「SBYZ」と書いて「渋谷ズ(しぶやず)」と読むこのバンド。メインメンバーの平均年齢は35歳と、ちょっとアダルトです。しかし奏でる音楽は、幸せに包まれるハッピーミュージック。今回は「SBYZ」の田中さんと澁谷さん&渋谷さんに、バンドの結成秘話などをインタビューしてきました。
田中 暁央 Akihisa Tanaka
1981年新潟市生まれ。ベース担当の会社員。影響を受けたアーティストは「THE STONE ROSES(ザ・ストーン・ローゼス)」。
澁谷 春香 Haruka Shibuya
1986年新潟市生まれ。キーボードを弾きながら歌うメインボーカル。影響を受けたアーティストは「黒夢」「SADS(サッズ)」でもメインを張る「清春」。
渋谷 孝政 Takamasa Shibuya
1984年三条市生まれ。ギターを弾きながらコーラスまでもこなす会社員。影響を受けたアーティストは「THE BEATLES(ザ・ビートルズ)」「スピッツ」。
――今日はよろしくお願いします。「SBYZ」ってどんなバンドですか? 「渋谷」って付くからチャラチャラした感じなんですか?
渋谷孝政さん:結成当初は渋谷っぽくしたかったけど、早々とその願望は片付けました(笑)。「SBYZ」をひとことで言うなら「夏の温度をまとった楽しく寂し気な音楽を奏でるインディーポップバンド」ですね。
――渋谷系ではないんですね(笑)。じゃあ、渋谷というキーワードはどこから?
田中さん:昔はシブヤさんがたくさんいたんですよ。だからバンド名は「SBYZ」と書いて「渋谷ズ」となりました。僕は田中ですけどね(笑)
――確かに、現在も渋谷さんと澁谷さん(ちょっとだけ漢字が違う)がいますもんね。「SBYZ」のメンバー紹介をお願いできますか?
田中さん:メインボーカルとキーボードを担当する澁谷春香、ギターとコーラスを担当する渋谷孝政、そしてベースの僕、田中暁央の3人がメインメンバー。あとはドラム、サイドギターのサポートメインバーがいて、合計5名で活動しています。ちなみに楽曲制作のメインは渋谷孝政です。
渋谷孝政さん:頑張って歌詞書いています(笑)
――「SBYZ」はどんなキッカケで結成したんですか?
渋谷孝政さん:メンバー募集をして結成されるのがスタンダードなんだけど、僕たちはそれぞれ違うバンドに属していたから一夜限りの企画バンドとして結成したんです。
澁谷春香さん:そうそう。「グラス★ホッパー」澁谷春香、「the hills(ザヒルズ)」渋谷孝政、「KEESHKAS soundservice(キーシュカスサウンドサービス)」田中暁央の3人がノリではじめたバンドなの(笑)
――結成したのはいつですか?
田中さん:本格的な活動をスタートしたのは2015年。それからスタジオで楽曲制作をしたり、ライブをしたり、ホルモン屋でのミーティングも(笑)。
――具体的にはどのような活動を?
田中さん:ライブハウスでの活動を続けて、2017年にミニアルバム「愛を込めて」をリリースしました。吉祥寺のタワーレコードでは大きく展開してもらいましたよ。
――おお、精力的に活動されていたんですね。普段は仕事をされていますよね? 両立は大変じゃないですか?
田中さん:実は…それぞれの仕事が忙しくてスケジュールが合わなくなったので、2019年1月に活動を休止しました。でも、盛大に活動休止ライブをやったくせに、6月にはウズウズしてきて活動再開。そのときは非難轟々でしたね(笑)
――それでは「SBYZ」の音楽についてお話を聞いていきたいと思います。代表曲を教えてください。
渋谷孝政さん:代表曲は2019年にリリースしたEPに収録されている「夢の中なら」です。新潟出身のバンド「My Hair is Bad(マイヘアイズバッド)」が「スピッツ」とツーマンライブを開催すると聞いて、羨ましくなって作ったのがこの曲。「スピッツ」みたいな曲をやりたいと言いながら作った記憶があります。
――羨ましさから誕生したんですね。どんな曲ですか?
田中さん:何か突拍子もないことをしても、その人にしかわからない理由があるときがあって、それを否定しないで応援して、そのまま肯定してあげる。そんな気分屋でアウトサイダーっぽい女の子が主役の曲です。「SBYZ」のテーマのLOVEが詰まっている曲だと思います。
澁谷春香さん:え? テーマはLOVEなの??
渋谷孝政さん:そうだよ(笑)
――ちなみにどんなシチュエーションで聴いてもらいたいですか?
渋谷孝政さん:愛されたいとか、愛したいとか、理解されない孤独や秘密の根暗な部分もあるけど、明るい曲に乗せてアイロニカルに仕上がっているので、部屋でイヤホンをしながら独りで聴いてもらいたいですね。あとは歌詞をしっかり読んでもらいたいですね。
澁谷春香さん:ライブはハッピーで多幸感のある感じだけど、CDとか音源の時は歌詞を見ながら、しっぽりと自分の世界で聴くのがオススメかな。
――インタビュー前に「夢の中なら」を聴かせてもらいました。どこか懐かしさを感じたんですけど、意識されていますか?
渋谷孝政さん:歌詞には思い出や後悔など、過去を振り返るノスタルジックさがあるので、そういった意味で懐かしさを感じてもらえるのではないでしょうか。
――なるほど。では最後に、これからの目標を教えてください。
田中さん:平均年齢35歳。ついにベテランの領域に差し掛かってきました。だからという訳ではありませんが、楽しく妥協しないで長く頑張りたいですね。それに最近、サポートメンバーにギターが加わったことで、アレンジの幅が広がりました。これを機に、もっと楽しく寂し気な音楽を奏でていきたいです。
SBYZ