個性的な花が並ぶ、美術館みたいなお花屋さん「Atelier 景色」。
ものづくり
2022.03.21
「個性的で洗練された雰囲気のお花が買える」ということで、新潟県外のファンも多い「Atelier 景色」。これまでオンライン販売やイベント出店を中心に活動されてきた花屋さんですが、その実店舗が新潟市東区の石山でオープンしたと聞いて、早速行ってきました。今回は店主の亀山さんに、お店をはじめることにしたきっかけや、花へのこだわりについてお話を聞いてきました。


Atelier 景色
亀山 睦美 Mutsumi Kameyama
1993年南魚沼市生まれ。昨年5月から「Atelier 景色」の名前で、イベント出店やオンラインショップでの販売を中心に花屋の活動をはじめる。今年1月に新潟市東区で実店舗をオープン。1番好きな花は胡蝶蘭。
できる限り花のロスを出さない、お店のやりかた。
――亀山さんは、やっぱり昔から花がお好きだったんですか?
亀山さん:花は子どもの頃から好きでしたね。10代で上京していたとき、1年近く花屋に勤めていたんですけど、家庭の事情で辞めることになって新潟に戻ってきたんです。でもそのときから「またいつか花の仕事がしたいな」っていう気持ちがずっとありました。
――花の知識は、花屋さんでお仕事をしていたときに身につけた部分が大きいんでしょうか。
亀山さん:基礎の多くはその会社で学びました。大きな会社の新人アルバイトでしたが、スタッフの教育体制も整っていたので短期間で多くの知識を身につけられました。ただ花の製作は先輩方が主に行う業務だったので、私はほとんど毎日雑務がメインでした。なので、色合わせやお花合わせなんかは、いろいろなところからインスピレーションを受けて身につけていきましたね。ほぼ独学です。

――こちらのお店は今年の1月にオープンされたばかりだそうですね。それまでは店舗を持たずに活動されていたと聞きました。
亀山さん: 去年の春から活動をはじめて、イベント出店とかオンラインショップでの販売を主にしていました。
――実店舗をはじめることにしたのにはどんなきっかけが?
亀山さん:「お店を持たない」っていうスタイルにも理由があって、「花のロスを出したくない」っていう思いがすごくあったからなんです。だから完全受注制にして、予約が入った分だけ花を仕入れて、なるべく使い切るっていうスタイルにしようと。
――ふむふむ。
亀山さん:だけどお店がないと、お客さんと対面して販売するっていう機会が本当に少なくて。もうちょっと個性を発揮する場が欲しいなって思ったのもあって、お店をはじめることにしました。お世話になっている関東のお花屋さんの方に相談したら、「店舗そのものが個性になるから」っていう話をされたことにも後押しされましたね。

――実際に、亀山さんの素敵な個性が空間に表れていますよね。「Atelier景色」のコンセプトと、店名の由来を教えてもらえますか?
亀山さん:花のデザイン自体にコンセプトは設けていないんですけど、お店でいうと、「アートギャラリー」や「美術館」のような、洗練されたイメージっていうか、花の色鮮やかさがキャンパスに塗られた色に見えるような、花自体が作品になるような空間にしたいと思って、こういう真っ白な内装にしました。「Atelier 景色」という店名にしたのは、「花1輪で人の目に映る景色が変わる」ってことを伝えたくて。

――お店は週に3日だけの営業なんですね。それも花のロスのことを考えてですか?
亀山さん:そうです。木、金、土の3日間の営業日にめがけて花を大量に仕入れて、営業期間内に売り切るっていうのを自分の中の目標にしています。
――亀山さんが「ロスを出したくない」と感じるようになったきっかけって、なんだったんでしょうか。
亀山さん:10代のときに勤めていた花屋で、仕事の一環で生産者の方とお話する機会があったんです。みなさん生き物を相手にお仕事をしているので、なかなか休めないし、家族で旅行も行けないっていう話を聞いて。それでも大事に手をかけてお世話されているし、市場の方も真夜中から仕事をはじめている方がほとんどなんです。そういう、花屋の背景にいる方々のことを考えると売り切りたいなっていう気持ちになりますね。

野菜や果物を選ぶ感覚で、自由に花を選んでもらう。
――私、花屋さんに行くと、どうやって花を買えばいいのか分からなくてあたふたしちゃうんですけど……。
亀山さん:うちの場合は、ちょっと特殊かもしれないんですけどセルフなんです。実際に花を手に取って選んでいただいて、ご自身で色の組み合わせや花の組み合わせを楽しんでもらうっていう、カジュアルなスタイルにしています。
――自分で取っていいんですね!お店の方から取ってもらうっていうイメージでした。
亀山さん:そのイメージが強いんだなって最近感じているんですけど、東京で勤めていた花屋もこういうスタイルだったんです。うちでは、花の名前とか金額を書いたラベルをひとつひとつに付けているので、お財布と相談しながら、スーパーで野菜や果物の値段を見ながら買うのと同じような感覚でみなさん選ばれていますね。
――やっぱり贈り物として買われる方が多いんでしょうか?
亀山さん:贈り物が多いですね。手土産にお花を1輪買っていきたいっていう方が意外と多くて、それも嬉しいです。

――フラワーベースもたくさんありますよね。
亀山さん:海外メーカーのものが多いですね。個性的なのものが好きなので、こういうものが多くなっちゃうんです(笑)
――珍しい形のものばかりで見ているだけで楽しいです。ドライフラワーは販売していないんですか?
亀山さん:ドライフラワーも扱っていますが、完全受注制にさせていただいています。一般的に、余ったお花をドライフラワーにして再販するというイメージが強いとは思いますが、私はお花を新鮮な状態で売り切ることを目標にしているので、余ったお花をドライにするという取り組み自体を極力行わないよう心がけています。ドライフラワーにするお花は、そのために仕入れて、すぐに乾燥させています。生活の中に生きているお花があるのって、個人的にすごく嬉しくて。ドライにはない生花の魅力をメインに発信していけたらいいなと思いますね。

花を通じて、いろいろな活動をしていきたい。
――お店をはじめてまだ間もないですが、嬉しかったことはありますか?
亀山さん:お客さんが「『Atelier 景色』さんに来たのをきっかけに、生活に花を取り入れるようになりました」っておっしゃってくれることがあって。そういう方が今度はフラワーベースを探しに来てくれたり、毎週1輪だけ買いに来てくれる方がいたり。そういう、人の生活スタイルを変えられたことが嬉しいですね。
――最後に、今後の目標を教えてください。
亀山さん:具体的なイメージはまだないんですけど、スワッグやリース作りみたいな制作のレッスンというよりは、お花の扱い方や花瓶への活け方とか、日常生活に寄り添った花のレッスンや教室を計画しています。あとは、せっかく白い壁一面を使って写真が撮れるようなお店にしたので、ウェディングフォトとか、いろんな方々にいろんな用途で活用してもらえる空間になったらいいなと思っています。花屋ではあるんですけど、ただ花を売るだけじゃなくて、花を通していろんな活動ができたらいいなと思っています。

【閉店】Atelier 景色
新潟市東区石山1-2-12 1F
025-250-0777
営業日:木-土
営業時間:11:00-17:30
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