独創的なアジアン料理が楽しめる「東方食堂/酒場 風とパクチー」。
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2023.10.21
タイ料理をはじめ、ベトナムや中華など多くのアジアン料理に使われている「パクチー」。独特な香りのせいか苦手な人も多いようですね。そんなパクチーにこだわった、アジアン料理のお店「東方食堂/酒場 風とパクチー」がJR亀田駅前にオープンしたんだそう。オーナーの志村さんを訪ねて、お店のこだわりやこれからについてお話を聞いてきました。


東方食堂/酒場 風とパクチー
志村 顕 Akira Shimura
1978年新潟市中央区生まれ。居酒屋、韓国料理店、タイレストランで経験を積み、2023年に「東方食堂/酒場 風とパクチー」をオープン。映画館で働いていた経験があり、年間約100本を劇場で鑑賞するほどの映画好き。
ちょっと変わった店名には、どんな意味が?
——「東方食堂/酒場 風とパクチー」って、印象に残る店名ですよね。どんな意味があるんですか?
志村さん:「アジアン」を日本語にしたのが「東方」で、昼は食堂、夜は居酒屋だから「食堂/酒場」にしました。パクチーにこだわったアジアン料理店だから、パクチーはどうしても店名に入れたかったんですよ。
——なるほど。……で、「風」にはどんな意味があるんですか?
志村さん:アジアに吹く「モンスーン」という季節風をイメージしています。「新潟にアジアン料理の風を吹かせたい」とか「店の名が風に乗って遠くまで運ばれてほしい」とか、そういった意味も込めました。

——志村さんはどういういきさつで「東方食堂/酒場 風とパクチー」をはじめることになったんでしょうか。
志村さん:アルバイトをしていた居酒屋で最初はホールを担当していたんですが、支給されるまかない料理を食べているうちに「こんな料理を自分でも作ってみたい」と思うようになって、料理に興味を持ちはじめました。
——それで調理の仕事をはじめたんですね。
志村さん:居酒屋をはじめ、韓国料理店、アジアンレストランで経験を積んできました。美味しい料理が作れるようになったり、魚を捌く技術が身についたりするのが楽しくて、キツいと思ったことはこれまであまりなかったですね。

——独立はいつ頃から考えていたんですか?
志村さん:料理の仕事をはじめてすぐ、いつかは自分の店を持ちたいと思っていました。本格的に考えはじめたのはコロナウイルスが蔓延してからですね。いつどうなるかわからない世の中で、一度きりの人生なんだから後悔のないようにやりたいことに挑戦しようと思ったんです。
——オープンに向けての苦労はあったんでしょうか。
志村さん:開業資金を貯めるためにフォークリフトの資格を取得して、工事車両のアタッチメントをレンタルする会社で働きながら条件の良い物件を探しました。この物件はタイミングよく知り合いに紹介してもらって、駅前で人通りもあるし居抜きで使えたので決めたんです。
——それで今年オープンすることになったわけですね。おめでとうございます。
志村さん:ありがとうございます。でもお店をオープンするのって、お金さえあれば誰でもできることなんですよね。むしろそこから続けていくことが難しいので、ここからが本当のスタートだと思っています。コロナ禍の影響で集客も難しいし、物価も高い状況で飲食店をやっていくのは難しいと思うんですけど、頑張ってチャレンジしていきたいですね。

アジアにこだわった創作的なフードやドリンク。
——数ある料理のなかで、アジアン料理を選んだのはどうしてなんですか?
志村さん:今まで自分が経験してきたなかで、好きな料理がアジアンだったんです。でも「タイ料理」や「韓国料理」というようにジャンルを絞ることはしないで、大きな括りで「アジアン料理」を作っていきたいですね。
——料理のこだわりを教えてください。
志村さん:ジャンルやルールにとらわれない創作料理が多いですね。いろんな食材を組み合わせてみたり、季節ごとに旬の食材を使ったりしています。特にアジアン料理を代表する食材のパクチーにはこだわっています。少しでも美味しいパクチーを探して、福島の農家さんから直接仕入れているんですよ。おかげでパクチーサラダは人気があるし、パクチー盛りやパクチー増しを頼むお客様も多いです。パクチーが苦手な人でも食べられるような料理を目指しています。

——昼と夜ではメニューが異なるんですか?
志村さん:夜はお酒に合うスパイシーなおつまみメニューが多いですし、昼は食事として満足していただけるようなメニューになっています。ランチのお客様が「美味しかったから」と夜にお酒を飲みに来てくれたり、お酒を飲みに来たお客様が「気になったから」とランチを食べに来てくれたりしたら嬉しいですね。
——メニューが分かれていると、お客さんとしては二度楽しむことができるわけですね。オススメメニューがあったら教えてください。
志村さん:「旨辛ひき肉とトッポギのレッドカレーチーズ焼き」かな。トッポギのソースにアジアンカレーを使ってチーズ焼きした、オリジナルの創作料理です。その一方で「四川麻婆豆腐」は王道の本格中華料理なんですよ。昼夜どちらも提供している「タイラーメン」は、ランチタイムのお食事にも、お酒を飲んだ後の〆にもぴったりなメニューです。

——もしかして、お酒もアジアにこだわっていたりします?
志村さん:かなりこだわっていますね(笑)。韓国のドラマや映画によく登場する「チャミスル」っていう韓国焼酎やタイの「シンハービール」、シンガポールの「タイガービール」を飲むことができます。アジアン料理に合うのは、やっぱりアジアのお酒だと思うんですよね。それ以外のお酒を飲みたいお客様は他のお店にお任せして、うちはアジアンカラーを貫くことにしています。逆にいえば「東方食堂/酒場 風とパクチー」じゃなければ、なかなか飲めないお酒にこだわりました。
——日本の飲食店ではあんまり目にしないお酒ですよね。
志村さん:他にないお酒と言えば「美酢(ミチョ)サワー」があります。韓国で人気の「美酢」っていうフルーツ甘酢を焼酎と組み合わせたオリジナルサワーなんですよ。レモンやざくろ、マスカットなど、いろいろな味を楽しむことができます。女性向けに作ってみたんですけど、意外と男性受けしているんです(笑)
——甘酢とサワーって、相性が良さそうですもんね。夜は居酒屋としても利用できるから、お座敷もあるんですね。
志村さん:自分のお家で飲んでいるように、くつろいで過ごしていただきたいんですよ。そのためにテレビもご用意しておりますので、みんなで野球やサッカーを観戦したりしながら、お酒やお料理を楽しんでいただきたいですね。

——それは盛り上がりそうですね。最後に、今後やってみたいことがあったら教えてください。
志村さん:やってみたいことは、いろいろあるんです。年末に向けて予約制でアジアン料理のオードブルを予定していますし、期間限定のランチイベントも企画中です。Instagramで告知していきますので、ぜひチェックしていただきたいですね。

東方食堂/酒場 風とパクチー
新潟市江南区東船場2-1-19
025-383-8889
11:30-14:00/17:30-21:30(金土曜は22:00まで営業)
不定休
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