味わい深いインテリア雑貨を紹介する
医学町ビルの「old trunk」
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2025.11.12
古い道具には時間を経たからこその魅力が宿るものです。そんな道具のなかでも、現代の住まいに合うものを集めたお店が、東中通の医学町ビルにオープンした「old trunk(オールドトランク)」。味わい深いインテリア雑貨に囲まれたお店にオーナーの波潟さんを訪ね、どんな思いでオープンしたのか、お話を聞いてきました。
波潟 靖
Yasushi Namikata(アトリエ社)
1977年長岡市生まれ。東京の専門学校で建築を学んだ後新潟に戻り、アパレルショップのスタッフを経て、2001年より住宅メーカーで現場管理の仕事に就く。2021年に退職してからは「アトリエ社(しゃ)」を開業して委託で建築関係の仕事を受けつつ、2024年「壱点不動産(いってんふどうさん)」を立ち上げ、2025年「old trunk」をオープンする。若い頃はサーフィンに明け暮れていた。
人が暮らす空間をつくる。
その興味から建築業へ。
――早速ですが、波潟さんがインテリアに興味を持ったいきさつを教えてください。
波潟さん:もともと部屋の模様替えが好きだったんです。本格的に興味を持つようになったのは、中学生の頃に読んだコミックに影響を受けたのがきっかけでしたね。家具メーカーが舞台のストーリーで、それでインテリアに興味を持つようになりました。
――では社会人になってからはインテリア関係の仕事に?。
波潟さん:東京の専門学校で建築を学んで、新潟に戻ってからは住宅メーカーで現場管理の仕事をしてきました。「人が暮らす空間をつくる」という意味では、インテリアも住宅も、僕のなかで同じものだったのかもしれませんね。
――確かに根っこは一緒のように感じます。
波潟さん:その会社を4年前に退職してからは、現場管理の仕事を委託で受けてきました。その仕事をしながら、2024年に不動産取引の経験を生かした「壱点不動産」を立ち上げて、僕の感性や好みで選んだ、味のある空き物件の紹介をはじめたんです。魅力的なのに使われていない物件を、オフィスや店舗として有効に活用してくれる人とつなげたかったんですよね。
――へぇ〜、それは面白そうですね。
波潟さん:でも、理想を収入につなげることの難しさを知って、時間的な余裕もないことから、現在はあまり力を入れていないんです(笑)。もちろん依頼があった際は不動産の仕事もお手伝いさせてもらっていますが、今は既存の空間の質を高めるための家具やインテリア雑貨のご提案に注力したいとの思いが強いです。

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古くても現代の住宅に馴染む、
シンプルで美しいインテリア雑貨。
――「old trunk」をオープンしたいきさつを教えてもらえますか。
波潟さん:「壱点不動産」として店舗作りのお手伝いをするにあたって、什器として古い家具の使用をご提案したかったのですが、新潟では自分が思うような物を揃えることができず県外まで買い付けに出かけていたんです。ネットでも買える時代ですが古い家具は状態を確認するために実物を見たいですからね。そんなことを続けているうちに、お客様も実物を見て買いたいと思う人がたくさんいるはずだと思って、自分の感性に合った家具を揃えた店をオープンしました。
――この医学町ビルもちょっとレトロな雰囲気で、お店のイメージにぴったりですね。
波潟さん:倉庫として使っていたスペースをお借りできることになったので、ひとりでリノベーションしました(笑)。このビルにはこだわりを持ったお店や会社が多いので、いい刺激を受けています。
――店内がとてもいい雰囲気ですよね。商品を選ぶ基準があったら教えてください。
波潟さん:古くても現代の住宅やインテリアに馴染んで、暮らしのなかでさりげなく使えるような、シンプルで美しい雑貨を家具を選ぶようにしています。ギラギラしたデザインのものは苦手なので、時代の流行に左右されない普遍的なデザインの商品を選ぶことが多いんですよね。
――調和を大切にしているんですね。
波潟さん:ベースには建築があるので、この空間に置くんだったらこんなインテリアがいいなとか、こんな棚だったら現代の建築にもマッチするなとか、考えますね。

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波潟さんが個人的におすすめの
飽きずに使えるアイテムたち。
――波潟さんが個人的におすすめしたいアイテムはあるんですか?
波潟さん:こちらの「hibi 10MINUTES AROMA(ヒビ テンミニッツアロマ)」はいかがでしょう。マッチみたいに擦って火をつけるお香なんです。特に古い家屋との相性がいいように思いますね。
――なかなかお洒落なお香ですね。他にもおすすめがあったら教えてください。
波潟さん:「Satarunia(サタルニア)」の食器もおすすめですね。レストランやバールで使われている、イタリア製の業務用食器なんです。なんの飾り気もないシンプルな器なんですけど、飽きのこないデザインやどっしりした分厚い安定感が人気の商品ですね。
――料理が映えそうだし、飽きずに使い続けることができそう。
波潟さん:「DURALEX(ヂュラレックス)」の「ピカルディグラス」もシンプルでおすすめな商品です。強化ガラスなので、アイスティーからホットコーヒーまで幅広く使うことができます。


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思い出や物語を感じさせる
古い道具の魅力を伝えていきたい。
――お店は、店名の通り「古道具屋さん」といった雰囲気がありますね。
波潟さん:使っていた人の思い出だったり、つくった職人の思いが感じられるような、味わいや物語のある道具が好きなので、自然と古道具が多くなってしまうんです。でも、僕自身は古道具屋という意識があんまりないんですよ。
――食器なんかは新品だし、生活のなかで使える雑貨や家具ばかりですよね。
波潟さん:愛着を持って大切に使い続けることで、道具の味わいや美しさって増していくと思うんです。そうした雑貨の魅力を多くの方々に伝えていきたいですね。毎月1〜2回は広い共用スペースでイベントを開催して、大きめの家具を販売しているんですが、いずれはそういった大きめの商品も販売できるスペースのある店舗に移りたいですね。自分の好きな作家さんともコラボして、展示会のお手伝いもしていきたいです。

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