盛り付けにこだわり、健康を意識したワンプレート料理の教室があるという話を聞き、三条市の下田地区にある「Aoyama邸」を訪ねました。講師の青山さんから時間をいただいて、お料理や教室についてお話を聞いてきました。
Aoyama邸
青山 珠江 Tamae Aoyama
1961年三条市(旧下田村)生まれ。音楽の専門学校を卒業後、自宅でピアノ教室をはじめる。2013年に調理師免許を取得し料理教室をスタート。料理以外では手芸や韓国ドラマを楽しんでいる。
——料理教室の様子を見せていただき、和気あいあいとして楽しそうだなと感じました。
青山さん:ありがとうございます。自宅キッチンを使っていることもあって、アットホームな雰囲気のなかでわいわいと楽しみながらお料理しています。私も一緒に作っているんですけど、生徒さんから使われることも多いんですよ(笑)
——それも含めて楽しそうですね(笑)。青山さんは昔からお料理が得意だったんですか?
青山さん:お料理の得意な母が食事を作ってくれていたので、私はまったく料理をしたことがなかったんですよ(笑)
——えっ、そうだったんですか。てっきりお料理が好きだったり、飲食店で働いたりしていたのかと思いました。
青山さん:私は小さいときからピアノを習っていて、音楽専門学校で勉強した後は自宅でピアノ教室をやっていました。バブル景気の頃ということもあって、週に60人教えていたこともあるんですよ(笑)。今でもお料理と並行してピアノ教室を続けているんですけど、今後は新規の生徒を取らないことにしています。
——もともとはピアノの先生だったんですね。それがどうしてお料理の先生になったんでしょうか?
青山さん:母が体調を崩してしまったので、私が家族の食事を作るようになったんです。ほとんどお料理をやったことがなかったので、最初は惣菜を買ってきて食卓に出していたんですけど、母の手作り料理に慣れていた家族にはかなり不評だったので、お料理を習いはじめました(笑)
——その青山さんが、今では人にお料理を教えているんですね(笑)
青山さん:そうなんです(笑)。すっかりお料理の楽しさにハマってしまい、お料理に関わるお仕事をしたいと思ったので調理師免許を取得しました。飲食店をオープンすることも考えたんですけど、お客様が少ないと営業していけないから、ひとりでも生徒さんがいればレッスンできる料理教室を選んだんです。
——青山さんはどんなことにこだわってお料理を教えているんですか?
青山さん:ひとつのお皿に盛り付けられるワンプレート料理にこだわっています。
——それはどうして?
青山さん:忙しいママさんの仕事を少しでも減らしたかったんです。ひとつのお皿でお料理を盛り付ければ、洗い物も少なくて済むじゃないですか。うちの教室に来るのは40代以降の女性が多いので、いろんなお料理を少しずつ食べられることも魅力ですね。
——なるほど。ではワンプレート料理を作る際に、気をつけていることはあるんでしょうか?
青山さん:「今日は中華料理」「今日はカレー」というように、ワンプレート料理であってもテーマを決めて、統一感は守るようにしています。あと「食べたい」と思ってもらえるように、美味しそうに見える盛り付けを心掛けていますね。
——盛り付けのコツはあるんですか?
青山さん:私の場合は最初にご飯の位置を決めて、その次にメイン料理をどこに盛り付けるか考えます。あとは色合いを見ながら副菜を配置していくんです。
——見た目も鮮やかで美味しそうですね。
青山さん:ありがとうございます。もうひとつこだわっているのは、健康を意識しながらお料理を作るということです。最初は薬膳を取り入れたお料理を教えていたんですけど、「薬膳料理」って聞くと漢方を使ったお料理をイメージして敬遠する人が多いんですよ。
——季節の食材を上手く取り入れることで、その効能を健康に生かすのが薬膳料理でしたよね。
青山さん:そうなんですよ。でも誤った認識で敷居が高く感じられてしまうので、最近は塩麹を使ったお料理を勧めています。塩麹ひとつで他の調味料を使わずに味を決めることができるし、整腸作用をはじめ、ダイエットや美肌にも効果が期待できるんです。
——簡単に使えて身体にもいいんですね。
青山さん:特にきのこ麹はイチ推しです(笑)。これさえ作っておけば、お湯で薄めるだけで簡単にスープができちゃうんですよ。
——それは便利ですね。ところで、これからやってみようと思っている料理はあるんでしょうか?
青山さん:パン教室をはじめます。コロナ禍をきっかけにオンラインレッスンが増えていますけど、さすがに料理教室はオンラインレッスンが難しいんですよ。でもパン教室ならなんとか教えることができると思ったんです。とはいっても、オンラインレッスンの方はひとりも生徒が集まらなかったんですけどね(笑)
——どんなパン作りを教えてもらえるんですか?
青山さん:こねずに作れてふわふわ食感が楽しめる「楽ふわパン」です。こねる作業がないからケガや病気で腕や肩が痛い人でも作れるし、時間がかからないからスキマ時間に作ることができるんです。この製法を使っている人はまだ少なくて、新潟では今のところいないんじゃないかな。
——へぇ〜、気になりますね。
青山さん:残念ながら今年の生徒募集は終わっちゃったんですけど、興味のある方はインスタグラムから連絡いただけたら対応を考えますよ。
——「レッスン」というより「サークル」みたいなノリの教室ですよね。
青山さん:お料理が完成したら、味見を兼ねてみんなで食べるんです。その後はお茶を飲みながら、お料理談義や飲食店の情報交換を楽しんでいます。
——ますます「サークル」ですね(笑)
青山さん:参加してくれたみんなには笑顔で帰ってもらいたいんですよ。日常を少しでも忘れて楽しんでいただいて、息抜きの時間にしてもらいたいと思っているんです。だからお子様連れでの参加はご遠慮いただいています。まわりの方々も気を使ってしまうし、ご本人も落ち着いて楽しめませんからね。
——息抜きの時間を提供しているわけですね。
青山さん:でも息抜きするだけじゃなくて、覚えた料理は家庭で役立ててほしいですね(笑)。ここで教えている料理は、スーパーで手に入る食材だけを使っているんです。料理って難しいものじゃないということを知ってほしいし、自分でも手作りして楽しんでほしいと思います。
——なるほど。
青山さん:毎週月曜に公式LINEで「あと一品ほしいときの簡単レシピ」を配信しているんです。インスタグラムのリンクから見ることができますので、そちらもぜひ参考にしていただきたいです。
Aoyama邸