ドリブルの技術向上を中心としたサッカースクールがあるのをご存じですか? その名は「R.W.Sドリブル塾 新潟校」。コーチを務める斎藤恭志さんは、プロでの実績もあるスーパードリブラーです。今回は、そんな斎藤さんに1対1のドリブルテクニックの実践を交えながら、ドリブルへのこだわりについて熱く語ってもらいました。
R.W.Sドリブル塾 新潟校
斎藤 恭志 Takashi Saito
1993年新潟市生まれ。開志学園高等学校在学中にアルビレックス新潟の下部組織に所属。以降、アルビレックス新潟育成強化選手となり、JAPANスポーツカレッジトップチーム、いわてグルージャ盛岡などに所属。現在は経験を生かして「R.W.Sドリブル塾 新潟校」の代表兼コーチを務める。
――斎藤さんは、いつ頃からサッカーをはじめたんですか?
齋藤さん:父が小学校、中学校でサッカーをしていた経験があったし、大人になってからもサッカーが好きだったこともあって、子どもの頃からサッカーボールには触れていました。チームに所属してサッカーをはじめたのは、小学校4年生のとき。自分では覚えていないけれど、「中田英寿に会いたい」と言った僕に、母が地元のサッカー少年団を勧めたそうです。
――4年生からのスタートだと、練習についていくのは大変じゃなかったですか?
齋藤さん:父と一緒にサッカーをしていたから、そんなに大変ではなかったですね。それに当時の監督は珍しいタイプの指導者で、「自由にやれ」と言ってくれていたから、それも良かったんだと思います。だから4年生でも高学年の練習に参加させてもらえて、かなりのスピードで成長することができました。
――いい監督に巡り合えたんですね。
齋藤さん:はい。自分の中で、とても大切な出会いでしたね。その後は、高校に通いながら「アルビレックス新潟」の下部組織に所属して。毎日、練習に明け暮れていました。卒業してからは育成強化選手に登録してもらえて、並行してジャパンスポーツカレッジのトップチームにも所属していたんですけど、怪我とかいろいろあって、19歳でサッカーを辞めてしまったんです。
――え? 辞めちゃったんですね…。
齋藤さん:それから21歳まではまったくサッカーをしていなかったんですけど、「いわてグルージャ盛岡」「東京ヴェルディ」「Honda FC」の3チームからセレクションの声をかけてもらったんです。それなら片っ端から受けてみようと思って、まずは「いわてグルージャ盛岡」の練習に参加しました。そしたら、すぐに合格して。ただ、やっぱり怪我とかいろいろあって、1年半で新潟に戻ることになったんです。
――それでは「R.W.Sドリブル塾 新潟校」について教えてください。どんなキッカケでスタートしたんですか?
齋藤さん:サッカー少年団のコーチや監督って、ボランティアの方が任されていることが多いんです。もちろん、ボランティアだから無償で。そうなると、コーチや監督にチャレンジしたい人ってなかなか出てこないんですよ。でも指導者の価値を上げたら、それは変わってくるんじゃないかと思ったんです。それで、まずは自分がサッカースクールを開催しようと、サッカーを辞めて新潟に戻ってきた時に思いつきました。
――なるほど、選手ではなくて指導者というステージに立たれたんですね。
齋藤さん:でも、サッカーをしていたとはいえ、どうやってサッカースクールを開催すればいいのか、そういうことに関しては何のノウハウもありませんでした。そこで頼ったのが、「R.W.Sドリブル塾」の創設者の森陰。彼はかつて一緒にプレーをしたチームメイトで、友人でもあったので。そのときすでにサッカースクールをはじめていたから、まずはどうしたらいいのかを相談しました。
――へえ、代表の森陰修平さんとはチームメイトだったんですね。
齋藤さん:そうなんです。JAPANスポーツカレッジのトップチームで同期でした。プレー中にリフティングしながらドリブルしたり、お互いにスタンダードなプレイヤーではなかったから、いろいろと分かり合える部分が多くて。
――異端児的な立ち位置だったんですね(笑)。それで相談してみて、どうでしたか?
齋藤さん:「それなら、うちの名前を使ってやってみたら?」と言ってくれました。「R.W.Sドリブル塾」は、文字通りドリブルに特化したサッカースクールです。サッカーをしてきて、ドリブルのやり方は十人十色だし、最もアイディアを必要とするプレーだと実感していました。だからこそ、普通の人が思いつかないようなドリブルや考え方を伝えられるのではと思って、新潟校としてスタートしたんです。
――「R.W.Sドリブル塾」は、全国に展開しているんですか?
齋藤さん:森陰のいる埼玉校が本部で、その他は新潟校、千葉校、茨城校、神奈川校、大阪校、愛知校の全部で7校があります。
――そんなにあるんですね。「R.W.Sドリブル塾 新潟校」は、どのようなスタイルのサッカースクールなんですか?
齋藤さん:ひとことで言うと、「子どもたちにキッカケを与えられるサッカースクール」です。指導者といっても、必ずプロになれると約束できるわけではありません。だから僕たちは、教え方、伝え方、魅せ方の3つを使って、それぞれのスクール生に対して技と言葉を当てていきます。そのどれかがキッカケとなって、「カッコイイ!この技がしたい」「どうやったらできるようになるんだろう」とか、子どもたちの好奇心に繋がればいいと思っています。
――好奇心を刺激する指導方法なんですね。
齋藤さん:リフティング100回、ターンの練習を30分とか、基礎的な練習も大切だけど、自分が磨きたい技のために練習する方が習得率は高いと思っています。だって、自分が興味のあることに対しての学習能力って凄いじゃないですか。だから、僕たちは「魅せるドリブル」でサッカーを伝えています。
――「魅せるドリブル」、気になりますね。ちょっと対決してみませんか?
齋藤さん:1対1ですか? 負けませんよ(笑)
インタビューの最後、身の程をわきまえずに対決を申し込んでみました。あくまで手加減してくれている齋藤さんに対して、しっかりとフットサルシューズを履き込んで挑んだものの……惨敗。齋藤さんの見事なドリブルにやられました。そして魅せられました。「R.W.Sドリブル塾 新潟校」は、土曜日に新潟西、水曜日は新発田で開催しているそうです。リベンジするために、こっそり偵察に行きたいと思います(笑)
R.W.Sドリブル塾 新潟校