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緑の中にたたずむ隠れ家的なフランス料理店、三条の「apelo」。

三条市にある「apelo(アペロ)」というフランス料理のお店を訪ねました。でもスマートフォンのマップアプリで示された場所を見ても、そこにはお店の姿が見当たりません。恐る恐る緑の生い茂ったガーデンに足を踏み入れてみると……、緑に囲まれた奥の方にある建物に「apelo」の看板が! そんな隠れ家みたいなフランス料理店「apelo」のオーナーシェフ桑原さんに、お店や料理のお話を聞いてきました。

 

 

apelo

桑原 直人 Naoto Kuwabara

1981年新潟市北区生まれ。大学を卒業してからホテルに就職しフロントマンを経験。その後はイタリンアンカフェを経てフランス料理店で料理の腕を磨き、2018年に三条市で「apelo」をオープンする。趣味は始めたばかりのキャンプと、レトロ純喫茶などのお店めぐり。

 

気軽にお酒を飲みながら、ゆったり過ごせる店。

——住宅街の中にこんな緑に囲まれた場所があるとは知りませんでした。ここでお店を始めることになったいきさつを教えてください。

桑原さん:元々この向かい側にあるカフェを、カバン屋さんの社長が経営していたんです。うちの店と隣の美容室がある場所は雑木林だったんですけど、「ここに人が集まる場所を作りたい」ということでテナントを募集していたんですよ。

 

——隠れ家的でいい雰囲気ですよね。

桑原さん:ちょっとわかりにくい場所にありますけど、お客様には非日常的な雰囲気を楽しんでいただきたいですね。

 

——「こんなお店にしたい」というコンセプトはじゃあ最初からちゃんとあったんですか?

桑原さん:フランスの習慣に「apéritif(アペリティフ)」っていうものがあります。食事の前にお酒を飲みながらゆったりと過ごす時間のことなんです。家族が集まって「今日は学校でどんなことがあった」とか「次のお休みはどこに行こう?」とか、そんなことを語り合うひとときを過ごしてもらえるような空間を作りたかったんですよね。

 

——なるほど、店名の「apelo」って「apéritif」が語源なんですね。

桑原さん:そうなんです。本当は「apero」っていう表記が正しいんですけど、たまたま「apelo」という名前の人物がいることを知ったので、名前っぽく「apelo」と表記することにしました。

 

——まわりに緑も多いし窓も大きいし、開放的な店内はゆったりと過ごすのにもってこいの雰囲気ですね。

桑原さん:ありがとうございます。気軽に食べられるフランス料理を目指しました。ドレスコードなんか気にしないで、サンダルでも立ち寄れるような気軽な店にしたかったんです。だから堅苦しい料理は作らないようにして、箸で食べてもらえるようにしました。おかげさまで年配のおじいちゃんやおばあちゃんも来てくれるんです。

 

ホテルマンから、自分が作ったものを売る料理人の世界へ。

——桑原さんはお店を始める前はどんなことをしてきたんですか?

桑原さん:新潟の大学を卒業して、入社したホテルでフロントの仕事を5年やりました。ホテルマンはサービス料をいただく仕事ですので、接客サービスに関しては厳しく教え込まれましたね。その経験は今も生かされていると思います。

 

——最初はホテルマンだったんですね。でも、どうして料理の仕事をするようになったんですか?

桑原さん:ホテルに勤めているとき、10年後、20年後の自分の姿が想像できなかったんです。それから、自分で作ったものを売る仕事がしたいと思ったんですよね。ちょうどその頃、家庭で料理を作る機会が増えて、料理が楽しくなってきたというのも理由のひとつでした。ゆくゆくはカフェかイタリアンレストランを自分でやってみたいと思うようになったんです。

 

 

——それで料理の修業を始めたんですね。

桑原さん:はい。私ももう27歳だったので下働きからじゃなく、すぐに調理を覚えられるような店を探して、海沿いにあるリゾート風のイタリアンカフェで働くことになりました。その店のオーナーから「3年後の自分を見据えて目標を持って働け」と言われていたので、少しでも早く仕事を覚えて独立できるよう、朝から晩まで必死に働きましたね。

 

——最初はイタリア料理だったんですね。

桑原さん:そうなんです。その後食べ歩きをしてみて、自分が一番美味しいと思った店で働くことになりました。それがフランス料理の店だったんです。シェフとふたりきりの調理場だったんですが、メインはシェフがやって私は調理補助だったので、肉や魚にはまったく触らせてもらえませんでした。でも近くで見ることができたので知識も技術もスキルアップしました。

 

——ちなみにイタリア料理とフランス料理って、調理をする上でかなり違うものなんですか?

桑原さん:イタリア料理は和食に近いんですよ。食材の味を生かしてシンプルに味付けするんです。フランス料理は香り消しのためのソースに凝った味つけをします。あと前職のイタリア料理に比べて、その後に勤めさせていただいたフランス料理店では細かい盛り付け作業を求められていたので気を遣いました。野菜も大きさを揃えてカットしたりするんです。使う用語がフランス語に変わったので、慣れるまでは異国にいるような感じでしたね(笑)

 

新しい発見がある、三条ならではのフランス料理を目指す。

——桑原さんが料理を作るときにこだわっていることを教えてください。

桑原さん:フランス料理ってフランスの郷土料理ですから、当たり前のことだけどフランスで食べるのが一番正しいんですよね(笑)。だから三条で作るんだったら、三条でしか食べられないフランス料理を作りたいと思っています。そのためにも、できるだけ三条産の食材を使って作るということを心がけているんです。あと野菜ソムリエの資格も持っているので、その知識を生かして野菜をふんだんに使うようにしています。

 

 

——それで三条の美味しい野菜がたっぷり使ってあるんですね。

桑原さん:はい。あと料理とソースの組み合わせにこだわっています。今まで食べたことがないような組み合わせを楽しんで、新しい美味しさを発見してもらえたらと思っています。召し上がったお客様からソースの名前を尋ねられることも多いんですよ。

 

 

——では、おすすめメニューを教えてください。

桑原さん:料理はもちろんなんですけど、お店を始めた理由のひとつに「ワインを飲んでほしい」っていう思いがあったんです。気軽にワインを飲みながらフランス料理を楽しんでほしいですし、ワインの美味しさを知ってほしいんですよね。だからワインをお注ぎするするときには、ちょっとしたワインのうんちくをお話しするようにしているんです。それでもっとワインに興味を持ってもらえたり「美味しい」といってもらえるとうれしいです。

 

 

——フランス料理にワインは欠かせないものですよね。では今後やってみたいと思っていることはありますか?

桑原さん:新型ウイルス感染症の影響もあって、大勢でおこなう結婚披露宴が難しくなってきていると思うんですよ。それで家族だけでお祝いするウェディングパーティーや、庭を使ったガーデンチャペルに対応する準備を進めているところです。その際はいろいろな方々にご利用いただけたらと思っています。

 

 

大きな窓から緑を通して差し込む光が、とても心地よいフランス料理店「apelo」。夜には窓の外の木の枝に電飾が灯るそうで、ワインを傾けながらゆったりと過ごすにはもってこいのお店です。皆さんもぜひ家族や恋人など大切な人と訪れて、素敵なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

 

apelo

新潟県三条市荒町2-19-10

0256-55-7302

11:30-14:00(L.O.13:30)/17:30-22:00(L.O.21:30)

月曜、第3日曜休

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