が澄んできれいですし、ビッグスワンスタジアムまで見渡せます。あと昼間の景色も綺麗ですけど、夏の夜景もおすすめなんです。

——弥彦周辺の観光スポットでは、どこがおすすめですか？

鈴木さん：ど定番になってしまいますけど、彌彦神社は外せないと思います。「パワースポット」と言われるだけあって参道に足を踏み入れただけで空気が違いますよね。知っている方も多いかもしれませんが鹿や鶏もいますし、宝物殿には珍しいものが納められていますので、機会があったらそちらもご覧いただきたいです。

——彌彦神社といえば、先月まで「菊まつり」で賑わっていましたよね。

鈴木さん：それと合わせて「もみじ谷」も夜間ライトアップされていました。赤や黄色の紅葉した木々が照明に浮かびあがって、幻想的な美しさを醸し出すんです。

——「彌彦神社」と「もみじ谷」は秋の弥彦観光では外せないスポットですね。

鈴木さん：私は個人的にJR弥彦駅も好きなんです。神社を模した駅舎になっているので、電車を降りた瞬間に「弥彦に来た〜」って気分が盛り上がります。機会があったらぜひ電車で弥彦を訪れてみていただきたいです。

——確かに写真映えもするし、撮影スポットでもありますよね。ついでにおすすめの弥彦グルメがあったら教えてください。

鈴木さん：たくさんあるんですけど、弥彦は釜飯が有名なので「割烹お食事吉田屋」さんや「越後の味やまぼうし」さん、「釜めし弥彦」さんはおすすめです。もっと気軽にお食事を楽しみたい方には「おもてなし広場」のお店もおすすめですね。あと個人的にイチオシなのが「よろずや狩谷」さんの「イカメンチ」です。これはぜひ食べてください（笑）

——さすがガイドさんだけあって、並々ならぬ地元愛ですね（笑）

鈴木さん：ありがとうございます。これからも弥彦の魅力を伝えていきたいと思っています。あっ、次の便の乗務があるのでこれで失礼します！