オトナの習いごと#10
食の豊かさを伝える「細貝恵子」さん

プロモーション | オトナの習いごと

2026.07.29

text by Ayaka Honma

大人でも楽しんで学べる「習いごと」を紹介する特集企画『オトナの習いごと』。今回は長岡市を中心に料理教室を開く細貝さんにお話を聞きました。細貝さんは、マクロビオティックやヴィーガンの考え方を学び、菜食の料理を教えられています。食に興味を持ちはじめたきっかけや、料理教室のこと、活動を通じて伝えたい思いなど、いろいろ聞いてきました。

Interview

細貝 恵子

Keiko Hosokai

長岡市出身。「玄米」との出会いをきっかけにマクロビオティックの世界へ。全国各地に足を運び、様々な食事法を学ぶ。学びはじめて間もなく料理教室をスタートし、教室では動物性食材を使わない菜食料理を提供し続けている。コロナ禍をきっかけにヴィーガンスイーツ作りを深め、現在はイベント販売や店舗への委託販売などもおこなっている。

玄米に出会って、
人生の景色が変わった。

――まず、細貝さんがこれまでどんなことをされてきたのか教えてください。

細貝さん:食の仕事をはじめて、かれこれ21年になります。実は最初から料理の道を考えていたわけじゃなくて、もともとはマッサージとか、癒やしの分野を学んでいたんです。

 

――食とはまったく違う道から、今の活動に進まれたんですね。きっかけは何だったのでしょう。

細貝さん:玄米との出会いです。それまで玄米を食べたことがなくて、「白米じゃなくて茶色いお米があるんだ」ということ自体、知らなかったんです。はじめて食べたときの衝撃は今でも覚えています。白米と玄米の違いや、玄米ができるまでの成り立ちを知って、どんどん興味が湧いていきました。ちょうどマクロビオティックが広まりはじめた頃で、「面白い」と思って一気にのめり込んでいったんです。

 

――マクロビオティックというと、動物性食品を食べない食事というイメージがあります。

細貝さん:よく誤解されるんですけど、実際は何を食べても大丈夫という考え方なんですよ。バランスが大切で、いろいろな食材をバランスよく取り入れることで、身体が整っていくという発想です。玄米は「丸ごといただく」という意味を持つ食材ですし、野菜も皮ごと食べるなど、食材を余すことなくいただく考え方にすごく感動しました。

 

――細貝さんは、マクロビオティックをどのように学んでいかれたんですか?

細貝さん:当時、新潟には教室がほとんどなかったので、県外から講師が来る講座に通っていました。授業は料理を作って、その場で食べるスタイルだったんですけど、食べることが好きだったので、とにかく楽しかったですね。お米の研ぎ方から野菜の切り方まで、今まで経験したことがないことばかりで、食材との向き合い方そのものが変わっていきました。

 

――そこから、全国各地で学ばれるようになったんですね。

細貝さん:最初はひとりの先生から学んでいたんですけど、どんどん興味が広がって、北海道から九州まで、いろんな先生のもとに足を運ぶようになりました。マクロビオティックだけじゃなく、いろいろな食事法を知りたくて。野菜中心の食事だけじゃなく、お菓子作りも学びましたね。時間もお金も距離の負担もありましたけど、それ以上に学びたい気持ちの方が勝っていました。

 

取材時、細貝さんが玄米を炊いてくれました。上手に炊けたときに現れる「カニ穴」も見ることができました。

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まずは玄米を食べてもらうところから。
あのときの感動を伝える、料理教室。

――料理教室をはじめたきっかけを教えてください。

細貝さん:学びはじめて比較的すぐ、教室もはじめたんです。当時はマクロビオティックという言葉自体、ほとんど知られていなかったんですけど、自分が受けた感動を誰かに伝えたいと思って。最初はワンコイン、500円で玄米を食べてもらう会をはじめたんです。

 

――ワンコインだったら気軽に参加できそうです。

細貝さん:長岡でマクロビオティックを学べる場所がほとんどなかったですし、珍しい教室として興味を持ってもらえて、徐々に料理教室の依頼が増えていきました。最初はレンタルキッチンを借りて、鍋や調理器具を車で運んで。毎回の積み込みと片付けは大変でしたね。料理教室のかたちを変えながら、20年ほど続けています。

 

――教室をはじめた頃は、どんなスタイルだったんですか?

