石垣島の美しい海を再現する「ヤマトパパ」のレジンアート。
ものづくり
2025.09.02
今年の夏も暑い日が続き、多くの人が涼を求めて海を訪れたのではないでしょうか。今回紹介する「ヤマトパパ」こと鈴木さんは、旅行で訪れた石垣島の海に魅了され、レジンアートでその美しさを再現をしているうち、注目されるようになったレジンアーティストさんです。娘さんのわかなちゃんと展覧会を開いている田ノ浦海岸のカフェにお邪魔して、レジンアートをはじめたきっかけや作品へのこだわりを聞いてきました。


パパとわかなのレジンアート工房
鈴木 英明 Hideaki Suzuki
1967年埼玉県生まれ。東京でコンピュータプログラマーや高所作業員を経験後、結婚を機に移り住んだ新潟で高所専門ガラス掃除の会社を起業。旅行で訪れた石垣島の海に感銘を受け、その魅力を再現するために娘のわかなちゃんとレジンを学び、独自のスタイルを確立する。2023年より「パパとわかなのレジンアート工房」として親子で活動をスタート。パリのルーブル美術館をはじめ数々の展覧会に出品する他、講師としてレジンアートの技術を多くの人に伝えている。乗り鉄をはじめ多趣味。
海の女神から授かった技術。
——日本海の見える場所で、石垣島をモデルにしたレジンアートの作品が見られるとは……。
鈴木さん:僕の作品をこちらの社長が気に入ってくれて、ギャラリースペースを使わせてくれることになったんだよ。元は民宿だった建物だから期間中はずっと二階を借りて、泊まり込みで展覧会を開いてきたんだよね(笑)。僕と娘の他に生徒さんの作品も展示しているんだけど、レジンアートの作品がこれだけ集まっている展覧会っていうのは、なかなか他にはないと思うよ。
——こうして見ると圧巻ですね(笑)。鈴木さんはレジンアーティストを本業にしているんですか?
鈴木さん:僕は高所作業専門のガラス清掃会社を経営しているんだよ。最初は東京でコンピュータプログラマーをやっていたんだけど、ずっと閉じこもっている仕事に疲れちゃって、屋外で働く開放的な仕事をしたいと思ってさ。それで高いビルのガラス清掃をする会社に転職して、結婚を機に新潟へ来てからは独立して会社を起業したんだよね。

——どうしてレジンアートをはじめることになったんでしょうか?
鈴木さん:2年半前に娘と石垣島へ旅行したとき、あまりに美しい海に感動したんだよ。写真や動画を撮影したんだけどそれだけでは満足できなくて、海をそのまま切り取って持ち帰りたい衝動に駆られたんだよね。それで石垣島の海を再現するために親子でレジンアートをはじめたってわけ。
——レジンアートには触れるのははじめてだったんですか?
鈴木さん:そもそも「レジンアート」なんて言葉すら知らなかったから、最初は「レンジアート」だと思っていて(笑)、電子レンジを使って何かつくるのかと思ってたんだよ。でもすっかりレジンアートの魅力にハマっちゃって、自宅を改築してアトリエとギャラリーをつくったし、半年の間に7人の先生から教わったんだよね。

——すごい情熱ですね(笑)
鈴木さん:ただレジンの性質上、厚みのある表現にはどうしても限界があったんだよ。海中を表現するためにはどうしても厚みが必要だったから、試行錯誤を繰り返して。そしたら立体的なレジンアート作品を生み出すことに成功しちゃったんだよね。例えるなら、すごいケーキをつくるレシピを開発しちゃったパティシエみたいな感じだね(笑)
——かなりの苦労があったんじゃないですか?
鈴木さん:たくさん失敗をして生み出したんだけど、その失敗すべてが海の表現に生かされているんだよね。それはもう奇跡みたいなもので「海の女神から授かった技術」だと思っているんだよ。

海には、人それぞれの思い出が溶け込んでいる。
——鈴木さん親子のレジンアート作品は、いつ頃から反響を呼ぶようになったんでしょう?
鈴木さん:最初は作品をインスタグラムに投稿して紹介していたんだよ。そしたら購入を希望する人や技術を教わりたい人から思った以上の反響があって、それで作品の販売やレジンアート教室をはじめることにしたんだよね。
——それだけ多くの人の心を動かしたんでしょうね。
鈴木さん:2023年に国立新美術館で開催された「躍動する現代作家展」に娘と作品を出展してみたんだよね。ジャンルを問わずに素人でも出展できる国際的な作品展なんだけど、そこで親子揃って入選することになって、さらに「躍動する現代作家賞」を受賞することができたんだよ。娘は当時まだ8歳だったから、史上最年少での受賞だったんだよね(笑)

——それはすごい!
鈴木さん:僕らの作品は光を当てることで完成する空間芸術だから、展示の際にもライトアップをしてもらったんだけど、今まで見たことのない美しさに、作品の前を離れない人や、感動して涙を流す人までいたんだよ。海には楽しかったり悲しかったり、人それぞれの思い出が溶け込んでいるのかもしれないと思ったね。
——なるほど。
鈴木さん:その後はパリのルーブル美術館に招かれて、作品を展示してもらったよ。美術には油絵や水彩画、彫刻、陶芸などなどいろんな分野があるけど、新しいジャンルが誕生したと思っているんだよね。

——まだレジンアートをはじめて2年くらいなのに、すごい勢いで注目されていますよね。これからは、どんなふうに取り組んでいくつもりですか?
鈴木さん:ここ1〜2年で千年分は褒められた気がしてる(笑)。僕にとっては石垣島の美しい海を再現することがゴールだったから、ある程度達成することはできたんだけど、まだまだブラッシュアップすることができると思っているんだよね。だからこれからも技術を磨いて、それをたくさんの人に伝えていけたらいいなと思っているんだよ。

ヤマトパパ
Advertisement
関連記事
ものづくり
女性だけでブランド牛の「遠藤牛」を飼育する「遠藤ファーム」。
2024.11.28
ものづくり
驚きを与えるメガネを作る、アイウェアブランド「SAY-OH」。
2022.03.28
ものづくり
オール見附を目指すブルワリー「MITSUKE Local Brewery」。
2019.09.22
ものづくり
それぞれのヒトにフィットした空間を提案する「エチヲアーキ」。
2019.11.17
ものづくり, 僕らの工場。
僕らの工場。#12 「株式会社 G.F.G.S.」のプロダクト
2020.02.29
ものづくり
古材とアイアンを組み合わせた「S.W.D+s-plan」の家具たち。
2020.03.07


