以前「Things」で紹介したイタリアンレストラン「Focaccia e vino TETTO」。その同じ店舗内にファッション、アクセサリー、観葉植物、本、クリエイターアイテムまで取り扱っている「Flagran(フラグラン)」というセレクトショップがあります。なぜこんなに多種多様なジャンルのアイテムが置かれているのか、なぜレストランと併設しているのか、オーナーの寺澤さんにお話を聞いてきました。
Flagran
寺澤 幸子 Sachiko Terasawa
新潟市江南区生まれ。高校卒業後とアパレルショップに就職。その後、全国チェーンのシューズショップ勤務を経て、アクセサリー雑貨店の店長やエリアマネージャーを務める。結婚を機に新潟に戻り、アパレル系ブランドの販売代行ショップを開き、その契約が終了した2015年、新潟市中央区上古町に「Flagran」をオープン。趣味は卓球、ハイキング、散歩。
——今日はよろしくお願いします。以前「Things」で紹介させていただいた「TETTO(テット)」と店舗をシェアしてるんですよね。寺澤さんから誘ったそうですが?
寺澤さん:はい。普通の服屋はやりたくなかったんです。ひとつのイメージだけじゃなくて、ファッションやアクセサリーもあれば生活雑貨、観葉植物、本といった「衣食住」が楽しめるようなアイテムをぎゅっと詰め込んだショップにしたかったんですよ。でも「衣食住」の中の「食」だけは、料理人じゃない私には無理だったので、レストランで働いていた丸山さんを誘ってみたんです。そしたら、彼女も「TETTO」として一緒にやってくれることになったんです。
——なるほど。寺澤さんの中では「TETTO」も含めてひとつのショップという感覚なんですね。じゃあ「食」以外の「衣」と「住」はどんなものを扱っているんですか?
寺澤さん:国内外からセレクトした、アクセサリーや雑貨も含めたファッションアイテム、観葉植物、本、クリエイターアイテムなどを置いてます。「これがあったら生活がもっと楽しくなるんじゃないかなぁ」って思えるものを選んでるんです。あと服を選ぶときは自分の好きなものを選ぶにはもちろん、常連のお客様の顔が浮かんで「あのお客様にはこれが似合うんじゃないかなぁ」って考えながら選んでることが多いんですよ。そのほかにワークショップも開催していて、ものづくりを楽しんでもらうこともできます。
——お客さんと密に接することができるお店ならではのセレクトなんですね。クリエーターズアイテムというのは、どんなふうにセレクトしたり仕入れたりしてるんですか?
寺澤さん:気になる作家さんの作品展を観に行って、気に入った作品があったら作家さんにお声掛けして交渉させていただいてます。ときどき作品を持ち込んでくる作家さんもいるんですが、お店に置けないときもあるんです。そういうときは「こんな作品だったら売れるかもしれない」っていうアドバイスをしたりしています。新潟って素敵な作品を作る作家さんがいっぱいいるのに、その作品を置いておける場所が少ないと思うんです。少しでもそんな作家さん達のお手伝いができればとは思ってますね。
——寺澤さんはずっとお店をやりたいと思っていたんですか?
寺澤さん:はい。実家が洋品店をやっていた影響もあって、子どもの頃からお店をやりたいという夢を持ってました。
——じゃあ子どもの頃からの夢を叶えたんですね。これまではどんな仕事をしてきたんですか?
寺澤さん:高校時代にアルバイトしていたアパレルショップに、卒業と同時に就職して3年間勤めて、それから全国チェーンのシューズショップで3年間勤めました。その後は「ラフォーレ原宿新潟店」内のアクセサリーや雑貨のショップで販売の仕事を始めて、新潟店の店長、お台場にできた新店の店長を経て、エリアマネージャーとして各店舗の指導をする立場になりました。結婚を機に新潟に戻ってからも、オンラインショップを任せてもらったりしていたんですが、オンラインショップの撤退と共に退職することにしたんです。
——すごい出世じゃないですか。辞めるのはもったいなかったですね。
寺澤さん:でも、それからしばらくして「ラフォーレ原宿新潟店」の館長から声が掛かって、アパレル系ブランドの販売代行を勧められたんです。信用がある人しか任せてもらえないことなので、私を推薦してもらえたことがすごく嬉しかったですね。それでお引き受けすることにして、3ヶ月間の期間限定ショップとしてオープンしました。ところが思った以上に売り上げが良かったので、期間延長して3年間続いたんです。契約が終わったのと同時に自分のショップを始めることにして、2015年の5月9日に「Flagran」をオープンしました。ゴールデンウィークまでにオープンしたかったんですが、色々あってゴールデンウィークが終わってからのオープンになっちゃいました。
——人気のあるアイテムを教えてもらえますか?
寺澤さん:服ってシーズンでいろいろ人気アイテムが変わるんですけど、1年を通してロングセラーなのはデニムやパンツですね。アクセサリーなんかは1点ものが多くて、宝箱から好きなアクセサリーを選ぶような楽しみがあるんです。売れたアイテムは同じものを入れないので、いつも新しいアイテムが並んでいます。
——いつも新鮮な気持ちで楽しめるんですね。では新生活シーズンにオススメのアイテムってありますか?
寺澤さん:新生活のお供には観葉植物がオススメですね。環境が変わって疲れたときにはグリーンを眺めて癒されてほしいです。キャンドルの明かりでお茶やお酒を楽しむのもいいですよね。あと仕事の悩みにぶつかったときには、参考になりそうな本もいろいろ置いてますので読んでみて欲しいです。それから花粉症シーズンですので、ポケットティッシュを入れて持ち歩けるお洒落なケースもオススメです。
——いっぱいオススメが出てくるお店って、いいですよね。これからのことって何かプランがあったりするんですか?
寺澤さん:新しいことは特に考えていません。今と変わらずお客様に喜んでもらえることを続けていきたいと思ってます。変わらずに続けていくのって大変なことだと思うんです。でも、お客様が楽しめて自分も楽しめるショップとしてブレずに続けていきたいですね。
「とにかく楽しめるショップをやりたかった」と語る寺澤さん。そのためにひとつのイメージだけではなく、いろいろなジャンル、いろいろなイメージのアイテムを置き、隣にはイタリアンレストラン「TETTO」を併設してランチやティータイムも。本当に「いろいろ楽しめるショップ」になっています。お客さんに実際のショップでの買い物を楽しんでほしいから、ネットショップはやらないという姿勢にも、その思いが表れています。新たな発見とワクワクを求めて、みなさんも「Flagran」で楽しい時間を過ごしてみてください。
Flagran
〒951-8063 新潟県新潟市中央区古町通647-1
025-211-2244
11:00-19:00
木曜休