万代と古町をつなぐ萬代橋のたもと。そんな新潟市の中心で、燕市や三条市の製品を紹介しているイタリアンレストランがあります。赤い階段に緑の壁という、イタリアンカラーが印象的な「燕三条イタリアンBit新潟店」。美味しい料理はもちろんのこと、金属製品をはじめとした燕三条製品の素晴らしさを発信するお店でもあり、新潟店、銀座店に続き、この春いよいよ燕三条本店がオープンしました。新潟店の店長・廣川さんに、お店が発信している燕三条製品の魅力についてお聞きしました。
燕三条イタリアンBit 新潟店
廣川万智 Machi Hirokawa
1988年五泉市生まれ。「燕三条イタリアンBit 新潟店」店長。休みの日でもお店へ食事に行くほど、お店への愛が深い。4歳の娘と遊ぶことが楽しみなママでもある。
まずはお店のはじまりから。「燕三条イタリアンBit 新潟店」のオーナーシェフである秋山武士さんは、東京のホテルニューオータニや新潟県内のレストランなどで、イタリアンを中心にキッチンやホールの経験を重ねてきた料理人。その秋山さんが燕市にある槌起銅器(ついきどうき)の名店「玉川堂(ぎょくせんどう)」で、料理を提供するイベント「玉川堂レストラン」に参加したことが、すべてのはじまりでした。たちまち燕三条のものづくりに魅了された秋山さん。「燕三条製品を発信するレストランをやりたい」そんな思いから、「燕三条イタリアンBit」をオープンさせたのです。ちなみに店名の「Bit」という言葉は「急げ」という意味。秋山オーナーが修行時代によく言われていた言葉で、初心を忘れないためにこの言葉を店名に使ったのです。
お店の入り口に掲げられた銅の看板は、金槌で銅板を打ち起こして作る「玉川堂」の槌起銅器で作られたもの。そして紙のテーブルマットには燕三条を紹介するマップが。ご覧の通り、「燕三条イタリアンBit」では「ものづくりの町」燕三条製品の魅力を発信しています。「燕三条で作られたナイフやフォーク、グラスなどを実際に食事で使用してもらうことで、その素晴らしさを体感してもらえたらと思っています」と店長の廣川さん。熟練の職人が時間をかけて作る燕三条製品には高額なものが多く、なかなか日常生活で使える機会は少ないのですが、このお店ではお料理とともにそんな高級食器を楽しめるのです。1万円以上する高級な箸を使っての食事。うーん、贅沢ですね。
お店で使用しているテーブルウェアは、約15社以上のメーカーの製品が使われています。玉川堂のビアカップ、MARUNAOの箸、snow peakのダッチオーブンなど、どのメーカーも伝統ある燕三条の工業製品ばかり。使ってみると、ナイフの切れ味や、箸の馴染み具合といった素晴らしさに気づきます。「製品に込められた職人さんの思いを、お客さんに伝えていきたいという気持ちで発信を続けています」とのこと。お店で使ってみて気に入った製品があれば、注文して購入することもできるそうですよ。
料理には燕三条産をはじめ新潟県産食材を多く使っています。さらにイタリアやフランスからも食材を輸入するこだわりよう。県産食材とのコラボを楽しむことができます。また季節ごとに旬の食材を使うため、コース料理は3ヶ月ごとにメニューを変えていて、季節感もばっちり。定番メニューの中では、「フォアグラと黒トリュフの卵かけごはん」が人気。ウニを使ったパスタもとても評判がいいそうです。
「燕三条イタリアンBit」は、全国的な食イベント「居酒屋甲子園」の優勝店でもあります。実はこの大会で優勝した店が新潟には3店舗もあるのだとか。そのことからも、新潟の食に対するレベルの高さがうかがえます。「おいしい食材や料理に恵まれた新潟を、全国や全世界から人々が集まる『美食の町サン・セバスティアン』のようにしたい」と言う廣川さん。「そのためにも、いろいろなお店と連携しながら、新潟を盛り上げていきたいと思っています。」今後、県外や国外への出店も視野に入れているとか。燕三条製品の魅力が日本だけではなく全世界に広がっていくといいですね。
玉川堂コース 5,000円
フォアグラと黒トリュフの卵かけごはん 1.980円
新潟県三条市下田豚の炭火グリル 1,280円
渡り蟹のトマトクリームスパゲッティ 1,200円
燕三条イタリアンBit 新潟店
新潟市中央区新島町通1ノ町1977
025-201-7933
11:00-15:00(L.O.14:30)
平日・日曜18:00-23:00
(food last 22:00/drink last 22:30)
金曜・土曜・祝前日 18:00-24:00
(food last 23:00/drink last 23:30)
火曜ほか休