2022年12月、東大通りにオープンした古着屋さん「mix juice store」。ジャンルにとらわれない服のラインナップで、普段古着を着ない人でも通りがかりに思わず入りたくなるようなお店作りを目指しています。今日は店長のイジマさんにオープンまでの経緯やお店のコンセプトなど、いろいろなお話を聞いてきました。
mix juice store
イジマ ミキ Miki Ijima
1998年新潟市東区生まれ。「mix juice store」の店長。
――「mix juice store」の店長になる前は、イジマさんはどんなことをされていたんですか?
イジマさん:高校を卒業してから、東京に行きたいと思ってふらっと上京しました。ほぼ家出に近いような状態でしたけど(笑)。ノープランで行ったんですけど、千葉の服屋さんで働けることになって、それが20歳くらいのときで、そこでは副店長まで経験させてもらいました。だけど新型コロナが流行ってしまって……、職場は成田空港からとても近い場所にあったので大打撃を受けました。コロナで新潟に帰れなくなるのも嫌だしと思って、それで地元に戻ることに決めました。
――戻ってきてからは?
イジマさん:戻ってきてからは定職に就かずふらふらしていました(笑)。だけどあるとき、このお店のオーナーさんと知り合って「君、面白いからうちで働きなよ」って誘ってもらって入社することになったんです。会社には2022年の4月に入社して、ここの店長になる前は別の古着屋さんで働いていました。それから「新しい店舗をオープンするからやりなよ」って言ってもらって、店長をすることになりました。
――トントン拍子の大抜擢ですね。
イジマさん:自分をスーパーラッキーガールだと思っています(笑)。オーナーさんからは「イジマらしさを出そうよ」って言ってもらえていたので「ぜひやりたいです」って受けさせてもらいました。私自身、人とはちょっとズレた格好というか、奇抜な方ではあると思うので、それを全面に出していきたいなと思っています。
――お店を任されることになって、最初はどんなことから決めていったんでしょうか。
イジマさん:初めてのことだったので、何をどうしたらいいのか分かりませんでした。いろんな人からアイデアをいただく中で、「ヴィレッジヴァンガード」さんみたいな雰囲気にしたいなと思って。店名も古着屋さんぽくない名前がよかったので「mix juice store」にしました。ジュース屋さんでもないのに(笑)
――同じ服屋さんでも前職との違いって感じますか?
イジマさん:前職と比べて、お客さんとの距離がすごく近いのを感じます。お客さんに対して結構ラフな感じで話しかけるのが、最初はちょっと戸惑ったんですけど、やっていくにつれて私これ得意だなって気づきました(笑)。スタンスとしては「みんなと友達になろう」みたいなノリでやっています。
――お店で扱う洋服についてはどうですか?
イジマさん:扱う洋服の違いについての戸惑いはまったくなかったですね。私はどんな服でも着てみたいって思うんです。いろんなジャンルの服を着て常に面白い格好であり続けたいと思っているので、抵抗はなく「こんな服もあるんだ。どうやって着ようかな」みたいな感じで楽しんでいますね。
――ジャンルを超えて楽しんでいるんですね。
イジマさん:名前にも入っている「mix」は、いろんなジャンルがごちゃ混ぜになっている世界にしたいっていう思いも込めています。なのでキレイめなものもあれば、ストリートスタイルやミリタリーなんかも揃えています。こういう古着屋さんてあんまりないと思ったので、「だったらもうこういうジャンルを作っちゃおう」って。
――他にお店作りで意識しているところは?
イジマさん:気をつけているのは見やすさですかね。普段は古着を着ないような人たちにもお店を見てもらえるように、ぐちゃぐちゃしすぎないように意識しています。誰でも入りやすく、見やすく、挑戦しやすいっていうのが理想です。なので一般的にイメージするような古着屋さんとはちょっと違う見せ方になっていると思います。
――どんなお客さんが多いですか?
イジマさん:年齢層は10代から30代手前くらいですね。あとはまれに50代~60代の方も「懐かしい」って言って入ってきてくれます。年配の方が若い頃に着ていた服なんかもあるので「こういうの流行っていたよねぇ」みたいな感じで見てくれます。ただ年代はあんまり意識していなくて、服のかたちとかデザイン重視で選んでいます。
――じゃあこのお店のコンセプトはもう「イジマさん」ですね。
イジマさん:自分が思う「かわいい」のセンスに頼っているところもありますけど、スタッフ間でその感覚の共有はできていると思います。新潟ではジャンルとジャンルを混ぜるっていうファッションは少ないし、なかなか見ないので、うちの店からスタイルを発信して「こういうのありだな」って思ってもらえたらいいですね。
――商品はどんなサイクルで入れ替わりますか?
イジマさん:月に何度か新入荷をしていて、毎日来てもらっても飽きないようには意識しています。価格帯は4,000円~5,000円が多くて、ヴィンテージものだと1万円いくかいかないかくらいのものが少しある感じですね。
――新入荷とかの情報はSNSでチェックできますか?
イジマさん:インスタで随時公開しています。インスタにはアイテムのことだけじゃなくて、スタッフのことも載せているんです。「こういうスタッフいるよ」「このスタッフこんな感じでスタイリング組むよ」みたいに、この人に会いたいからお店に行ってみようって思ってもらえるようなインスタになっていると思います。「○○が出勤しました」みたいな情報もストーリーで発信しているので、今日はこのスタッフがいるから行ってみよう、っていうのも嬉しいですね。SNSを見てもらえれば先行情報なども投稿しているので、ぜひフォローしてもらえると嬉しいですね。
――じゃあお店に行ったらスタッフさんにたくさん話しかけちゃっても大丈夫なんですね。
イジマさん:洋服を買う目的で来たわけじゃなくて、店内の雰囲気が可愛くて入ってみたっていう人もいるんです。そういう人たちと話しているとすごく話が面白くて雑談がはずんじゃうみたいなことがあるんですけど、そこで仲良くなれてひとつのコミュニケーションが生まれるのはすごく面白いですね。おしゃべりしに行く気分で、気軽にお店に入ってもらえたらいいなって思います。
mix juice store
営業時間 : 土日10:00~20:30、平日12:00~20:30