クスっと笑える話から、下世話な話まで。<古町編>

居酒屋で聞いたあんな話。こんな話。<古町編>

居酒屋で、バーで、夜のお店で…お酒の酔いが回るにつれ、つい口から出てしまうあんな話やこんな話。酔った勢いでついしてしまったあんなコトやこんなコト。深夜2時過ぎ、居酒屋のカウンターから聞こえてくるエピソードを、Things編集部スタッフの仲良し店員さんにこっそり教えてもらう短期連載「居酒屋で聞いたあんな話。こんな話。」。三回目は古町編。古町居酒屋でほんとにあったヒマネタ、こっそり教えちゃいます。

 

古町でチラッと聞いた、クスっと笑える話。

愛人と旅行中に現れた、立ち上がる男。

 

小金持ち感が漂うダンディーな初老男性と、ブランド物をこれでもかと持ち歩く若くて派手めな女性。この組み合わせを見かけたら、大半はキャバクラの同伴か、愛人関係、もしくはパパ活のどれかだろう。そんな組み合わせの男女がカウンターで繰り広げた「不倫旅行」の思い出話。彼らの行先は宮城県仙台市だった。牛タンなどを食べ歩き、向かった先は女性のリクエストであろう「仙台プレミアムアウトレット」。「これカワイイ~」「欲しいのか?買ってやろうか?」といった定番のやりとりがあったのは想像にかたくない。旅行したのはちょうど連休だった。混雑しているアウトレットの敷地内は、歩くのさえひと苦労。そんななか、彼らの後方に突如現れたのが、車椅子に乗った60代の男性とその妻。我が物顔で場内を進む車椅子夫婦は、なんと初老男性に突撃した。しかも足を擦り剝いてしまった男性を横目に、何ごともなかったかのように道を進んでいったとか。ぶつけられた男は「待てよ!」と声を荒げた。しかしその車椅子の男性は悪びれる様子もなく知らんぷり。そのかわり怒る男に食ってかかったのは車椅子夫婦の妻の方だった。「謝ればいいの?はいはい、すいませんでしたね。」その態度はもちろん火に油をそそぐ格好に。ぶつけられた不倫中の男の怒りはさらに燃え上がる。すると、ついに車椅子の夫が行動に出た。なんと車椅子からスッと立ち上がり、「謝っているだろ!」と言い放ったのだ。まわりはみんな唖然呆然。横にいた妻は気まずい面持ち。全員の気持ちは「え?立ったよ?歩けるの?」。おとなしく座ってなさいと言う妻に対して、申し訳なさそうにする夫。夫婦から「すみませんでした」としっかりと謝罪を受けるも、もう何に対しての謝罪やら。不倫旅行という後ろめたい旅行の最中、「歩けないふり」を演じていた夫婦との出会い。隠しごとがバレるときの惨めさ、恥ずかしさを知ったのだとか。

 

古町で聞こえてきた、ちょっとエッチな、でも心あたたまる?話。

男のユートピアに入店したものの、そこで過ごした時間は…。

 

デパートや区役所などが立ち並ぶ古町は、夜になると大人の街へと変貌する。8番町の通りは、右も左も飲み屋やキャバクラ。ちょっと裏路地を抜ければ風俗店など、大人の夜遊びにはもってこいの場所だ。そんな「大人の楽園」へと繰り出したサラリーマン2人組の物語。その日は土曜日。早めの時間帯から飲み始め、日をまたぐ頃にはヘベレケに。最終ゴールとして向かった先は、もちろん路地裏にある、ネオンの光るユートピア。どこで今日という日を締めくくろうかと物色し、出会ったキャッチのお兄さんと意気投合た後、ある店舗へ意気揚々と入店した。「おっぱいは大きい方が好き」「身長は高い方が好き」などと各々に好みを伝えて、いざ待機。「失礼しま~す」と黄色い声とともに暗がりから女性が入室。ん?ちょっと年齢が…と思いつつも、暗くて判断しかねる。でもよーく目をこらして近づくと、そこには見覚えのある顔が。ふたりして目を見合わせ「こんなとこで何してるの!?」とハモッたのだった。それもそのはず、現れたのは、なんとサラリーマン男性の姉。事情を聞けば、単なる小遣い稼ぎというではないか。弟にしてみれば、さすがに姉にサービスをしてもらうわけにもいかない。当然姉にしたって、弟にサービスするわけにもいかず。ただただ自宅の食卓で会話するかのような、「どこで飲んでたの?」「最近、仕事どう?」など、たわいもない会話で終える45分間。ピピピと鳴ったタイマーの音と同時に、姉から手渡された5,000円札。「これで飲み直しなよ」のヒトコト。あまり実家に帰っていないサラリーマン男性にとって、姉との再会は2年ぶりだった。久しぶりに家族らしい会話を繰り広げ、姉から小遣いをもらう、ちょっと懐かしい時間を「異空間」で過ごした。ムンムンの下心からはじまったその時間は、家族のあたたかさを再確認する時間へと変わったとか。いつまでたっても家族は家族。でもさすがに、こんな場所で…。

 

古町で聞いちゃった、ダメ社員のみじめな失恋話。

憧れのヒト。でも地位も名誉もない僕の気持ちは絶対に届きません。

 

仕事ができて、美人で、気遣いができて、いつでもキラキラしている憧れの女上司。女性であるというハードルなど軽々と飛び越え、会社で昇進していくその姿はまるでテレビドラマに出てくるヒロインのよう。そんな彼女に恋い焦がれる、ダメ社員の男。「今度、飲みに連れて行ってくださいよー」と幾度となくお願いしても、「今度ね」と軽くあしらわれ、相手にしてくれない。さてある夜のこと。華の金曜日だからと、会社の同僚と一緒に飲みに出かけたダメ社員くんは、焼き鳥を食べてビールを飲んで、古町をプラプラと徘徊していた。会話の中身は、もちろん憧れの女上司のことばかり。酔いが回るにつれて、振り向いてくれない彼女に対して愚痴っぽくなるものの、でもやっぱり「キレイだよな~」と終始デレデレしている自分自身に酔いしれていた。次はどの店に行こうかと、またしても古町の路上をプラプラしていると、ちょっと離れた店から出てきたのは憧れのあのヒト。それはもう、「運命」としかとらえないダメ社員。気分はルンルン。声をかけて誘って一緒に飲むかと、ホップ・ステップ・ジャンプで彼女の方へと向かった矢先、後ろから親し気に出てきたのは、なんと女上司の上司ではないか。つまりダメ社員にとっても上司にあたるヒト。会社の実権を握っている男性幹部である。…ボクは何も見ていない。サッと路地裏に隠れ、スタートしたのは探偵ごっこ。憧れの女上司と幹部男は手をつなぎ、寄り添い、見てもいられないくらいに…。「ああ、もうこの恋は終わったな…」という思いの後、女性の武器を最大限に利用した「昇進劇の裏側」を目撃したショックがじわじわとやってきた。幹部男に対して「なんだよ、しょせん権力で捕まえた女だろ」と言いたくなるが、地位も名誉も男のステータス。ダメ社員のままじゃ欲しいものは手に入らない。その現実に打ちのめされた夜だったとか。


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