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おこわや家庭料理を楽しめる、完全予約制の「をこわcafe藍古」。

ちょっと前に紹介した、ワンプレート料理とお手軽パンの教室「Aoyama邸(アオヤマテイ)」から、とある女性を紹介していただきました。長岡市の自宅で「をこわcafe藍古(アイコ)」というカフェを営む、やぎさんです。なかなか予約が取れない人気店なのだそう。そんな人気の秘訣やお店をはじめたいきさつ、料理へのこだわりを聞いてきました。

 

 

をこわcafe藍古

やぎ まなみ Mamami Yagi

1964年長岡市(旧栃尾市)生まれ。織物会社や大型スーパーでの勤務を経て、1992年より栃尾の精肉店に勤める。2022年に「をこわcafe藍古」をオープン。国内外の古民具やアンティークが好き。

 

子どもたちに背中を押されてカフェをオープン。

——今日はよろしくお願いします。

やぎさん:こちらこそ、よろしくお願いします。普段は取材をお断りしているんですけど、今回はお世話になっている青山先生のご紹介なのでお受けしました(笑)

 

——青山先生に感謝したいと思います(笑)

やぎさん:人のご縁でやらせていただいている店だから、ご縁を大切にしているんです。

 

——なるほど。こちらはどんなお店なんですか?

やぎさん:私のやりたいことや好きなものをぎゅっと詰め込んだカフェ。

 

——やぎさんの集大成なんですね。今までずっと飲食業に携わってきたんでしょうか?

やぎさん:この店をはじめる前は、地元の精肉店に30年勤めてきました。勤めはじめたときは接客だけすればいいのかと思っていたら、配達から肉の加工まで何でもやることになったんです。社長の勧めで調理師免許も取ったんだけど、そしたらお惣菜の企画開発までやることになったの。

 

 

——それじゃ、かなり忙しかったんじゃないですか?

やぎさん:忙しかったけど楽しかった。いろいろなことを勉強させてもらったし。でも私も60歳を迎えるから、その前に新しいことに挑戦したいと思ったんです。肉屋の店員さんとしては覚えてもらえていたけど、これからは自分自身を知ってほしいと思ったのね。

 

——それでカフェをはじめたんですね。

やぎさん:何をはじめようかと迷っていたら、子どもたちから「母さんの作るご飯は美味しいから、ご飯屋さんをはじめたらいいんじゃない?」と勧められたんです。その言葉に背中を押されて、2022年の5月から「をこわcafe藍古」をはじめました。

 

——「藍古」ってどういう意味なんですか?

やぎさん:私は藍染めや古いものが好きだから、それを組み合わせた造語なんです。

 

おこわや家庭料理、手打ち蕎麦が味わえるカフェ。

——店名に「をこわcafe」とありますが、これはおこわご飯のことなんでしょうか?

やぎさん:そうそう。子どもの頃は毎年お誕生日に、おばあちゃんが醤油おこわを作ってくれていたんです。でも自分が子どもたちに作ってあげようと思ったら、周りに教えてくれる人がいなかったのね。なんとか知り合いに作り方を教わって、その経験から地域の方々に醤油おこわ作りを教えていたんです。

 

——料理の先生をやっていたんですか?

やぎさん:地域おこしの一環でやっている「長岡まちゼミ」という講座があって、いろいろなお店の人が講師としてプロの知識や技術を地域の人に教えるんです。私も醤油おこわ作りを教えることになったんだけど、人気講座になって6年くらい続いたんですよ。だから自分のカフェでも醤油おこわを食べてもらいたいと思ったの。

 

 

——だから「をこわcafe」なんですね。他にはどんなお料理が食べられるんでしょうか。

やぎさん:スーパーで買ったり知り合いからもらったりした材料を使った、お母さんが作る家庭料理なんです。食後には手打ちの十割蕎麦や、栃尾産の米粉を使ったシフォンケーキをドリンクと一緒にお楽しみいただいています。

 

 

——蕎麦まで手打ちしているんですか?

やぎさん:ずっと蕎麦打ちをやってみたかったので「越後ながおかそばの会」に入会して蕎麦打ちを教わったんです。そのとき教わったのは二八蕎麦だったんですけど、知人から十割蕎麦の打ち方を教わってからは、長野産の蕎麦を使った十割蕎麦をお出ししています。

 

 

——お茶碗が選べるというシステムは面白いですね。

やぎさん:うちはメニューがない店なので、料理を選ぶことはできないんです。私が作った家庭料理を黙って食べていただいています(笑)。だから、せめてお茶碗くらいは選んでもらおうと思ったの。長岡や加茂の陶芸家による作品も揃っていて、皆さん楽しそうに選んでますよ。

 

一見様お断りで、完全予約制にしたわけ。

——完全予約制のお店にしたのはどうしてなんですか?

やぎさん:お店をはじめる前、保険屋さんや経営者の方に相談したんです。そのときにある社長さんから「酔っ払った男性客の集団がお店で暴れたら対応できるの?」って聞かれて「絶対できない」と答えました。そうしたら「誰でも迎え入れるお店は難しいだろうから、完全予約制にした方がいいよ」とアドバイスをいただきました。

 

——じゃあもしかして「一見様お断り」なんですか?

やぎさん:そういうと高飛車な感じがするけど、知り合いの紹介やInstagramのフォロワーさんだけ予約を受け付けるようにしています。お客様がお客様を連れて来てくれるおかげで、いいお客様ばっかりなんですよ。

 

 

——お店をはじめてみて生活は変わりました?

やぎさん:オンオフがなくなって、ずっとお店のことを考えているようになりましたね(笑)。寝ていてもお客様や献立のことを考えているんです。でも、思っていた以上に皆さんが喜んでくれているので、はじめて良かったと思っているんです。

 

——こちらにあるカレンダーを見ると、定休日以外はずっと予約でいっぱいじゃないですか。

やぎさん:これもお客様のおかげ。皆さんに喜んでもらえるように、私も精一杯おもてなしさせていただきたいですね。

 

 

 

をこわcafe藍古

長岡市金町2-3-10

11:30-17:00(L.O.16:00)

水木金曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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