大人気のエクレアをここでも
長岡のお菓子屋さん「flag」
食べる
2026.02.09
昨年の11月に長岡市にオープンしたお菓子屋さん「花と菓子 flag-フラグ-」。読者の皆さんの中には、このお店のエクレアに見覚えのある方もいるのではないでしょうか。実はこちら、2024年に惜しまれつつ閉店した見附市の「CACHE-CACHE」の本間さんが新しくはじめたお店なんです。お店ができるまでのことや、エクレアのことなど、いろいろ聞いてきました。
本間 厚気
Atsuki Honma(花と菓子 flag-フラグ-)
1990年長岡市出身。製菓専門学校を卒業後、大阪府や長岡市の洋菓子店、東京都の結婚式場でお菓子づくりの経験を積む。見附市の「CACHE-CACHE」では店長としてお店に立つ。昨年11月に自身のお店である、「花と菓子 flag-フラグ-」をオープン。最近は県外の日本酒にハマっている。
悩んで、立ち止まって、決めたこと。
その背中を押したのは、周りの人たちの声。
――本間さんにお話を聞くのは、「CACHE-CACHE」のとき以来ですね。
本間さん:以前お会いしたときは、専門学校のときの先生の紹介で「CACHE-CACHE」で店長として働いていましたね。あの後、お菓子の他にやってみたいことがあって、それをちゃんと勉強してみたいと思って、お店を退職することになったんです。
――他にやってみたかったこと、とは?
本間さん:いろいろあったんですけど、いちばんはお花の勉強をしたかったんです。お花は学生時代から興味があって、高校の選択科目でフラワーデザインの授業を受けていたくらいです。 お店を閉店してからは、お花の勉強をしつつ、でも「flag」という屋号でイベントに出店してエクレアの販売もしていました。正直、「お店を閉めたら、エクレアはもういいかな」って思っていたんですけどね。
――エクレアをつくり続けていたのはどうしてなんでしょう。
本間さん:お店を閉めることにしてから、ありがたいことにお客さまからの反響をすごくいただいて。 「これは続けないと」って実感したんです。同業の方もたくさん気にかけてくれて、「もったいないよ」って言ってくれて。僕、基本的に自信がないんですけど(笑)、周りの人からそんなふうに言ってもらえるなら、もうちょっとやってみようと思って、独立して新しくお店を出すことにしました。
――お店の名前である「flag」には、どんな思いが込められているのでしょう。
本間さん:英語で旗という意味を持ちますが、僕はこの言葉を伏線という意味で使っています。よく「フラグが立つ」とか「〇〇フラグ」みたいに使うときの意味合いですね。お店に来た人にとって、これから明るい未来をつくるための伏線や、きっかけになる場所になったらいいな、という思いが込められています。
――伏線になるようなお店。この思いにも、何かきっかけがありそうです。
本間さん:5、6年前に読んだ本に、「今が辛いのは、これからがよくなるための伏線」っていう一節があって。本のタイトルもあまり覚えていないんですけど、この言葉だけはすごく頭に残っているんです。あと、ここは近くに大きな小学校があって、よく子どもが通る場所なんです。通学の途中にあるこのお店を見て、将来パティシエを目指すきっかけがつくれたらな、とも思っています。
――この場所は、本間さんにとってゆかりのある場所なんだとか。
本間さん:実はここは、物心ついたときからよく行っていたケーキ屋さんだったんです。最初は見附市で探していたんですけど、なかなかご縁に恵まれなくて。範囲を広げて探していたら、この物件を見つけたんです。他の物件よりも、縁がある物件だと思いましたし、見附の人もよく通るエリアなので、ここに決めました。


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ここに来たらまず買いたい、エクレア。
お客さん目線のシンプルさを大切に。
――やはり「flag」でも、看板はエクレアでしょうか。
本間さん:そうですね。エクレアの他にもケーキもあるんですけど、うちではケーキがあまり選ばれないんですよ。今来てくださっているお客さまの中には、「せっかくだからエクレアを買っていこう」っていう方もいらっしゃいます。「CACHE-CACHE」やイベントのときのお客さまも多くいらっしゃるので、のラインナップは前のお店のときから、ほとんど変えていないですね。
――そもそも、「CACHE-CACHE」でエクレアを販売したのには、どんなきっかけが?
本間さん:「CACHE-CACHE」のオーナーから、ショーケースの中にケーキ以外のものを置いてほしいって言われたのがはじまりです。ケーキ以外でショーケースに並べて見栄えが良いものって考えたときに、エクレアが思い浮かんだんです。当時、エクレアをつくったことはなかったんですけど、やってみようと思ったんです。
──意外なはじまりでした。エクレアのラインナップも「CACHE-CACHE」から受け継がれているんだとか。
本間さん:大きく変えることは、お客さまへの裏切り行為な気がしていて(笑)。メニューを大きく変えることはしていないですが、マイナーチェンジをしているものはあります。 「CACHE-CACHE」のときから変化があったのは生クリームですね。少しきび砂糖を入れてコクを出しています。よかったら食べてみてください。
――ではいただきます! クリームの甘さが控えめでスルスル食べられちゃいます。エクレアの生地の塩味とすごく合います。
本間さん:生地の塩加減はほんの少し強めかもしれません。僕が甘すぎるのが得意じゃないので、あっさりと食べてもらえるようにしています。定番のエクレアの他に、季節に合わせて中身を変えたものもご用意していますよ。
――本間さんがお菓子をつくる中で、大事にしていることはありますが?
本間さん:パティシエって職人仕事だなと思っていて。僕の中で職人って珍しい組み合わせをしたり、すごく高度なものをつくっているイメージがあって、でも実際お客さまにそれを求められているかといったら、そんなこともないような気がするんです。だから食材の組み合わせを考えるときは、本当にシンプルで、ひと目見ただけで味が想像できるように意識しています。


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お店にある、小さな部屋と、
「花と菓子」のこれから。
――お店の中には、小さなお部屋がひとつありますね。
本間さん:実はこの部屋を使って、お花屋さんをしようと思っているんです。本当はオープンと同時にお花もはじめたかったんですが、準備をしているときに手が回らないかもって気づいて(笑)。この場所の活用を早いうちにできたらいいなと思っています。
――お花屋さんをやるつもりで、店名に「花と菓子」という言葉を入れていたんですね。
本間さん:僕の花への気持ちが冷めないように(笑)、お店の名前に「花」を使いました。ただ、今は自分ではじめられそうにないので、誰かに場所を貸してお花屋さんをやってもらうことも視野に入れていますね。でも、お花にこだわらず、コーヒースタンドなんかもいいかもしれない、なんて思っています。
――独立して、自分のお店をオープンしてみて、今の心境はいかがでしょうか。
本間さん:ありがたいことに、かなり忙しくさせてもらって、正直12月は記憶がないです……(笑)。お客さまの中には「4回チャレンジしてやっと入れました」っていう方もいらっしゃって、申し訳なさもありつつ、本当にありがたいことだなって思います。あとはこのお店をはじめて、見附と長岡は近いけど、全然違う場所なんだなって気づきました。
――と、言いますと?
本間さん: 長岡では、見附ほど「CACHE-CACHE」が知られていなかったんです。だから、これからは、長岡の方に「flag」を知ってもらえるようにできたらと思っています。その中で、お店の体制を整えていきたいですし、ホールケーキもはじめていけたらなって。もちろん、小さい部屋の活用も(笑)。まずはお店を安定させることをいちばんの目標にして、頑張ります。


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