ちょうどいい、町のお寿司屋さん。
村上にオープンした「旬彩 皐月」
食べる
2026.08.03
ちょっといい日のご馳走の定番といえば、お寿司を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。村上市にオープンした「旬彩 皐月」では、そんなお寿司を一貫から気軽に楽しむことができます。このお店をはじめた佐藤さんは、新潟市で20年以上調理の経験を積み、地元である村上市でお寿司屋さんをはじめました。今回はお店にお邪魔して、佐藤さんのこれまでのことやお店のことなど、お話を聞いてきました。
佐藤 雄作
Yusaku Sato(旬彩 皐月)
1979年村上市出身。10代の頃に両親の勧めで飲食店で働いたのがきっかけで飲食の道へ進む。調理師の専門学校を卒業後は新潟市の宿泊施設や飲食店などで調理の経験を積み、今年の6月に村上市で「旬彩 皐月」をオープン。お休みの日は、家族とゆっくり過ごすのだとか。
新潟市で経験を積むこと、20年。
村上でお店をはじめるまで。
――今日はよろしくお願いします。まず佐藤さんが料理のお仕事をはじめたきっかけを教えてください。
佐藤さん:10代の頃に和食店のアルバイトをなんとなくはじめて、皿洗い、えびの殻剥き、大根おろしなどから教えていただきました。働く中でカウンターに来るおじいちゃんたちと話す時間が楽しくて。「自分の作った料理でお客さんが喜んでくれる仕事っていいな」と思って調理の専門学校に入りましたね。
――そこから調理の世界へ。
佐藤さん:当時、洋食が流行っていた時代ではありましたけど、僕自身、和食が好きでしたし、「いつか村上に帰ってくるなら和食のお店かな」ってその頃からぼんやり考えていたので、和食を学ぶことにしました。専門学校を卒業した後は、新潟市内の宿泊施設で料理を作る仕事をしていました。ここでは和食以外にも、洋食や中華も学ばせてもらいましたね。
――その後も、市内で調理のお仕事をされていたんですね。
佐藤さん:最初に入った宿泊施設で8年働いたんですけど、そのころになると、後輩に仕事を任せられるようにもなりましたし、場所を変えていろいろ経験してみたいなって思ったんです。それから居酒屋さんや式場で働いたんですけど、どの場所でも食材の切り方や盛り付け方が全然違って。毎回ゼロから覚え直すような感覚でした。この経験のおかげで、どんな環境にも合わせられる柔軟さは身についたと思います。
――新潟市内では20年以上飲食のお仕事に携わっていました。今回、地元である村上にお店を出すことになったのには、どんな経緯が?
佐藤さん:働きはじめてからも、いつか村上に店を出したいとは思っていました。でも家のことや子どものことがあったので「店をやるのは、もう少し先かな」なんて思っていたんです。でも、親父の知り合いに、店を貸してもいいという方がいて。そこからどんどん話が進んでお店を貸してもらえることになったんです。思いがけず舞い込んできた話でしたが、「もうここしかない」と決意して、村上に帰ってきました。
――それが今年の4月のことだったそうですね。
佐藤さん:ずっと新潟市にいたので、仕入先の業者さんを探すのが大変でしたね。一軒一軒電話して、どんなものを扱っているか、ひたすら聞いていました。探していくうちに、同級生と再会して、そこから食材を取り扱わせてくれることもありました。


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一貫から楽しめるお寿司と、
「村上」を味わえる料理。
――お店の名前は「旬彩 皐月」。このお店の名前にはある思いがあるのだとか。
佐藤さん:黄色の皐月の花言葉を気に入りまして、お店の名前にすることにしたんです。「協力を得る」という花言葉で、僕たちにぴったりだなって。本当はお店をオープンしたかった5月の和風月名でもあるのですが、4月に村上に戻ってきて、5月は無理だろうと止められました(笑)。せめてもの思いで、5月の末に開業はしました。
――こちらのお店はどんなお店なのか、あらためて教えてください。
佐藤さん:ランチのお店としても、居酒屋としても、寿司屋としても使い勝手のいいお店を目指しています。このあたりの方に話を聞くと「飲んだ後の〆に寿司を食べたい」って言っている人が多かったので、村上にも寿司とお酒を楽しめる居酒屋さんがあってもいいんじゃないかなって思ったんです。
――〆のラーメン、ではなく〆のお寿司というわけですね。
佐藤さん:お酒を飲みながら、いろんな寿司を楽しんでほしくて、うちは1貫から注文できるようにしています。気になるものを1貫ずつ頼んだり、カウンターで隣に座っているお客さんが食べている寿司を見て「それいいな」って注文してもらったり、そんな楽しみ方をしてもらえたら嬉しいですね。
――カウンター越しに見えるホワイトボードには、その日食べられるお寿司のネタがびっしり書いてあります。
佐藤さん:県内外の旬の魚を用意しています。ネタの中には村上や岩船で穫れるものも多いんですよ。寿司のシャリは、帰って来た時に再会した同級生が作った岩船産コシヒカリを使っています。
――お寿司以外にも、メニューがたくさんありますが、中でも佐藤さんのおすすめは?
佐藤さん:今の時期だと、カツオの藁焼きですね。お店で焼いているので、香りも良くてすごく美味しいと思います。それと「大海」という料理もぜひ食べてほしいですね。これはこれは村上や朝日村で食べられる郷土料理で、のっぺにすごく似ているんですよ。うちの「大海」には、細長い豆もやしが入っていて、食感も楽しんでいただけると思います。
――すごく気になってしまったのですが、ランチで楽しめる「青砥武平治御膳」っていったいどんな定食なんでしょう……?
佐藤さん:「青砥 武平治(あおと ぶへいじ)」さんという方の名前を冠した、塩引き鮭御膳です。この方は、世界で初めて鮭の自然ふ化増殖に取り組んだ人です。鮭の習性を利用し、産卵を促してふ化を助ける仕組みを作ったんです。いわば「鮭の町村上」の基礎を作ったお侍さんです。「この方が食べたかった御膳って、こんなのじゃないか」って考えてメニューにしました。



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どんな人にも使ってもらえる、
ちょうどいい「町寿司」を目指して。
――オープンしてから1ヶ月が経ちました。
佐藤さん:オープンしてから、ありがたいことに忙しくさせてもらっています。忙しさが落ち着いたら、お店のことをいろいろ見直して、一度仕切り直していきたいなと思っています。日常でも使ってもらえるような、村上の町寿司にお店を変えていけたらなと。
――佐藤さんの考える「町寿司」ってどんなお店なんでしょう。
佐藤さん:お寿司屋さんというと、回転寿司か、高級なお寿司か、みたいな二択になることがあると思うんですけど、その中間を取っているお寿司屋さんがあってもいいなって思うんです。日常の食事としても、ちょっと特別な食事としても使ってもらえるような、みなさんにとって「ちょうどいい」お店になりたいなって。
――素敵です。最後にこれからの目標を教えてください。
佐藤さん:今はまだバタバタしながら営業している状態なので、整えるべきところを整えていきたいですね。カウンターに立って、お客さんと話しながら営業できるくらいの余裕を持てたら、いちばんいいなと思っています。周りからも「店主がここに立たないでどうするんだ」ってよく言われるので(笑)、それも目標のひとつですね。デザートもお出しできるようにしたくて。今、奥さんが絶賛試作中です。


旬彩 皐月
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