十日町市にある複合施設「段十ろう」のすぐそばに、「ロマンチックコーヒーオッタ」という小さなコーヒー屋さんがオープンしました。店主の大津さんが自宅の2階を改装してはじめたこちらのお店では、アットホームな雰囲気で自家焙煎豆のコーヒーを味わうことができます。気になる店名の由来やお店で提供しているコーヒーについて、大津さんに聞いてきました。
ロマンチックコーヒーオッタ
大津 和哉 Kazuya Otsu
1978年十日町市生まれ。専門学校を卒業後、映画館や印刷会社などで働く。昨年11月、自宅の2階スペースを改装し、奥さんと「ロマンチックコーヒーオッタ」をオープン。映画が大好き。
――ご自宅の2階スペースをコーヒー屋さんにされているんですね。
大津さん:この家を建てたときから「2階は何かのお店にしよう」と妻と話していました。
――大津さんは飲食のお仕事をされてこられたんですか?
大津さん:飲食の経験はぜんぜんなくって。コーヒーは妻のほうが好きなんじゃないかなっていうくらい(笑)。映像系の専門学校を出てから、映画館で働いたり、印刷会社でデザイナーとして働いたりしていました。
――へ〜、映画がお好きなんですね。
大津さん:そうなんです。学生のときは8ミリフィルムで映像を撮ったりしていましたね。10年くらい前に「十日町シネマパラダイス」っていう映画館で働いていたことがあって。カフェが併設されている映画館だったので、接客はそこで経験したくらいですね。
――このお店をはじめることにされたのは、何かきっかけがあったんですか?
大津さん:「死ぬまでにできることってなんだろう」って考えて、なんとなくはじめたんです(笑)。妻と「やってみようか」って。平日は僕だけでやっていて、土日はお店が忙しくなったら妻が手伝ってくれています。
――ご夫婦でゆるくはじめられたお店なんですね。
大津さん:デイヴィッド・リンチっていう映画監督がすごく好きで、お店のカウンターにも本をたくさん置いているんですね。その映画監督はコーヒーとかドーナツがすごく好きなんですよ。それがこのお店をはじめるきっかけだったのかもしれないですね。
――コーヒーについても教えてください。
大津さん:ちょっとユニークな豆を選ぶようにしています。中国とか、アジアとか、他ではあんまり置いていないような豆を置くようにしていますね。
――中国産のコーヒー豆って飲んだことないかもです。
大津さん:アフリカとか中南米だと、ここから遠い感じがするんですよね(笑)。だからアジアとか、近くの豆を多めに入れています。豆は定期的に入れ替えていて、常時3〜4種類を置いています。
――焙煎もこちらでされていると聞きました。
大津さん:車庫の中に部屋があって、そこで焙煎しています。手回しのちっちゃい焙煎機なんですけどね。焙煎方法は新潟市のコーヒー屋さんから教えてもらって勉強しました。豆の産地とか淹れ方とか、焙煎の仕方によって味が大きく変わるところが面白いなって思いますね。
――「ロマンチックコーヒーオッタ」っていう店名がかわいいですよね。どうやって付けられたんですか?
大津さん:僕だけのお店じゃないから、妻とふたりで「ひとつずつ言葉を選んでくっつけよう」ってことにしたんです。「オッタ」っていうのが、僕の子どもの頃からのあだ名なんですよ。妻は「『ロマンチック』がいい」と言ったので、それを組み合わせて「ロマンチックコーヒーオッタ」になりました。
――「オッタ」はあだ名だったんですね(笑)。お店をオープンされてから、お客さんは地元の方が多いですか?
大津さん:そうですね。インスタを見て来られる方とか。あとは、すぐそこの「段十ろう」さんは町の公民館なんですけど、そこの休憩スペースからこの店の中がちょうど見えるんですって。「お店みたいだから行ってみよう」って来てくださる方もいます。
――大津さんは、ここがどんな場所になったらいいなと思いますか?
大津さん:映画が好きなので、映画館のロビーみたいに、ワクワクしたことがある前の待ち合わせ場所として使ってもらえたらいいですね。それこそ「段十ろう」さんでイベントがある前に、ここに来てもらうのもいいですよね。
ロマンチックコーヒーオッタ
十日町市本町1丁目上355-12