細貝さん:コース制で、生徒さんが毎月継続して通うかたちでした。料理を完成させるところまで、すべて生徒さん自身に作ってもらっていました。生徒さんひとりひとりと向き合えましたし、玄米そのものや野菜の切り方に感動してもらえて。私自身が感じた感動を、生徒さんも同じように感じてくれていたのが嬉しかったですね。

 

――現在はどんなスタイルなんでしょう。

細貝さん:今は私が料理する様子を見ながら学んでもらって、最後にみんなで一緒に食べるようなかたちになっています。工程はすべて説明しますし、レシピもお持ち帰りいただいていますが、最初から最後まで生徒さんが作るということはしなくなりました。というのも、教室に来てくださる生徒さんにはリピートしてくれる方も多くて。中には、15年前から通ってくれる生徒さんもいらっしゃいます。

 

――細貝さんが作るお料理を食べたいという思いもあって、通われているのかもしれませんね。

細貝さん:そうかもしれませんね。生徒さんはみんな、食べることが大好きで、食への探究心が旺盛で。教室で料理を作っているときも、食べ物の話ばかりなんです。「このお店のここが美味しい」みたいな情報交換をすることもあります。生徒さんのほうが詳しいこともあって、私がメモを取ることもありますよ(笑)

 

――細貝さんが教室で作られているお料理は、動物性の食材が使われていないと聞きました。

細貝さん:私自身、普段はお肉もお魚も食べますし、生徒さんも菜食ではない方がほとんどです。それでも教室で菜食のお料理を教えているのは、日常の食生活の選択肢として、菜食を取り入れてもらえたらいいなと思っているからなんです。三食のうちのひとつを菜食にすると、身体も整いますから。ここでは、季節の食材を使った菜食のメニューを教えていますよ。

 

――インターネットでレシピが見られる時代に、教室を続ける意味をどう感じていますか?

細貝さん:一時は存在意義を考えたこともあったんです。でも、対面の料理教室は「一緒に食べる」という価値がありますよね。野菜の扱い方や下処理みたいな細かい部分は、実際に見た方が理解できますし、レシピだけでは伝わらないこともたくさんあるので。

 

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毎日の「いただきます」を大切に。
食の豊かさを伝えていきたい。

――細貝さんは、料理教室の他にお菓子の販売もされています。

細貝さん:料理教室を休止せざるをえなかった時期に、ヴィーガンの焼き菓子を深めようと思って、作りはじめました。教室では毎回デザートを出していて、そのとき生徒さんから「ヴィーガンスイーツは難しい」という声をよく聞いていたんです。実際、牛乳も卵もバターも使わずに美味しく作るのは、本当に難しくて。閉じこもるように試作を繰り返して、何度も失敗して、自分が納得するお菓子ができるまで作り続けました。

 

――お菓子を作るとき、大切にしていることは?

細貝さん:いちばん大切なのは「美味しいこと」です。健康は二の次。美味しくなければ、身体にいいとは思えないんじゃないかなって。「健康だから味は妥協する」という考え方にはしたくなくて、美味しさとヴィーガンの両立をずっと目指しています。私が「美味しい」って思ったものだけを、オンラインやイベントなどで販売しています。

 

――あえて難しい分野に挑戦されているんですね。

細貝さん:普通のお菓子の世界には、もうたくさんのパティシエがいますから。同じ土俵で勝負する意味は少ないかなと。難しいヴィーガンスイーツという分野だからこそ挑戦したいですし、難しいほど燃える性格なので、今すごく楽しい挑戦になっています。

 

――これから、細貝さんがやりたいことを教えてください。

細貝さん:食に関わる活動は、これからもずっと続けていきたいです。時代の流れに合わせて柔軟に変化しながら、グルテンフリーや米粉など、新しい食文化にも興味を持っています。今の私だからこそできる伝え方で、若い世代に知識や経験を伝えていきたいですね。20年前に自分が受けた感動を、次の世代にも届けられたら嬉しいです。

 

――マクロビオティックを学びたい人の中には、「何をしたらいいかわからない」という方もいると思います。細貝さんが何かひとつ、アドバイスをするなら?

細貝さん:食べることに対する意識を、少しずつ変えてみるといいのかなって思います。週に1、2回でもいいから、まずは自分でお米を炊いてみるとか、お味噌汁を作るだけでも意識が変わっていくんじゃないかなって。まずは食に興味を持って、食べることを大切にしてもらいたいですね。

 

――私も食べることが大切だと、改めて意識することからはじめてみようと思います。

細貝さん:私も、「いただきます」の気持ちを持って感謝して食べることを、これからも大切にしていきたいと思います。ヴィーガンやマクロビオティック関係なく、どんな食事にも自然の恵みや生産者さんの努力があるので。教室を通して、「こうあるべき」という考えに縛られず、いろんな食材や食文化に触れて、食の豊かさを共有していこうと思っています。

 

植物性の食材のみを使った「ポルボロン」。

 

 

 

月に1回ほど、長岡市内で料理教室を開講中。

詳細はInstagramのDMよりお問い合わせください。

細貝 恵子

※最新の情報や正確な位置情報等は公式のHPやSNS等からご確認ください。なお掲載から期間が空いた店舗等は移転・閉店の場合があります。また記事は諸事情により予告なく掲載を終了する場合もございます。予めご了承ください。

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