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伝統に新しい感覚を取り入れた「いい感じ」のパン屋さん「BAKERY SO GOOD」。

新潟市中央区の鍛冶小路沿いに「BAKERY SO GOOD(ベーカリーソーグッド)」というパン屋さんがオープンしました。毎日10種類以上のベーグルや日替わりスープを用意していて、斬新なパンにも挑戦しているとのこと。ペパーミントグリーンの店内にオーナーの木下さんを訪ね、お店やパンについてのこだわりをいろいろと聞いてきました。

 

 

BAKERY SO GOOD

木下 竜平 Ryuhei Kinoshita

1990年新潟市中央区生まれ。FM PORTに10年間勤めディレクターとしてラジオ番組の制作を行う。閉局後は実家のパン屋で修業。趣味は音楽で、バンド活動や楽曲製作もおこなってきた。

 

面白いことに挑戦し続けた、ラジオ番組のディレクター時代。

——木下さんの実家は老舗のパン屋さんなんですよね。

木下さん:ええ、ひいおじいさんの代から114年続く「木下製パン」というパン屋さんなんですよ。

 

——じゃあ、木下さんも「木下製パン」で働いてきたんでしょうか?

木下さん: 高校卒業後に2年だけ働きましたが、その後は「FM PORT」という地元ラジオ局に入って、「MORNING GATE(モーニングゲート)」をはじめとするラジオ番組の制作に10年間携わっていました。

 

 

——へぇ〜。じゃあ私が聴いていた番組も、木下さんが作っていたかもしれないんですね。思い出に残っている放送ってありますか?

木下さん:とにかく他のラジオ番組ではやらないようなことに挑戦しようと思っていたので、いろいろと無茶なこともやっていましたね。「ニンニクの匂いを消してくれる食材ランキング」とか「ソリよりも雪の上を滑りやすいものを探す」とか(笑)

 

——面白そうなので、もう少し詳しく教えてください(笑)

木下さん:「ニンニクの匂いを消してくれる食材ランキング」では、前日に僕がニンニクをがっつりと食べて、匂いを消す食材を食べてからパーソナリティーに息をかけるんです(笑)。「ソリよりも雪の上を滑りやすいものを探す」では三条のアウトドアブランド「Snow Peak」にある雪山までロケに出かけて、ナベの蓋やダンボール紙で滑って試すんです。「朝からくだらないことをやってるな」と局から怒られたこともありましたが、一生懸命面白いことを探していたんですよ(笑)

 

 

——お話を聞いているだけでも面白そうですよね(笑)。でもラジオ局からパン屋さんに転職したのはどうしてなんですか?

木下さん: 2020年に「FM Port」が閉局することになったんですよ。他の局に移ってラジオの仕事を続けるか実家のパン屋を継ぐかで迷ったんですが、継ぐ人間が誰もいなかったので「木下製パン」の方を選ぶことにしたんです。114年も歴史のある老舗が無くなるのは残念だと思ったんですよね。

 

目指しているのは、毎日通えるパン屋さん。

——「BAKERY SO GOOD」はどんなコンセプトのお店としてオープンしたんですか?

木下さん:店名にしている「SO GOOD」という言葉には「いい感じ」という意味があるんです。地元の街で暮らす方々から「いい感じ」と思っていただけるような、日常的に通えるパン屋を目指しています。派手で綺麗な流行りのパンも作ってみたかったんですけど、毎日食べても飽きないようなシンプルで日常的なパンを作っていくことにしました。

 

——パステルグリーンを基調にした外観や内装は、そうしたコンセプトを意識しているんでしょうか?

木下さん:最初は黒を基調にしたスタイリッシュなお店とか、サイケデリックなピンクの内装も考えていたんです(笑)。でも1回来たら「もういいかな」ってなりそうだったので、目に優しいパステルグリーンの内装に落ち着きました。

 

——店名の通り「いい感じ」に感じます。

木下さん:ありがとうございます。毎日でも通っていただけるように、パンの価格にも気を使っているんです。パンを3個買うと1,000円を超えちゃうお店も多いんですけど、できるだけ超えないようにギリギリのところで頑張っています(笑)

 

 

——それは消費者としてはありがたいですね。他にも気を使っていることってあるんですか?

木下さん:安心して食べていただけるパン作りを心がけています。国産小麦を自社ブレンドして天然酵母でパンを作っていますし、白砂糖はできるだけ使わずに三温糖を使うようにしているんです。

 

——そこまで気を使って作られているパンのなかで、一番人気があるものはどれなんですか?

木下さん:毎日10種類以上ご用意しているベーグルは人気がありますね。特に人気なのは「塩こんぶとクリームチーズ」です。

 

 

——それまた変わった組み合わせのベーグルですね。

木下さん:最初はびっくりされちゃいますけど、一度食べた人はほとんどリピーターになってくれますよ。パンっていうのは朝食や昼食のイメージが強いんだけど、お酒と一緒に楽しめるパンがあってもいいと思うんですよ。「ビーツとサラミクリームチーズ」というベーグルはワインとの相性がぴったりなんです。

 

——日本ではあまりなかった目のつけどころですね。パンだけではなくてスープまであるんですか。

木下さん:「今日のスープ」というメニューを、ほぼ日替わりでご用意しています。クラムチャウダー、ミネストローネ、ポタージュというふうに、パンに合うスープをテイクアウトで提供しているんです。スープだけを大量に買って帰るお客様もいらっしゃるんですよ。

 

 

——へぇ〜、老舗のパン屋さんから独立したのに、いろいろ新しいことにも取り組んでいるんですね。

木下さん:「木下製パン」の人気商品として続いてきた「塩パン」も、アレンジを加えて「黒トリュフの塩パン」としてリニューアルしました。そのように伝統はしっかりと受け継ぎながら、新しいエッセンスは取り入れていきたいと思っています。そして地元の方々に「いい感じ」と思ってもらえるパン屋さんになりたいですね。

 

 

 

BAKERY SO GOOD

新潟市中央区西堀通3番町802-3

9:30-17:30

火曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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