築100年の古民家「GUGUGU」で交わるヒト・モノ・コト。
カルチャー
2023.09.22
新潟市中央区の秣川岸通り沿いに佇む、煉瓦造りの平屋。長い間空き家になっていたそうですが、「GUGUGU」という名前が付けられ、今年5月よりギャラリーやイベントスペースとして人が集う場所になりました。オーナーで「株式会社ライフノーレッジ」代表取締役を務める白倉さんと、「ライフノーレッジ」が運営するセレクトショップ「After School」に勤めながら「GUGUGU」でイベントの企画・運営を行なっている根橋さんのおふたりにお話を聞いてきました。


株式会社ライフノーレッジ
白倉 和宏 Kazuhiro Shirakura
1969年新潟市生まれ。「株式会社ライフノーレッジ」代表取締役。ヘアサロン「HURRAH」のトップスタイリストであり、セレクトショップ「After School」も運営。2023年5月に新潟市中央区で「GUGUGU」をオープン。

株式会社ライフノーレッジ
根橋 雄一 Yuichi Nebashi
1989年新潟市生まれ。セレクトショップ「After School」スタッフ兼バイヤー。「GUGUGU」でのイベントの企画や運営に携わる。
テーマは「巡る」「繋ぐ」「紡ぐ」。
――珍しい造りの素敵な建物ですね。ここはもともと何に使われていたんですか?
白倉さん:あまり詳しくはわからないんですけど、築100年ほどの建物で、東京の煉瓦会社のショールームとして建てられたのが最初らしいです。その後は骨董品屋さんを営む方が買われて、しばらく営業していたと聞きました。だから最初に中を見たときは骨董品だらけで足の踏み場もない状態でしたね。
――白倉さんは、何をきっかけにこの建物と出会ったんでしょうか。
白倉さん:住宅として使える場所を探していたときに紹介していただいたんです。でも中を見てみたらお店として使えるスペースがあって、建物の雰囲気もいいですし、そこから発想して「GUGUGU」をはじめることにしました。

――ギャラリーやアトリエとして、いろんな方に使ってもらえる場所にしたわけですね。お店をやりたい方を募集して、店舗にしてしまおうとは考えなかったんでしょうか?
白倉さん:それよりは自分たちがやりたいことをやれる場所にした方が可能性も広がりますし、いろんなクリエイターの方とかとつながりやコミュニティがあったので、そういった人たちに来ていただける場所にしたいなと思いました。アートが好きなんですけど、新潟は展示をする場所もあまりないので、いろんな人に見てもらえたらいいなと思ったのもあります。あとはこの場所ありきなんですけど、新しいものだけじゃなくて古いものをリメイクしたり、アップサイクルしたりできる場所にできたらいいなと。
――「GUGUGU」を運営していくにあたって、根橋さんに協力を頼んだのはどうしてですか?
白倉さん:自分たちの世代よりももうちょっと若い世代とか、彼の周りの人たちからコミュニティとかイベントを作っていけたらいいなという思いがあって。自分のコミュニティだと上の世代の方も多いし、そこで何か作っても下の世代には届かないことが多いので、新潟としても底上げしていける方がいいし、その方が広がりも早いですから。かといって「下の世代の方だけ」というよりは、いろんな世代の方に足を運んでもらって、垣根なく交われる場所にしていきたいです。

――オープンな場所にしていきたい思いが強いんですね。
白倉さん:アートとか、そこに特化しすぎちゃうと入りにくくなる人もいると思うので、展示だけではなくて飲食店の方とかにも来てもらって、どんな方も入りやすい場所にしたいですね。来てもらうことが先なので、そのきっかけが場所やアート、ものや人であればいいのかなって思います。

――ちなみに、「GUGUGU」という名前にはどんな意味が?
白倉さん:「巡る」「繋ぐ」「紡ぐ」の「ぐ」を足して「GUGUGU」です。「巡る」っていろんな意味がありますけど、誰かにとってはゴミでも、誰かにとっては宝になり得るものってあると思うので、そういうものを見せていく場所になったらいいなって。ものだけじゃなくて言葉や文化とか。そういうものも止まってしまうと終わりなので、次の世代に続いて、つながっていくことを大事にしていけたらいいなと思っています。
――この建物にぴったりの名前ですね。
白倉さん:ここができてから近所に住む年配の方からも「久しぶりに中に入ったわ」と言っていただいたんです。建物とか空間にもその方にとっての物語があって、中に入るとそのときの思い出がパッと浮かんでくることもあると思うので、そういうものも大事にしていきたいですね。

イベントのたびに、場の雰囲気も来る人も変わる面白さ。
――オープンしてから、これまではどんなイベントを開催されたんでしょうか。
白倉さん:ビンテージラグのポップアップとかスコーンの販売イベント、あとは加賀美健さんの子供向けワークショップ、刺繍作家さんの個展とか……。まずは認知してもらうことが先なので、いろんなジャンルの方を呼んでいます。
――根橋さんは実際に「GUGUGU」に立つことが多いと思いますが、その中で感じることはありますか?
根橋さん:「GUGUGU」のコンセプトを、僕がいちばん体験させてもらっているような気がしています。スコーンの販売イベントをやったのも、作っている方は専門学生のときから、僕が働いているアパレルショップに来てくれていたお客さんなんです。そういうつながりのあった方が今活躍して、いろんな人に求められているのは嬉しいですね。

――こういう場があると、以前からつながりのある方でも一緒にできることの幅が広がりますね。
根橋さん:それに、そのイベントに来るカフェが好きな女の子とか、主婦の方とか、「After School」の店頭に立っているときは交わることができなかった方とも接する機会を貰って。そういう方が今度はファッションに興味を持ってくれたりして。お互いにつなぎ会える、興味を持ちあえるっていう。それがすごく素敵だなと思いますし、ジャンルレスに人が集まれる場を開催していけたらいいなと思います。

――根橋さん自身、「GUGUGU」を通じてつながりが広がっていくのをよく感じているわけですね。
根橋さん:僕が「ライフノーレッジ」に入ったのも、「こんなことが新潟で体験できるんだ」ということを常にされていた会社だったからなので、それが「イベント」として分かりやすくできる場所ができた感じですね。今月は僕が企画したメガネのオーダー会があるんですけど、僕だけじゃなくて他の誰かの企画をやるのも面白いかなって。企画によって空間の雰囲気も変わるし、来る方も変わるのがいいですよね。
白倉さん:県外の方でも、ここで展示をしたアーティストが別のアーティストに声をかけて「新潟にこういうところがあるよ」「行ってみたら」と言ってもらえるようになったらいいですね。東京にもないような雰囲気で、逆に地方だから残っているような、本当にいい場所だなと思います。価値を高める場所になるように、丁寧に作っていきたいですね。

GUGUGU
新潟市中央区新島町3ノ町2286番3
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