長岡では珍しい鶏清湯スープで勝負。
「麺の風 祥気」のしおそば。
食べる
2026.08.06
新潟五大ラーメンのひとつ「長岡系生姜醤油ラーメン」発祥の長岡市。その中では珍しく、鶏清湯ラーメンを看板に掲げている人気店が「麺の風 祥気(めんのかぜ しょうき)」です。「ミシュランガイド新潟2020 特別版」でもビブグルマンとして紹介されました。昼営業が終わった時間にお邪魔して、店主の横山さんからオープンのいきさつやお店のこだわり、これからの展望までいろんなお話を聞いてきました。
横山 元気
Genki Yokoyama(麺の風 祥気)
1978年見附市生まれ。病院勤務の傍ら夜間の専門学校に通学。その後様々なラーメン店や居酒屋で経験を重ね、2013年に「麺の風 祥気」をオープンする。夏はゴルフ、冬はスノボを楽しんでいる。
車を購入するためにはじめた、
ラーメン店でのアルバイト。
――横山さんは最初から飲食業の道に進もうと思っていたんですか?
横山さん:それがまったくそんな気はなくって……昼は病院で働きながら、夜は看護師の資格を取るために専門学校へ通っていたんです。
――看護師を目指していたんですね。それなのに、どうして飲食業の道へ?
横山さん:車が買いたかったので、専門学校が終わってからラーメン店でアルバイトしていたんですよ。なんでラーメン店で働いていたのかっていうと、お金がなかったから賄い狙いだったんです。好物のラーメンが夕食に食べられるなんて最高じゃないですか。
――昼夜のダブルワークはなかなかハードな生活ですね。寝る時間がなかったんじゃないですか?
横山さん:当時は若かったから平気だったんでしょうね。でも2年目から専門学校の看護コースが昼間だけになってしまったので、看護師の道を諦めることにしたんです。そのタイミングでアルバイトしていたラーメン店が新しく姉妹店をオープンすることになって、そちらの店長を任されることになりました。
――それでラーメンの道に進むことになったんですね。
横山さん:でもラーメン店だけじゃなくて、居酒屋とかカレーとパスタの店とかいろんな飲食店で働いたんですよ。ラーメン店も新潟県内だけじゃなく、栃木や茨城まで行って経験を積みました。そのいろんな経験が今でも生かされていると思っています。
――今まで身につけてきた経験のなかで、いちばん役に立っているのはどんなことですか?
横山さん:イベント出店で1日1,000杯のラーメンをつくって、たくさんのお客様に対応できるようになりましたね。あとタフさが身につきました。

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生姜醤油ラーメン発祥の地で
鶏清湯ラーメンをはじめた理由。
――「麺の風 祥気」をオープンしたきっかけを教えてください。
横山さん:35歳でオープンしたんですけど、その頃は周りでも独立して自分の店をはじめる人が多くて、僕も独立を勧められていたんです。そんなとき、ご縁があってこの土地に出会って「麺の風 祥気」をオープンすることになりました。
――「麺の風 祥気」って、ちょっと変わった名前ですよね。
横山さん:「嘉祥(かしょう)」っていうじいちゃんの名前と「元気」っていう僕の名前からひと文字ずつ取ったんです。「麺の風」には「長岡に新しい麺の風を吹かせたい」という思いを込めました。
――生姜醤油ラーメンが多い長岡には珍しい、鶏清湯ラーメンを看板にしたのは?
横山さん:仰る通りで、長岡には生姜醤油ラーメンの店がたくさんあるんですよ。自分がいちばん長くやってきたのは背脂醤油ラーメンなんですけど、そちらも有名なお店がいっぱいあるんです。そのなかで同じようなラーメンをやっても、いちばんになるのは難しいだろうなと思いました。
――それで、鶏清湯ラーメンをメインにしたんですね。
横山さん:鶏を使ったラーメンが周りになかったし、東京で流行りはじめていた「淡麗系ラーメン」が新潟にはまだなかったんですよね。年来や性別を問わず、誰にでも幅広く好まれるというのも魅力でした。ただ、それまで豚骨ばかりで鶏ガラを使ったことがなかったので、最初はとても苦労しましたね。
――周りにないラーメンだから、長岡の皆さんは新鮮に感じたでしょうね。
横山さん:ところが最初は全然受け入れられませんでした。長岡ではもっちりした多加水麺が主流なんですけど、うちの麺はスープに合わせた低加水麺なんです。鶏チャーシューもパサパサしないように低温調理でしっとり仕上げてあるので、最初は「生焼けなんじゃないか」と受け入れられませんでしたね(笑)
――ちょっと早過ぎたんでしょうか。それが受け入れられるようになった、きっかけはあったんでしょうか?
横山さん:オープンしてから3年くらい経った頃に、テレビ番組で「しおそば」が紹介されたことで人気が出たんです。


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お店を続けてきたなかでのこだわりと、
新店での新たな挑戦。
――お店を続けてきて、大変だと感じることはありますか?
横山さん:このところ材料費も人件費も上がっているし、求人募集しても人材が集まらないんですよ。定休日でも仕込みに追われることが多いし、好きじゃなければできない仕事だと思います(笑)
――そんななかで、横山さんが心がけていることを教えてください。
横山さん:僕がいちばん嫌なのは、スープや返しの味が昼と夜で違うことなので、味がブレないように気をつけています。
――大事なことだけど難しいんでしょうね。ところで話は変わりますけど、新しいお店がオープンしましたよね。
横山さん:「元祖長岡背脂まぜそば 元」ですね。関東では「まぜそばブーム」が来ているんですよ。よく外食をする年代は10〜20代なので、ボリュームがあってコスパのいい店が受けていることや、スープをつくらなくていいのでコストが抑えられることを考えてオープンしました。
――今度はぜひ、そちらのお店も紹介させてください。
横山さん:店長が面白い男なので、ぜひ取材してやってください(笑)。やりたかったまぜそばの店をオープンしたので。あとは昔ながらの中華そばを思わせる「ちゃん系ラーメン」か、がっつりした豚骨醤油の「二郎系ラーメン」の店をいつかやってみたいですね。


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