自分たちらしいこだわりのキャンプスタイルを、Instagramを中心に発信し続けている女性8人組のユニット「GOOD MELLOW CAMP(グッドメローキャンプ)」。ラグジュアリーなアウトドアスタイル・グランピングの枠を飛び越え、このユニットにしか作れない独自のキャンプスタイルを確立しています。「とにかくキャンプを楽しんでいる」そんな彼女たちの活動について、リーダーであるPEKOさんにお話をうかがいました。
GOOD MELLOW CAMP
PEKO
1987年新潟生まれ。長岡農業高等学校卒業。グラフィックデザイナーやプロダクトデザイナー、カメラマンなどの経験を生かし、「GOOD MELLOW CAMP」のリーダーを務める。音楽フェスに行くのがとにかく大好きなキャンプ女子。
――キャンプとは思えない素敵な料理や装飾のされた空間の様子がInstagramに投稿されていました。「GOOD MELLOW CAMP」とは、どんなユニットなんですか?
PEKOさん:30代のキャンプ女子8人が集まって、みんなで決めたテーマに沿ったキャンプを楽しむユニットが「GOOD MELLOW CAMP」です。普段はみんな、メイクアップアーティスト、カメラマン、保育士、介護士などそれぞれの仕事をしているので、週末にキャンプを楽しんでいます。
――キャンプのテーマを決めるんですか?
PEKOさん:そうなんです。Instagramでの発信は大前提なので、まずはキャンプに着ていく服装やアイテムの色合いから決めていきます。それに合わせてどのテントを使うか、どんな雑貨で装飾するかなど、設えを決めて。みんな、いろいろなアイテムを持っているので組み合わせを考えるなど、平日は作戦会議ばかりしていますね(笑)。
――凄いですね(笑)。ちなみにテーマに合わせて料理も決めるんですか?
PEKOさん:もちろんです。1人1品は必ず作って、他に「朝ごはん担当」や「つまみ担当」なども振り分けています。いろいろな種類のビールを楽しむ「ビールの日」とか、ワインに合わせた料理を主体とする「ワインの日」とか、料理に合わせたテーマのときもあります。みんな凝り性なので、とにかく1回のキャンプに全力投球しています。
――もうキャンプの域を超えていますね(笑)。ちなみに、みなさんはどうやって結成されたんですか?
PEKOさん:野外フェスで仲良くなったキャンパーたちなんです。女子なのにやたらキャンプにこだわっている人たちなので、キャンプサイトで意気投合して。一緒にキャンプしているうちに結成しました。
――類は友を呼ぶ、ってことですか。一見、キャンプなんて無縁そうに見えますが、みなさん、テントをたてるなんて朝飯前なんですよね?
PEKOさん:余裕ですね(笑)。でも、キャンプなんてしなそうな格好ではじめるので、おじさんキャンパーは心配して見に来てくれます。テントをたてられるか心配なんでしょうね。でも、サクッとたてちゃいます(笑)
――キャンプ能力が高いのはわかりました。料理ってどんなメニューを作っているんですか?
PEKOさん:ん~全部は覚えてないですけど、たぶんこれまで50種類以上はありますね。丸鶏にお米を詰めて野菜をたっぷり入れたダッチオーブン料理や、ちょっと珍しいビーツを使った生春巻きとか、あと旬の食材を使った季節感のある料理も作るように意識しています。
――生春巻きって、キャンプで食べられるメニューじゃないですよね(笑)
PEKOさん:そんなこといったら、揚げ物だってしますよ。串揚げパーティーをしてみたり、つまみにフライドポテトを揚げることも。あっ、天ぷらもしました。
――いやいやいや…キャンプで天ぷら…。本当ですか?
PEKOさん:キャンプをするときに、屋台があったら楽しいよねって話になって。車に乗せられる設計で「天ぷらスタンド」を作ったんです。
――作ったって、まさか自分たちで?
PEKOさん:さすがにそこまでは(笑)。クラウドファンディングよりも手軽にできる、フレンドファンディングって知っていますか?それで募って、専門の方に作ってもらいました。移動できるので、どこでも天ぷらが楽しめますよ。
――やりたいことは何でもキャンプと結びつけるのが「GOOD MELLOW CAMP」のキャンプスタイルなんですね。
PEKOさん:活動しているなかで、常に新しいキャンプスタイルを提案し、キャンプをしてみようかなって思う人たちが増えてくれたらと素敵だなと思っているので。ちなみに、「天ぷらスタンド」を使って、今度はおでんをします。楽しそうじゃないですか??
――「GOOD MELLOW CAMP」として、お仕事もされているんですよね?
PEKOさん:はい。地域ブランディングのお手伝い、アウトドア商品のPR、フェスやイベントでのPRを中心に、Instagramを通して私たちのキャンプスタイルに興味を持ってくださった方からご依頼いただいています。
――具体的にはどのようなことを?
PEKOさん:アウトドア商品を使って、「GOOD MELLOW CAMP」らしいキャンプをしてInstagramで発信したり、結婚式をキャンプスタイルに設える依頼がありますね。これからイベントの開催も予定しています。
――イベントですか?一緒にキャンプをしたり?
PEKOさん:長岡市にある東山で「森の映画祭」というイベントを企画しています。昼間はマルシェを開催して、夜はテントのなかにバーを作って新しい日本酒の飲み方を提案したいです。そして夜には「ムーンライズ・キングダム」というおしゃれなキャンプ映画を上映します。もちろんキャンプもできますよ(笑)
――キャンプをしながら観る映画、憧れますね。絶対、楽しいじゃないですか。
PEKOさん:普段のキャンプでも、映画を流しています。そうすると子どもが集まってきて、とってもハッピーな空間になり。そんな空間がみんなで共有できたらと思い、イベントを企画したんです。
――素敵なイベントになりそうですね。これから「GOOD MELLOW CAMP」としてチャレンジしてみたいことはありますか?
PEKOさん:女子向けのキャンプ用品を作りたいですね。家でもキャンプでも使える、かわいいアイテムを。あと、ビンテージのミリタリーテントを分解して、刺繍入りエプロンの制作をすすめています。このエプロンをしっかりとリリースできるように頑張りたいですね。
――キャンプなんだけど、どこか違うエッセンスを取り込んでいるのは、「GOOD MELLOW CAMP」らしさがありますね。最後に、これからキャンプをしてみたいと思っている人たちへメッセージをお願いします。
PEKOさん:キャンプは海、山、川など、どこでも楽しめます。なんなら庭でも。最近知り合った農家さんの畑でキャンプしたこともあります。いつでも、どこでも楽しめる、最高の遊びがキャンプです。「GOOD MELLOW CAMP」は、そんなキャンプが大好きなキャンプ女子がとにかくこだわりを集めて、どれだけ楽しく、新しいキャンプスタイルを提案できるかを目的として活動しています。こうでなければキャンプでない、そんな決まりなんてないので、自分の楽しいこととキャンプを合わせてチャレンジしてみてください。私たちも、キャンプの可能性をどんどん発見し、発信していきたいと思います。
小学生の頃に、父から連れて行ってもらったキャンプが最後の記憶。もう20年ほども昔なので、定番のカレーを作って、BBQを楽しむのがキャンプだという固定観念をもっていました。しかし「GOOD MELLOW CAMP」のInstagramで発信されている写真を見ると、まるで撮影用に設えたワンシーンばかり。話を聞けば本当にキャンプもしているし、むしろ本格的。5分に1回のペースで驚かされた今回のインタビュー。帰宅してからAmazonでテントを検索したのは内緒です。
GOOD MELLOW CAMP