Things

本場の台湾茶をゆったりと楽しめる「台湾茶房 茶趣茶樂」。

女池上山の住宅街の一角にある「台湾茶房 茶趣茶樂(たいわんさぼう ちゃしゅちゃらく)」では、本場の台湾茶とお料理、スイーツを楽しむことができます。台湾の茶芸文化に魅せられ、現地の人気店で働いた経験を持つご主人が「新潟でもゆったりと台湾茶を楽しんでもらいたい」とはじめたお店です。今回は店主の相田さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

 

台湾茶房 茶趣茶樂

相田 崇 Takashi Aida

1975年三条市生まれ。東京の大学を卒業後、都内の旅行会社に就職。7年弱勤めた後、台湾茶を学ぶため台湾の人気茶芸店「竹里館」で働く。帰国後は「竹里館」麻布支店の店長を務め、2007年新潟市に「台湾茶房 茶趣茶樂」をオープン。2017年に現在の場所へ店舗を移転。

 

茶芸文化に魅せられ、現地の有名店で台湾茶を学ぶ。

——まずは、相田さんがお店をはじめるまでのことを教えてください。

相田さん:東京の大学を卒業してから、都内の旅行会社で7年弱働いていました。それから自分のお店の準備をするため台北に1年間勉強しに行ったんです。「竹里館」という台湾で人気の茶芸店で働いて、帰国してからは麻布にあった「竹里館」の支店で店長を務めさせてもらいました。

 

——会社を辞めて台湾に行くって、大きな決断ですよね。

相田さん:旅行業は楽しかったし、職場の皆さんもいい方ばかりだったから、恵まれた環境にいましたね。でも自分しかできないことをやりたかったというか、「このまま定年まで会社員として働くのか……」という気持ちもあったんですよ。カフェ巡りが好きだったし、「やりたいことが見つかったら自分のお店を持ちたい」と思っていたんです。

 

——移住する前にも台湾には行ったことあったんですか?

相田さん:留学前に2回行きました。はじめて行ったとき「自分はまたここに戻ってくるな」って直感したんです。自分にすごくフィットしたんですね。おもしろい場所だなぁ、って。

 

 

——どんなところに魅力を感じたんでしょう?

相田さん:首都の台北には、アクティブに夜中まで遊ぶ人がたくさんいるんですよ。屋台も充実していてすごく賑わっているんです。でもちょっと郊外に行くと、茶畑を営んでいる店主がやっている茶芸館(喫茶店のようなお店)があって、遅い時間にそこでお酒じゃなくてお茶を飲んでゆっくりと過ごす時間が大好きでした。お茶の種類も豊富だし、お店の雰囲気も時間の流れも日本とはぜんぜん違ったんですよ。日本はあくせくしているけど、台湾はのんびりしている感じがして。

 

——そんなところも気に入って、台湾でお茶の勉強をしようと決めたんですね。

相田さん:台湾のいろいろな茶芸館に行きましたけど、「どこもお茶が美味しい」ってわけではなかったんです。たくさん飲み歩きして、「竹里館」というお店のお茶が特に美味しいと思いました。どんなふうにお茶を作っているのか知りたくて、オーナーに直接「働きながらお茶の勉強をさせて欲しい」って頼んだんです。せっかく茶芸文化を学ぶために台湾に来たんだから、お茶が美味しいところで働きたかったんですよ。

 

——その「竹里館」はどんなお店なんですか?

相田さん:ガイドブックに載っているような茶芸館で、茶葉料理のレストランとしても有名なお店です。オーナーからは「周りのみんなに信頼されないと何も教えられないよ」って言われていたので、最初はがむしゃらにレストランの接客担当として働きました。お茶のことを教えてもらうまで半年くらいかかったと思います。1年くらい働いて、「自分がお店をやるときのイメージを持つ」「茶葉の仕入れができるようになる」という大きな目的は果たせたので日本に戻ってきました。

 

日本でここだけ?! 有名茶芸「竹里館」の台湾茶が楽しめる。

——「茶趣茶樂」さんについても教えてください。

相田さん:お茶をゆっくりと楽しみながらお食事やデザートを召し上がっていただきたいとはじめました。「ゆったりとした時間を過ごしてもらいたい」と思ってはいるんですが、ありがたいことに提供する側はけっこうバタバタしています(笑)

 

——フードメニューはどんなものが?

