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魅せる側、観る側どちらも気軽に。ギャラリー「STACK-BOARD」。

新潟市の明石通り沿いにある「STACK-BOARD」。「創る人を応援したい」と、プロ、アマ、ジャンル問わず、作家さんが作品を発表、販売できるギャラリーです。アートを楽しむ側にとっても気軽に訪れることができる場所で、オーナーの長北さんは「絵のある雑貨店」のような気持ちで足を運んで欲しいと思っているのだそうです。今は企画展「Monotone」を開催中(〜10月20日まで)。芸術の秋に、誰でも入りやすいギャラリーでアート作品に触れてみてはいかがでしょう。

 

STACK-BOARD

長北 美佐子 Misako Nagakita

1970年長岡市生まれ。デザイン系の専門学校を卒業後、印刷会社へ就職。2016年「STACK-BOARD」オープン。フリーのグラフィックデザイナーとしても活動中。カフェ巡りが好き。ただいま、日本画講座に通い中。

ギャラリーのイメージを払拭。学校の文化祭気分で、アートを楽しむ。

——まずはじめに、「STACK-BOARD」さんがどんなお店なのか教えてください。

長北さん:ひとことで言うと「ギャラリー」です。レンタルギャラリーとして運営していて、私たちは作家さんたちに発表の場を提供しています。あの……、こちらからも伺いたいんですが、そもそも「ギャラリー」にはどんなイメージをお持ちですか?

 

——ええっと、アートが飾ってある場所というか、美術館みたいなイメージというか……。

長北さん:きっと堅苦しい印象を持たれる方は多いと思うんです。でもここは、「気軽な場所」なんですよ。私自身、ギャラリーを訪れるときは緊張してしまって。なんだかこう、妙に力が入ってしまうんですよね。でもここでは、気兼ねなく芸術作品を楽しんでほしいと思っています。

 

——展示会みたいな場所に行くとき、どうしても「美術の知識があった方がいいんじゃないか」って気持ちになるんですけど、その迷いは取っ払っていいわけですね。

長北さん:どうぞ気軽にいらしてください。学校の文化祭に行くみたいな気持ちで大丈夫ですので(笑)

 

——そう聞くと、すごく遊びに行きやすいです。

長北さん:それともうひとつ、作家さんの側のお話もしますね。ほとんどのギャラリーさんは、「選ばれている作家さん」の作品を扱われています、でもここは「どなたでも作品を発表できる場所」です。オープン時からそのコンセプトに変わりありません。

 

 

——ホームページを拝見したら、企画展への出展募集がされていました。なるほど、そういうことだったんですね。

長北さん:「選ばれる作家」でなくても、作品を発表する機会を求めている作家さんはたくさんいます。「皆さんの受け皿になりたいな」という思いがあります。

 

——作ったものを見てもらいたいという気持ち、作家さんなら当然ありますよね。

長北さん:趣味として、また定年後の楽しみとして作品をつくっている方も多いですよ。図書館みたいな公共のスペースでも作品の展示が可能ですが、販売はできないルールになっています。「STACK-BOARD」では、参画料をいただいた上で作品の展示と販売もすることができるんです。自分の作品が売れるかどうか、チャレンジできる場所でもあります。

 

白黒の世界が広がる、企画展「Monotone」開催中。

——同じような展開をしているところって、もしかしてあまり多くないのでは?

長北さん:県内には、ほとんどないかもしれません。ちなみに今回のオリジナル企画展「Monotone」では、県内外から25名の作家さんにお申し込みをいただきました。

 

——えぇ! 25名も。「STACK-BOARD」さんが、いかに支持されているかわかります。

長北さん:最初の頃は、もっとゆったりした感じだったんですよ。でもお店を続けるためにも、関わる作家さんを増やす必要がありました。コロナ禍には、オンライン展示会も開いてみたんですよ。その結果、素敵な出会いに恵まれてすごく楽しいです(笑)

 

 

——今回のような企画展は、どれくらいのペースで開催しているんですか?

長北さん:企画展は、個展の合間に開催することが多いんです。おおよそ3ヶ月前から準備をして、作家さんたちにご案内します。作家活動もしているスタッフがいて、彼女が他の作家さんからリクエストを聞いてきてくれて企画が実現することもあります。

 

——そうか、個展利用の手もありますね。

長北さん:個展の会場としてもご利用いただいています。もちろん「著名な作家さんに限らず」です。少し前ではありますが、高校生作家さんふたり組に個展の申し込みをいただいたこともありますよ。

 

作品発表の場を守り続ける、「絵のある雑貨店」。

——そもそも、どうして「気軽に利用できるギャラリー」にされたんですか?

長北さん:夫婦で「何かお店をはじめてみよう」と決めました。私はグラフィックデザイナー、夫は印刷会社で美術出版関連の仕事もしていたので、お互いの得意分野を生かして楽しめるのはギャラリーだろうと話がまとまったんです。それに夫は、「創る人を応援したい」と考えていたんですね。そのコンセプトではじめたところ、作品発表の場を求めている作家さんが想像以上に大勢いるとわかりました。今では、作家さんの発表スペースを守るために、このギャラリーを開けていると思っています(笑)

 

——「STACK-BOARD」さんで企画展をして、さらに飛躍された作家さんも多いのでは。

長北さん:どなたかが「『STACK-BOARD』は、ファーストステップを踏める場所」と表現してくださいました。言葉の通り、ここのハードルは「跨げるくらい」にしています。作家さんが「企画展ってこんな感じなのね」と自信をつけるにはぴったりの場所。その結果、次のステップに挑戦される方もいます。

 

——来場する側が気軽に来れるように、いろいろな工夫をされていると思います。

長北さん:イベント情報を集約しているサイトにも登録しています。先日はその情報を見て、カップルが足を運んでくれました。私、「よし! やった」って大喜びしちゃって(笑)。気軽に、雑貨店を訪ねるような感覚で来てもらえたらと思っているんです。「絵のある雑貨店」のつもりで営んでいる「ギャラリー」です。

 

 

——長北さんは、グラフィックデザイナーとしても活動されています。ご自身の作品を展示することもありますか?

長北さん:私は、基本的には裏方です。絵を描くことは昔から好きですが、趣味の範囲で楽しんでいます。今は、企画展のレイアウトが自分の作品みたいなものでしょうか(笑)

 

——展示会の他にもワークショップの開催などもできるそうですね。

長北さん:ワークショップ、アパレルの予約販売会、小規模であればコンサート会場として使っていただくこともあります。こういう企画は入りやすさを醸し出してくれますし、多くの方に「STACK-BOARD」を知っていただくきっかけにもなります。「ギャラリー」という軸のもといろいろな使い方ができますので、ぜひご相談ください。

 

 

 

STACK-BOARD

中央区明石1丁目6-23

025-248-7050

営業時間:10時~17時(13時~14時休憩)

定休日:火・水

※イベント開催時は定休日、営業時間が異なります。

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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