新潟では珍しい、移動販売スタイルの古着屋さんがあります。その名は「Tiny Place(タイニープレイス)」。イベントや新潟市内のバーバーや飲食店、ちょっとした駐車場なんかに現れる古着屋です。今回はそんな新しいスタイルで活動している田村さんに、古着にかける思いを聞いてきました。
Tiny Place
田村 瞬 Shun Tamura
1988年新潟市生まれ。新潟工業高校卒業後、土木系の仕事に就く。国内外の放浪期間を経て、2019年より移動販売スタイルの古着屋「Tiny Place」をスタート。NIRVANAやGuns N’ Rosesなどの洋楽ロックとアメカジスタイルが好き。
――「Tiny Place」って、実店舗を持たないで営業しているんですよね?
田村さん:そうなんですよ。ポップアップやイベント出店がメインで、古着を移動販売するスタイルでやっています。たまに車の横にタープを貼って営業することもあります。
――なかなか珍しい営業スタイルですよね。どうしてそんなスタイルにしようと思ったんですか?
田村さん:古着販売をしようと考えていたときに、雑誌で箱型のバンを使って古着の移動販売をしている人を発見したんです。「新潟では誰もやっていないスタイルだし、これはいい!」と思ったし、自分が尊敬している先輩(「うめやんキッチン」の梅澤さん)は、実店舗を持つ前に移動販売をしていたから、その背中を追うじゃないけど……。いろんな場所でいろんな人に出会えるのもいいかなって。
――なるほど。ちなみに、ポップアップはどこのお店でやっているんですか?
田村さん:基本は新潟市内でやっていて。定期でやらせてもらっているのは「gentlemanBarber(バーバー)」「STUD(アパレルショップ)」「40DAYS(アパレルショップ)」「Taibow! COFFEE&GELATO SOFT(カフェ)」「SBR(飲食店)」。それと新大前のラーメン店「万人家」の駐車場なんかでもやっています。
――いろんなところで展開しているんですね。どうやったら、こんなに幅広いお店でやれるんですか?
田村さん:実は「Tiny Place」をはじめた当初は、イベント出店をメインに考えていたんです。でも、新型コロナウイルスでイベントがほとんどなくなってしまって。そうしたらつながりのあった人達が力を貸してくれて、いろんなお店でポップアップを開催できるようになったんですよ。
――「Tiny Place」では、どんな古着を取り扱っているんですか?
田村さん:ヨーロッパやアメリカの古着がメインです。ゴリゴリの古着よりはきれいなスタイルのものをなるべく取り揃えていて、ジャケットにも合わせられるような古着が多いですね。
――例えばどんな?
田村さん:イギリスのバブアや、ヨーロッパのワークジャケットとか。色合いがきれいで……めちゃめちゃいいんですよ~。
――そうなると、やっぱり海外での買い付けになるんですか?
田村さん:海外へも行くけど、最近は国内仕入れが多いですね。卸業者が倉庫に古着をブワーって並べていて、そこからバイイングしてきます。定期的に買い付けていて、来週も行く予定です。
――実店舗を持たないことで良かったのはどんな点ですか?
田村さん:いろんな場所で出店できるのと、そこでたくさんの人たちに出会えることですね。古着屋として店舗を構えていると、どうしても古着を買いに来る人としか出会えません。でも、今日みたいに「gentlemanBarber」でポップアップを開催していれば、バーバーに髪を切りにやってきた人たちにも古着を見てもらえます。だから、普段関われない人たちと出会える点ですかね。
――逆にデメリットじゃないけれど、店舗だったらな……ってことってあります?
田村さん:ん~……天気ですかね。店先や駐車場で古着を広げているから、雨が降ると……ね(笑)
――異業種のお店で出店していることで、そのお店ではイベントを開催している雰囲気になりますよね。良いアクセントになっている気がします。
田村さん:そうなってくれていると嬉しいですね。でも、今はまだ「Tiny Place」が出させてもらっている状態なんです。だから、出店することで古着目当てのお客さんが集まってくれて、それによって協力してくれるお店に貢献できるようになりたいと思っています。
――じゃあ、そのためにもたくさん出店していかないとですね。
田村さん:そうなんです。出店を増やしていくことで、「古着の移動販売」というスタイルがどんどん浸透していくはずだと思っています。そうすればお世話になっている人たちにも、何かしらのかたちで恩返しができるかなって。頑張ります!
――それでは最後に、「Tiny Place」の古着を通して伝えていきたいことを教えてください。
田村さん:「Tiny Place」ではオンラインの販売もしています。でも、本当は実際に古着を手に取って、目で見て買ってもらいたいのが本音です。というのも、自分はガキの頃から店員と話して、知識をもらって、自分で選んだ服を買っていました。だからこの感覚が大事だと思っていて。いろんな場所で、いろんな人に出会って、いろんなことを伝えて、古着を普段着ていない人たちにも良さを知ってもらいたいですね。
Tiny Place