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洋菓子もラインナップに加わった、水原の老舗菓子店「最上屋」。

阿賀野市の民芸品をモチーフにした「三角だるま最中」でお馴染み、旧水原町の「最上屋」。「三角だるま最中」は、全国のお取り寄せサイトやふるさと納税の返礼品としても紹介される郷土のお菓子です。代々続く菓子店を継いだ7代目の島原さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

最上屋

島原 渉平 Shohei Shimabara

1991年阿賀野市生まれ。シェフパティシエ専門学校を卒業後、西区の「ガトーシェフ三昧堂」で6年間経験を積む。2019年に家業である「最上屋」に入る。実は甘党ではなく、ポテチ系が好き。

 

和菓子に洋菓子、両方あった方がおもしろい。

——島原さんは、昔から家業を継ごうと決めていたんですか?

島原さん:高校で進路を決める頃から「最上屋」に入るつもりでした。代々和菓子屋だったので、洋菓子も置きたいと思ってシェフパティシエ専門学校を選んだんです。和菓子と洋菓子、両方あった方がおもしろいじゃないですか。

 

——とても長く続いているお菓子屋さんだそうですね。

島原さん:100年以上は続いているみたいですね。私で7代目だと思います。

 

 

——私の地元の商店街にもお菓子屋さんがあるんですけど、お世継ぎがいないみたいなんです。

島原さん:そういうお店は多いですよね。小さくても新しい店舗ではじめる若い方も増えていますから。水原の商店街でも私と同世代はほとんどいないです。酒屋に同級生がいるくらいで。でも「地元に帰ってきてやりたい」「別の場所に行って何になるんだろう」って気持ちがあったんですよ。どうせなら「生まれた場所で商売をやってやろう」と思っていました。

 

——「最上屋」さんに入られるまでは、どこで経験を積まれたんですか?

島原さん:西区の「ガトーシェフ三昧堂」さんで6年間勉強させてもらいました。「三昧堂」さんももともと和菓子屋さんで、前社長の代から洋菓子をはじめられたんですよ。そこで一緒に働いていた先輩たちは県内各地にいて、評判のケーキショップを構えている人が何名もいます。「三昧堂」さんでは、厳しいけどためになる経験をさせてもらいました。

 

——その6年間でひとしきり学ばれたわけですね。

島原さん:洋菓子も和菓子も両方作らせてもらいました。たぶん100種類以上はあったんですけど、とにかく全部の品物に関わらせてもらおうと思っていました。

 

——すごく前向きですね。

島原さん:「3年でぜんぶ覚えてやろう」って気持ちでした。とはいえ、そうなるまで4年かかりました。それからは新しい商品を作ったり、自分好みの仕込みをしたりができるようになりましたかね。

 

伝統はそのままに、新作を続々と販売。

——「最上屋」さんといえば、やっぱり「三角だるま最中」ですよね。

島原さん:「三角だるま最中」はじいちゃんの代からだから、50年、60年くらい前からある商品です。水原の郷土玩具「三角だるま」をモチーフにしています。赤、青の包装紙は、中にちょっと珍しい紫蘇あんが入っています。茶色の包みは、去年販売をスタートした新作です。和三盆を使用したこしあんに笹神の「コトヨ醤油」さんの「笹神喜昜」で味付けしたゆべしが入っているんですよ。こちらは数量限定、店頭限定のみの商品です。

 

——お取り寄せサイトでもお見かけしました。

島原さん:市外の方がネットショップから買ってくださいますし、地元の道の駅にも卸しています。毎月2,000個くらい製造するでしょうか。先日、ドラマのワンシーンに「三角だるま最中」が登場して、そのときはかなりの数の注文をいただきました。

 

 

——洋菓子全般は、島原さんの代からラインナップですね。

島原さん:そうですね。ショーケースひとつ分を洋菓子にしました。ケーキや焼き菓子が商品に加わって、年齢層がグッと若返りました。

 

——「三角だるま最中」を超える看板商品を作ってやろうっていうお気持ちはあります?

島原さん:それはあまりないです(笑)。でも、その店らしい突出した商品はいくつかあった方がいいと思っていて、私が戻ってきてから「一口プラリネ」「花ティグレ」など新作スイーツの販売をはじめました。「一口プラリネ」はプラリネの美味しい部分、コーティングしたチョコレートをもっと楽しめるように一口サイズにしています。「花ティグレ」は新潟伊勢丹さんとの共同開発したスイーツで、阿賀野市の「八米」さんの蜂蜜、「脇坂園芸」さんのエディブルフラワー、「神田酪農」さんの愛情牛乳など阿賀町産の材料を使っているんですよ。

 

——これまで販売されていた和菓子には何か手を加えられたんですか?

島原さん:いえいえ、そこはこれまでの味を守っています。味を変えずに、毎回同じものを作ることは難しいですね。いろいろなやり方があるでしょうけど、うちにはうちのやり方があります。それを変えずに続けるのがベストだろうと思っています。

 

地元だけに固執せず、広く発信する努力をする。

——ちょっと唐突な質問ですが、お菓子屋さんって朝早いんですか?

島原さん:私は5時半くらいに起きて、6時には店に立っていますかね。8時半過ぎに開店ですから。

 

——そんなに早い時間にオープンするんですか。

島原さん:10時オープンのお店が多いですもんね。でもご年配のお客さまは、午前中に買い物して、その日のおやつに食べようって方も多いですから。これも商店街ならではかもしれませんね(笑)

 

 

——島原さんの代でお店が変化した手応えはありますか?

島原さん:まだまだですね。これからググッと伸ばしていかなくちゃと思っているので、SNSやネットショッピングに力を入れはじめました。新商品を定期的に発売することも心がけています。それが商売を長続きさせる秘訣だと思っているので。地元の皆さん以外にもうちの商品を知ってもらいたいですね。

 

 

 

最上屋

住所/阿賀野市中央町2-11-11

tel/0250-62-2206

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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