相田さん:ランチセットは5種類。魯肉飯、台湾風角煮まん 割包(クワパオ)、蓮の葉ちまき、季節によって変わる麺料理、中華粥のいずれかをメインにしたセットメニューです。メインの他には小皿料理、台湾スイーツ、週替わりの烏龍茶も楽しんでいただけます。夜のメニューはデザートを選べるんですよ。スイーツの中で人気のある「烏龍茶パフェ」には茶葉を使って、甘さ控えめの大人の味に仕上げています。

 

 

——本格的な台湾料理も味わえるんですね。

相田さん:現地で食べて気に入った料理を再現しています。でも、そのままの味だと香辛料が強かったり、お出汁の風味が物足りなかったりするので、より美味しく食べていただけるように少し調整しています。

 

——料理も本格的だけど、相田さんとしてはやっぱり台湾茶を楽しんでもらいたいという思いが強いんでしょうか?

相田さん:そうなんです。私としては、「お店のメインは台湾茶」。それは揺るがないですね。もしかしたらランチについてくる台湾茶にあまり興味のないお客さまもいらっしゃるかもしれませんけど、来てくださった方にはぜひお茶を飲んで欲しいと思っています。ちょっとした私のプライドですね。

 

——お茶は全部でどれくらいの種類があるんでしょう?

相田さん:50種類くらいですね。烏龍茶だけでも15種類以上ありますよ。爽やかなものもあれば、紅茶みたいな風味のもの、ビンテージものなどたくさんご用意しています。烏龍茶とプーアール茶はすべて「竹里館」から仕入れているんです。ちなみに、カップで飲むか茶器で飲むかも選んでいただけます。

 

——「竹里館」から仕入れているお茶を楽しめるお店って他にもあるんですか?

相田さん:う〜ん。どうなんでしょう。もしかしたら、日本で「竹里館」のお茶を仕入れているのは当店だけかもしれません。「竹里館」の台湾茶は、オーナーがひとりで焙煎しているものなので、大量に作れるものじゃないんですよね。

 

作り方次第で、同じ茶葉でもまったく違った仕上がりになる台湾茶。

——台湾茶の魅力ってどんなところにありますか?

相田さん:発酵具合や焙煎時にどの程度火入れするかによって、同じ茶葉からでもさまざまなお茶を作ることができるんです。爽やかな感じにも、紅茶のようにも、香ばしく余韻を楽しむようにもできるなんて面白いですよね。同じ名前のお茶でもお店によって味がまったく違うところもひとつの魅力だと思います。

 

 

——へえ。それは確かに面白いですね。

相田さん:日本では日常的に、紅茶、コーヒー、日本茶が飲まれていますけど、そこに台湾茶が割って入ったらどんなにいいだろうって思うんです。コロナ禍となる前はお茶の講座を実施していたんですよ。落ち着いたらまたのんびりと茶器で台湾茶を楽しみながら、みなさんと会話する機会を設けたいですね。

 

——最後に、これから取り組みたいと思っていることを教えてください。

相田さん:期間限定のメニューになってしまうと思いますが、まだご紹介できていない美味しい台湾料理がたくさんあるので、そういったメニューを新潟の皆さんに食べてもらいたいですね。あとはまだ仕入れられていない台湾茶や、台湾で新しく誕生したお茶もメニューに加えていきたいです。台湾茶の魅力に共感してくれる方が増えてくれたら嬉しいですから。

 

 

 

台湾茶房 茶趣茶樂

新潟市中央区女池上山4-22-11

025-211-2229

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP